【ジブリ映画】『紅の豚』声優まとめ!プロ声優を多く起用した最後の作品?他ジブリ作品とのつながりも
宮崎駿監督による長編アニメーション『紅の豚』の声優陣をまとめましたスタジオジブリといえば、プロの声優を使わず、俳優や製作陣の知人を起用するなど、キャラクターの声にもこだわりを持って製作をしていると有名ですよね。しかし「ジブリのキャラは棒読み」なんていう感想も少なくありません。『紅の豚』の評判はどうだったのでしょうか。この記事では、声優陣について、あらすじと一緒にご紹介します!
こんにちは、Reneです。
今回は、1992年公開の映画『紅の豚』の声優をご紹介します。
主人公を豚に託して宮崎駿が描いた『紅の豚』は、戦時中のイタリアを舞台にモラトリアムに興じる男たちのロマンが詰まった哀愁漂うヒューマンドラマ映画です。
中性的なヒロインが主人公となってストーリーを盛り上げる一般的なジブリ作品の中では、やや異質な作品でもある『紅の豚』。
宮崎駿監督は、自身がファンである作品の吹き替えを担当した役者をキャスティングしたり、納得のいく場面に仕上げるために、同じセリフを30回以上もやり直しをさせたりと、制作に対するこだわりのエピソードをいくつも残しています。
声優とキャラクター紹介に加えて、あらすじについてもまとめましたので、ぜひチェックしてみてください!
- 『紅の豚』の制作においての声優キャスティング
・『紅の豚』声優:ポルコ・ロッソ(声優:森山周一郎)
- ◆子供の頃からあの声だった!?
・『紅の豚』声優:マダム・ジーナ(声優:加藤登紀子)
- ◆ポルコに怒るシーンを36回もやり直し
・『紅の豚』声優:フィオ・ピッコロ(声優:岡村明美)
・『紅の豚』声優:その他のキャラクター声優
- ◆ドナルド・カーチス(声優:大塚明夫)
- ◆ピッコロのおやじ(声優:桂文枝)
- ◆マンマユート・ボス役(声優:上条恒彦)
『紅の豚』声優:あらすじ
まずは物語のあらすじを簡単にご紹介します。
舞台は、1920年代末期のイタリアとバルカンの狭間・アドリア海。
第一次世界大戦でイタリア機軍飛行隊のエースとして名を馳せたマルコ・パゴットは、戦争を続ける人間社会に不満を募らせ、「ポルコ・ロッソ」と名乗り、自らに魔法をかけて豚へと姿を変えて暮らすことに。
不景気により職をなくした人々による空賊隣観光船を襲っては日銭を稼ぐ悪行が横行している世の中で、ポルコは、愛機である深紅のサボイアS-21に乗り、空賊退治をして賞金稼ぎをしていました。
ある日、空賊連合の悪行から女性を救ったポルコは旧友であるジーナの元を訪れた際に、空賊連合がポルコ打倒の助っ人としてアメリカ人のドナルド・カーチスを雇ったという話を耳にします。
イタリア艇を負かした高速艇・カーチスR3C-0で、愛機の整備に向かう道中を襲撃されたポルコは、どうにかミラノまで逃亡し、助けを求めてピッコロ社を訪れるのですが...
『紅の豚』の制作においての声優キャスティング
近年のジブリ作品では、ほとんどプロの声優が起用されることはありません。
その理由として宮崎駿監督は、「声優の演技は不自然だから」という言葉を放ち物議を醸しました。
しかし『紅の豚』では女優兼歌手として活躍する加藤登紀子さんがキャスティングされている一方で、まだまだアニメ声優の大御所たちが多くキャスティングされています。
宮崎駿がプロの声優をぱたりと起用しなくなったのが『紅の豚』以降の作品であり、宮崎駿のスタイルはその後のアニメ映画界の声優キャスティングに大きな影響を及ぼしています。
ジブリのキャスティングに”声の存在感”を重視せず、それ以上に大切なのが”演技力”と”雰囲気”を大切にするようになったと語る宮崎駿を大きく変えた『紅の豚』は、アニメーション映画界の声優キャスティングにおいて歴史的な一作と言えそうです。
『紅の豚』声優:ポルコ・ロッソ(声優:森山周一郎)
それではここから主要キャラクターの声優を紹介していきます。
主人公のポルコ・ロッソは、髭、サングラス、帽子にトレンチコートが特徴的で、深紅の愛機で空を飛び回る豚になった男。
そんな主人公ポルコを演じたのは、1923年7月26日生まれの俳優、ナレーターとして活躍していた森山周一郎さんです。
惜しくも2021年2月、他界されています。
ポルコ役への起用のきっかけとなったのは、1970年代に放送されていたアメリカのドラマ『刑事コジャック』。
同作品のファンであった宮崎駿監督が、主役のテリー・サバラスの吹替えを担当した森山周一郎氏の出演を希望したからと言われています。
◆子供の頃からあの声だった!?
