【ジブリ映画】『平成狸合戦ぽんぽこ』まとめ!あらすじ・キャラクター&声優・舞台・歌について徹底解説
1994年公開の高畑勲監督によるスタジオジブリ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』は、土地開発によって住む場所を奪われそうになった狸たちが森を守ろうと奮闘する物語。狸社会の中にある派閥で争う様子や、化け学を使って人間社会に溶け込もうとする狸たちの様子をユーモラスに描いているのが特徴的です。この記事では、作品概要、あらすじ、キャラクター・声優、舞台、歌についてまとめていきます。
こんにちは、Reneです。
今回は、1994年公開のジブリ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』について徹底解説します。
スタジオジブリを代表する映画監督のひとりで、世界的にも高い評価を受けているアニメーション監督・高畑勲氏が手掛けた『平成狸合戦本ぽこ』。
高畑勲監督といえば、原作付きの作品を手掛けることが多く、原作の世界観を忠実にアニメーション化しながらも、情緒、社会的メッセージを落とし込むことが得意なクリエーターです。
そんな高畑勲氏が、原作・脚本・監督を務め、1からストーリーを作り上げた渾身の一作が『平成狸合戦ぽんぽこ』です。
自分たちの豊かな暮らしのために自然の動物・植物を犠牲にして土地開発を進める人間社会を痛烈に批判した内容となっています。
しかし、説教じみたセリフや描写があるわけではないので、表面的にはコメディタッチで描かれる狸VS人間の対立にクスッと笑えるのがいいところ。
子どもから大人までが笑いながら見られて、かつエンドロールでふと人間の暮らしについて考えさせられる、そんな作品について、詳しく解説していきます。
- ◆キャッチコピーは?
- ◆受賞歴と海外での評価
- ◆受賞歴と海外での評価
・平成狸合戦ぽんぽこ:あらすじ
- ①タヌキたちの危機
- ②力を合わせて計画中止を画策するタヌキたち
- ③総力をあげて「妖怪大作戦」を決行
- ②人間を倒すか?人間と暮らすか?選択の時
・平成狸合戦ぽんぽこ:キャラクター・声優
- 正吉(声優:野々村真)
- おキヨ(声優:石田ゆり子)
- 権太(声優:泉谷しげる)
- 鶴亀和尚(声優:五代目柳家小)
- おろく婆(声優:清川虹子)
・平成狸合戦ぽんぽこ:舞台
- 東京・多摩
- 龍生寺阿弥陀堂
- 四国
・平成狸合戦ぽんぽこ:歌
ジブリ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』の作品概要
1994年7月16日に公開されたジブリ映画『平成狸合戦ぽんぽこ』は宮崎駿が企画として携わり、原作・脚本・監督を高畑勲が務めました。
高畑勲といえば、スタジオジブリで映画を制作する監督の一人で『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『かぐや姫の物語』など日本を舞台にした作品を多く生み出しています。
◆キャッチコピーは?
