【ジブリ】『借りぐらしのアリエッティ』のその後を解説!アリエッティたちの新たな住処は?翔の病気は治る?
2010年公開のジブリ映画『借りぐらしのアリエッティ』は、古家の台所下で暮らす小人・アリエッティと人間の少年・翔の出会いと友情を描いたヒューマンドラマ映画です。1952年に出版された小説が原作となっているのですが、映画と小説では、物語の結末が大きく異なります。この記事では、『借りぐらしのアリエッティ』のアリエッティと翔のその後について追求していきます。
こんにちは、Reneです。
今回はジブリ映画『借りぐらしのアリエッティ』のその後について解説します。
米山宏昌監督によるジブリ映画『借りぐらしのアリエッティ』は、人に見られてはいけない床下に暮らす小人の少女と山奥の小屋を訪れていた人間の少年の出会いを描いています。
人間の少年・翔に見られてしまった小人・アリエッティはどうなってしまうのか、家族に迫る危機をどう乗り越えるのか、滅びゆく種族の運命に迫ります。
この記事では、『借りぐらしのアリエッティ』の作品概要、あらすじの他、映画の結末と原作の結末の違いを比較し、物語のその後について言及していきます。
作品のネタバレも含みますので、未見の方はご注意くださいね!
借りぐらしのアリエッティ:作品概要
『借りぐらしのアリエッティ』は、2010年に公開されたスタジオジブリ映画です。
監督はのちに『思い出のマーニー』の監督も務めた米山宏昌氏です。
借りぐらしのアリエッティ:あらすじ
日本の郊外にたたずむ古い屋敷の床下で、小人の14歳間近の少女・アリエッティと父・ポッド、母・ホミリーがひっそりと暮らしていました。
小人たちは「人間に姿を見られてはいけない。もしも、見られてしまった時は、すぐに引っ越さなければならい」という掟があり、人間たちに見られないように自分たちの暮らしに必要なものを借りています。
アリエッティ達が暮らす古い屋敷では、2人の人間の老婦人が暮らしています。
屋敷の主人・貞子とメイドのハルさんです。
アリエッティ一家は、貞子とハルに見られることのないように、石鹸やお菓子、調味料、電気、ガスなど、を必要な分だけ借りてきます。
そんなある夏のこと、アリエッティは、病気療養のために古い屋敷にやってきた12歳の少年・翔に姿を見られてしまうハプニングが。
しかし翔は、小人達の暮らしを脅かそうとは考えておらず、助けになれることはないかとアリエッティに近づきます。
翔の優しい気持ちを素直に受け取ったアリエッティは、翔が恐ろしい人間ではないことを感じ取ります。
アリエッティが人間と交流していることを知った父は、家族を危険に晒す行為だと非難しますが、全ての人間が危険なわけではないと反発するアリエッティ。
しかし、2人が親睦を深める中で、アリエッティ一家の住処がハルさんにバレてしまい、アリエッティの母親がさらわれてしまう事態に。
アリエッティは、翔の協力もあり、母親を助け出すことができるのですが、これ以上、翔のいる古い屋敷に住むことはできないと引越しを決めます。
アリエッティは、翔と惜しくも別れを告げ、両親とともに、ヤカンに乗って川を下り引っ越してしまうのでした。
借りぐらしのアリエッティ:原作小説について
『借りぐらしのアリエッティ』の原作は、1952年から1982年にかけて出版された全5作で構成された児童書『小人の冒険シリーズ』です。
原作者は、イギリス人作家のメアリー・ノートン。
シリーズの構成は次のようになっています。
スタジオジブリ『借りぐらしのアリエッティ』は、1作目の『床下の小人たち』をベースに制作されていることが分かります。
しかし、本編で登場していたスピラーは、2作目『野に出た小人たち』から引用されたキャラクターで、本編最後のヤカンで川を降る場面は、3作目『川をくだる小人たち』からのシーンとなっています。
そのため、1作目『床下の小人たち』に加えて、部分的に2作目『野に出た小人たち』と3作目『川をくだる小人たち』が脚色に加えられていることになります。
借りぐらしのアリエッティ:映画のその後はどうなった?
映画の本編では、アリエッティと翔が別れて、アリエッティ一家が川を下って新しい住処を探すところで終わっています。
そのため、「アリエッティ達は無事なのか」「アリエッティ達はどこに住んでいるのか」「アリエッティと翔はもう2度と会うことができなかったのか」など、いくつか気になるポイントがあります。
アリエッティ一家は、無事に新たな住処をみるけることができたのか?
1番気になるポイントは、アリエッティ一家の行き着く先ですよね。
原作小説では、アリエッティ一家は古い屋敷を出た後に、スピラーの助けを借りながら野原で生活をします。
しかし、野生動物の餌食になりかけたり、悪意のある人間に捕獲されてしまい、金儲けの見世物にされてしまったり、数々のトラブルに見舞われてしまいます。
最終的には、5作目『小人たちの新しい家』というタイトルにある通り、静かな牧師館にたどり着き、アリエッティたちは安心して暮らせる住処を見つけます。
一方で、翔の心臓病はどうなったのか?
アリエッティ一家の行方の他に、翔のその後がどうなったかも気になるところですよね。
実は、原作には翔という少年は登場しておらず、原作小説で登場するのはリウマチを患う好奇心旺盛な性格をした、名前が明かされることのない少年です。
少年は、「人間の子ども」「おとうと」などの名称で呼ばれ、年齢は翔より少し若い9歳の設定で登場します。
映画では、アリエッティは翔に見つかってしまったことで彼女のうちに宿る好奇心が掻き立てられ、その結果様々な災難に見舞われてしまいますよね。
しかし原作小説では、アリエッティが少年に見つかることはありません。
小説版では、アリエッティたちは古い屋敷に住む大人の人間たちに見つかり、ネズミ駆除業者によって毒ガスをまかれてしまうのですが、その時に少年が出口を作ってあげることで助かります。
その時すら少年がアリエッティたちの姿を見ることはないため、アリエッティと少年の交流は一切ないのです。
そして、原作小説の語り手によると、少年はその後戦死してしまうことが語られています。
元々、原作小説は1950年代のイギリスの田舎町が舞台。
一方で映画版の『借りぐらしのアリエッティ』では、より日本の視聴者に親近感を抱いてもらおうと、舞台を現代の日本に移しています。
そのため、原作小説から翔がどうなったのかを知ることはできませんが、映画は「現代の日本が舞台になっていること」「入院をせずに療養していること」から考えられるのは、医療の進歩により完治した未来と、病状は末期であり、亡くなってしまった未来の2つとなります。
本作のテーマ「人間と小人、どちらが滅びゆく種族なのか」を踏まえると、どちらの未来も想像できてしまいますね。
古い屋敷で出会い、出ていくことになったアリエッティと残された翔が、どちらも幸せを掴んでいる未来であることを願いたいですが、観る人によって異なる見解となりそうです。
まとめ
この記事では、ジブリ映画『借りぐらしのアリエッティ』のその後について解説しました。
原作小説と映画では、ストーリーに大きな違いがあったり、映画本編で語られなかったその後について考察してみると、いくつもの未来が想像できて面白いですね。
再鑑賞する際は、原作との違いやその後を想像しながら楽しんでみてはいかがでしょうか。
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