森山周一郎さんの渋みと重圧感のある声質は、ダンディな主人公ポルコのイメージにマッチしていますよね。
彼の独特の声質については、
「彼が9歳の頃に他界した父の声に似ていると言われていた」
「幼稚園の頃からこの声だった」
「小学校の合唱で、大人が混じっていると言われた」
「近所のおばさんから、可哀想にと同情された」などのエピソードが伝えられています。
しかし周りから哀れまれたこの声について本人は、「父からもらった相続税のかからない遺産。おかげで80歳を超えても食べていけている」と感謝していたそう。
劇団俳優出身の経歴から、生まれ持った渋い声に安定した重圧感が加わり、『紅の豚』では芯の強さを感じさせるポルコを見事に演じました。
『紅の豚』声優:マダム・ジーナ(声優:加藤登紀子)
マダム・ジーナは、ポルコの旧友であり、3度の結婚のあと、未亡人として「ホテル・アドリアーノ」を経営する絶世の美女。
そんなジーナを演じたのは、1943年12月27日生まれの女優、シンガーソングライターとして活躍する加藤登紀子さんです。
1996年の「誰も知らない」でデビューし、代表曲にはミリオンセラーを突破した「知床旅情」や「百万本のバラ」などがあります。
◆ポルコに怒るシーンを36回もやり直し
妖艶さと上品さを兼ね揃えた高嶺の花・ジーナを演じた加藤登紀子さんは、宮崎駿監督からダメ出しを受けて、36回もやり直しをしたシーンがあることを告白しています。
それは、ポルコからの電話に対して「今にローストポークになっちゃうから!飛ばねえ豚はただの豚だ!バカ!」と激怒する場面。
何度やっても「もっと、もっと怒ってください」とリテイクの注文が入ったそうです。
やけくそになってしまいそうな回数ですが、これだけのリテイクの末に完成した「飛ばねえ豚はただの豚だ」は、ぜひ注目して観たいところです。
その他、2010年にツイッターで「なぜジーナは返送したばかりのエンジンの音を聞き分けられたのでしょう?」というファンからの質問に「そうね。どうしてかしら?好きな男の足音は靴が変わっても分かるってことかな」と粋な回答をしています。
演じて20年近く経っても、心境が理解できてしまう加藤登紀子さんにとってジーナは人生の一部なのかもしれませんね。
『紅の豚』声優:フィオ・ピッコロ(声優:岡村明美)
フィオは、ミラノの飛行機製造会社「ピッコロ社」の設計士で、ポルコに対して尊敬と憧れを抱く少女。
そんなフィオを演じたのは、1969年3月12日生まれで声優として活躍する岡村明美さんです。
フィオといえば、必要なことだけをバババッと伝える性格をしたキャラクターであり、宮崎駿は、「(岡村明美の)セリフのぶっきらぼうさがよかった」と評価していました。
フィオ役で声優デビューを果たし、一躍有名となった岡村明美さん。
フィオのイメージもあってかその後も『ONE PIECE』ミナ役、『ロミオの青い空』ビアンカ役など、気の強い女性を演じる機会が多く、声優としての活動の幅を広げていきました。
『紅の豚』声優:その他のキャラクター声優
最後にその他のキャラクターの声優を簡単にご紹介します。
脇役といえど豪華なキャスティングが集まっていますよ。
◆ドナルド・カーチス(声優:大塚明夫)
ポルコのライバル、ドナルド・カーチス役を演じたのはベテラン声優の大塚明夫さん。
先日、『ルパン三世』の次元大介役を初代・小林清志さんから引く継ぐことが決定し話題になりましたね!
今でこそ大御所声優の大塚明夫さんですが、ドナルド・カーチスを演じたのは声優としてのキャリアをスタートして4年目の頃。
その後、ゲーム『メタルギアソリッド』シリーズの主人公・スネーク役やアニメ版『ブラックジャック』のブラックジャック役、そして数々の洋画吹替えで主役級俳優の声を担当することで知られています。
◆ピッコロのおやじ(声優:桂文枝)
フィオの祖父であるピッコロのおやじの声優は、落語家・桂文枝さん。
ポルコとは長い付き合いの飛行機技師であるピッコロのおやじを快活な口調で演じました。
◆マンマユート・ボス役(声優:上条恒彦)
空賊「マンマユート団」のリーダー、マンマユート・ボスを演じたのはベテラン俳優/声優の上条恒彦さん。
ジブリ作品では後に『もののけ姫』のゴンザ役や、『千と千尋の神隠し』のちょい役も務めています。
ディズニーファンにとっては『リトルマーメイド』のセバスチャン役、と言えばわかる方も多いのではないでしょうか?
まとめ
宮崎駿による長編アニメーション『紅の豚』の声優紹介をあらすじと共にご紹介しました!
声優のキャスティング過程を見るだけでもスタジオジブリの作品作りのこだわり深さに圧巻です。
ぜひ、キャラクターたちの声にも注目して鑑賞してみてくださいね。
キャステルの記事に テーマパークの最新情報をお届けします |