キャッチコピーは、「タヌキだってがんばっているんだよォ。」
自然が多く残る東京・多摩丘陵で、人間たちがマンション開発に乗り出したことから森に住むタヌキたちは、住む場所を追いやられてしまいます。
どうにかニュータウン開発を中止してもらおうと、タヌキたちは先祖伝来の化け学を駆使して人間たちに対抗していくのです。
普段の生活でも狸が人間の農地を荒らしたニュースは出てきますよね。
農業を営む人にとって狸は、害獣としてしか見えないかもしれません。
しかし、本編で登場する狸たちは、人間たちによって住む場所を奪われ、住宅街に出没するようになるのです。
狸たちが人間たちの前に現れるようになった理由を考えてみると、害獣と一蹴するのもおかしな話ですよね。
また、化け学を使って人間に対抗する狸たちは、どうにか自分たちの住処を守ろうと必死なので、どこか憎めない部分もありました。
そういった点を踏まえると、このキャッチコピーからは、社会風刺のメッセージと狸のキャラクターたちへの愛着の2つの意味が読み取れます。
◆受賞歴と海外での評価
『平成狸合戦ぽんぽこ』は、国内2つ、海外1つの受賞をしています。
また、英語圏で最大級のユーザー数を誇る映画祭と「IMDb」で7.3/10、映画批評サイト「ロッテントマト」で、批評家評価85/100とオーディエンス評価77/100。
海外でも高く評価されていることが分かります。
◆受賞歴と海外での評価
『平成狸合戦ぽんぽこ』は、劇場上映から過去9回のテレビ放送がありました。
平成狸合戦ぽんぽこ:あらすじ
続いては、『平成狸合戦ぽんぽこ』のあらすじをご紹介します。
未見の方は、ご注意ください。
①タヌキたちの危機
昭和40年代の日本。
まだ多くの自然が残る多摩丘陵では、人間とタヌキがそれぞれ住宅街と森で分かれて静かに暮らしていました。
そんなある時、国の方針でベッドタウンにしようと、多摩ニュータウン計画が推進されます。
一部の森が壊された事により、そこに住んでいたタヌキたちは、他の縄張りに押しかけタヌキ社会でも争いが頻繁に起こるようになります。
②力を合わせて計画中止を画策するタヌキたち
そんな状況を見かねた老婆狸は、「今はタヌキ同士で戦っている場合ではない。人間の手によって削られ、土肌むき出しになっていく状況を止めなくてはならない」と万福寺へタヌキたちを召集。
タヌキたちは、テレビを設置し、人間についての研究を始めます。
そして、先祖代々伝わる”化け学”を使って、人間社会に潜り込む事に。
化け学は、かつて人間をからかうための手段として頻繁に使われていたのですが、人間が知能を高めてからはめっきり使われなくなっていたのです。
タヌキたちは、化け学を学び、人間らしく化けられるようになったタヌキから順番に街頭実習へと移行。
化けている時間が長いと、そのぶん疲れも溜まるため、初めのうちは人間のふりをし続けるのに失敗してしまうタヌキもいたのですが、キツネのせいにしてどうにか誤魔化し着実に実戦を積んでいきます。
そして、多摩ニュータウン計画に携わる工事現場で、作業員が負傷するよう工作したり、怪奇現象を起こしてみたり、のっぺらぼうになって人間を驚かしたり、やりたい放題。
人間社会でも多摩ニュータウン計画での不可解な事件や現象が取り上げられるようになり、タヌキたちは計画が中止されるだろうと喜びますが、開発は進み続けます。
③総力をあげて「妖怪大作戦」を決行
空から、冬から春へ季節が移り、食糧難に悩むタヌキたちは、大規模な「妖怪大作戦」を決行することに。
月明かりに少し雲がかかった晩、タヌキたちは、化け学を使って狐の嫁入り、提灯、小人の阿波踊り、雷神など数々の幻想を見せつけます。
作戦決行中に、仲間の一人がパワーの限界を突破してしまい息を引き取りました。
タヌキたちは、すぐさま万福寺に戻り、仲間を惜しみながらも次こそ開発中止になるだろうと期待します。
しかし、化け学によって人間たちが見た幻想は、美しいものと評判になってしまい、ニュータウンは開発中止になるどころか、開発部の人間たちがこの幻想を起こした人物を採用したいと探し回る事態に。
タヌキたちは、怒りに包まれますが、これ以上なす術がありません。
②人間を倒すか?人間と暮らすか?選択の時
そんな時、人間に化けて開発部に所属するキツネがタヌキたちの元を訪れます。
そして、キツネたちは生き延びるために人間に化けて人間社会で暮らすことを選び、命をつないでいると話します。
また、化けることができるタヌキだけを集めて一緒に働かないかと持ちかけるのです。
自分たちの力では、どうしようもない変化が起きた時、それに順応できないものは滅びていくしかないということに気づかされます。
キツネたちが変化に合わせて人間社会に溶け込んだように、タヌキたちもまた、人間に化けることができる者が人間として社会で暮らしていくことに。
一方、人間に化けることができないタヌキたちは、わずかに残った人里の自然で姿を隠しながら生活するのでした。
平成狸合戦ぽんぽこ:キャラクター・声優
続いてはメインキャラクターと声優をご紹介します。
他のジブリ作品に登場した声優さんの名前にも注目です。
正吉(声優:野々村真)
正吉は本作の主人公。
冷静沈着で倫理観を持ち、村の中でリーダー的存在の若タヌキです。
おキヨ(声優:石田ゆり子)
正吉と両思いになる若タヌキで、凛とした強さを持っています。
石田ゆり子さんはのちに『もののけ姫』で少女・サンを演じています。
権太(声優:泉谷しげる)
短気で喧嘩っ早い武闘派・若タヌキ。
鶴亀和尚(声優:五代目柳家小)
万福寺で暮らす105歳の長老タヌキ。
おろく婆(声優:清川虹子)
村タヌキみんなの母親的存在で、化け学をビシバシ教えていきます。
平成狸合戦ぽんぽこ:舞台
『平成狸合戦ぽんぽこ』は実在の場所がモデルになっています。
物語の舞台として登場する場所をご紹介しましょう。
東京・多摩
全編を通して舞台となっていたのは、東京の多摩です。
土地開発中にピクニックで訪れていた家族の後ろに多摩市南野にある給水塔が写っていたり、四国からタヌキが訪れるときに渡った鉄橋が写っていたり、万福寺が住宅街へと変わった際には、南大沢ベルコリーヌを彷彿させる暖色でモダンな建物がずらりと並んでいたりします。
龍生寺阿弥陀堂
タヌキたちが開発中止のための計画を立てる場所として使っていた「菩提餅山万福寺(ぼたもちさんまんぷくじ)」は、東京・八王子市にある龍生寺阿弥陀堂です。
こちらは、あまり万福寺と似ていないのですが、美術監督を務めた男鹿和雄が、モデルにしたことを明かしています。
階段の位置が同じだったり、石灯篭、鐘楼があったりと共通点はいくつかありました。
四国
本編で、四国が描かれることはありませんが、四国からやってくるタヌキと四国の関係性についてもみていきましょう。
ストーリーでは、多摩開発を聞きつけてタヌキの長老がやってきますよね。
三長老の長年長・太三郎禿狸は、佐渡の団三郎狸、淡路の芝右衛門狸に続く三大狸として知られているのです。
香川県高松市の屋島寺では、禿狸が那須与一に化けている話について展示の紹介があります。
妖怪大作戦で命を落とす三長老の2番目・隠神刑部については、愛媛県松山市にある山口霊神がゆかりの地となっています。
そして、三長老の3番目・六代目金長ゆかりの地として知られるのが、徳島県小松島市にある金長神社。
本編では、金長大明神として登場しているのですが、奥殿があったり、鳥居の横の大木、立て札など、モデルにされたと考えられるポイントがたくさんありました。
平成狸合戦ぽんぽこ:歌
平成狸合戦ぽんぽこといえば楽曲も印象的でした。
テーマ曲とエンディング曲はそれぞれ以下のようになっています。
テーマ曲『ぽんぽこ愛のテーマ「アジアのこの街で」』
歌:上々颱風
作曲:猪野陽子
編曲:上々颱風/古澤良治郎
作詞:紅龍
エンディング曲『いつでも誰かが』
歌:上々颱風
作曲:紅龍
編曲:上々颱風
作詞:紅龍
まとめ
この記事では、『平成狸合戦ぽんぽこ』についてまとめました。
日本の伝統を感じられる作風に、陽気なタヌキたちを通して自然との共存について考えさせられる作品に仕上がっていることが分かりました。
日本各所にタヌキたちの暮らしを感じられるスポットもあるので、興味のある方は観光してみてください。
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