【ジブリ映画】『風立ちぬ』のあらすじをネタバレありでご紹介!菜穂子の最後のセリフやキャッチコピーの意味を考察!
2013年公開のジブリ映画『風立ちぬ』のあらすじをネタバレありで解説します!宮崎駿監督が引退宣言をして制作した長年アニメーション『風立ちぬ』は、日本の伝統戦闘機「ゼロ戦」の設計者・堀越二郎が数多くの厄災に見舞われた日本で、飛行機へ強い憧れを青年はどう生きたのかを描いています。物語のあらすじやキャッチコピーにこめられた意味をまとめました。
こんにちは、Reneです。
今回は2013年公開のジブリ映画『風立ちぬ』のあらすじをご紹介します。
長年アニメーション『風立ちぬ』といえば「生きねば。」という力強いキャッチコピーが印象的。
本作を最後に宮崎駿監督が引退宣言をして話題になりました。
大震災に戦争と辛い出来事が度重なる日本で、美しい飛行機作りに憧れる青年の生き様を追いかけています。
同時に描かれる主人公と運命の女性との恋模様や、作品にまつわるトリビアにも注目です。
- ①堀越二郎とカプローニと夢
- ②堀越二郎と菜穂子の出会い
- ③堀越二郎に訪れる運命
・風立ちぬのあらすじ:キャッチコピーに込められた宮崎駿の想い
・風立ちぬのあらすじ:菜穂子の最後のセリフに関するトリビア
風立ちぬ:あらすじ
それでは、『風立ちぬ』のあらすじをネタバレありでご紹介します。
後半は物語の結末を含みますので未見の方はご注意くださいね。
①堀越二郎とカプローニと夢
主人公・堀越二郎にはパイロットになる夢がありましたが、近眼を理由に諦めることに。
しかしある時、夢の中でイタリアの伝説的航空技師・ジャンニ・カプロニに飛行機に乗せてもらい、飛行機設計への関心を抱きます。
当時の日本の飛行機技術は、海外と比べて大きく遅れを取っていたため、二郎は日本の飛行機を今よりもっといいものにしようと勉強に励み、本格的に飛行機の設計者への道を歩み始めます。
その後、大学生になった二郎が列車に乗っている時に関東大震災が発生。
二郎はそばにいた足の悪い女性を助けてあげます。
それからしばらくして、足の悪い女性と一緒にいた若い女性が二郎の元を訪ねてきますが、その時二郎は不在だったため、入れ違いになってしまうのでした。
大学卒業後、三菱年紀株式会社に就職した二郎は、念願の飛行機設計の仕事に励みますが、依頼される飛行機はほとんどが戦闘機であり、複雑な気持ちを抱きながら仕事をしていきます。
日本が貧しくなっていく中、二郎たちは積極的に海外視察に行き忙しく過ごします。
着実に出世をしていき、新型艦上戦闘機の設計主務者にまで上り詰めた二郎ですが、完成した戦闘機はみすぼらしく、試運転でバラバラに壊れてしまいます。
②堀越二郎と菜穂子の出会い
主務者としてのプロジェクトが失敗に終わり休養をとる事にした二郎は、自然豊かな軽井沢を訪れます。
そこで関東大震災の時に二郎が助けた女性と一緒にした若い女性と再会します。
彼女の名前は菜穂子といい、2人は散歩がてら一緒に歩きお互いに惹かれあっていきます。
二郎は、菜穂子と一緒に軽井沢に来ていた菜穂子の父親に婚約をしたい旨を伝えにいきますが、そこで菜穂子の口から結核にかかっていることを聞かされます。
当時、結核は不治の病として恐れられていました。
それでも、二郎の菜穂子への想いは強く、結核が治ったら結婚することを約束して別れます。
ある日、仕事で忙しくしている二郎の元に、菜穂子の容態が悪化した知らせが届きます。
二郎は、急いで東京へ行きベッドで休養する菜穂子を抱きしめます。
翌朝は仕事があるため、二郎は長居することなくその場を離れますが、菜穂子は少しでも二郎の近くにいたいと思うようになり、高原の療養所へと移ることを決心します。
二郎は仕事に精を出し、菜穂子は治療に専念している中、菜穂子は二郎から送られてきた一通の手紙を読んで、自分は不治の病に冒されていることを受け入れ、治療をやめて余生を次郎のそばで生きることを選びます。
2人は、二郎の上司の家でささやかな結婚式を挙げて、夫婦となり一緒に暮らし始めます。
③堀越二郎に訪れる運命
しばらくして、菜穂子の容態は次第に悪くなっていく中、二郎はゼロ戦の戦闘機を完成させていきます。
一方、菜穂子はこれ以上自分が苦しんでいる姿を二郎に見せたくないと思い、一通の手紙を残して二郎の元を去り、再び入院する事に。
時は流れ、第二次世界大戦を終えた日本で、二郎は夢の中でカプローニと会います。
カプローニは、次郎の功績を称えますが、戦争で使われた戦闘機が1機も帰ってこなかったことを悔やみ悲しむ二郎。
そこへ菜穂子が現れ「あなた、生きて」と訴えます。
菜穂子の言葉に力強くうなずいた二郎は、これからも強く生きていくと心に決めるのでした。
風立ちぬのあらすじ:キャッチコピーに込められた宮崎駿の想い
スタジオジブリの映画と言えば、劇場公開時につけられるキャッチコピーも有名です。
本作のキャッチコピー「生きねば。」は力強さを感じますよね。
これに似たキャッチコピーといえば『もののけ姫』の「生きろ」があります。
『もののけ姫』の「生きろ」は他人へ訴える言葉である一方で、『風立ちぬ』の「生きねば。」は自分自身に言い聞かせるものであり、大震災や大戦争によって生きるのに大変苦しい時代に生きた先祖たちを通して、どんな逆境にも屈する事なく、強く生きるべきだと訴える素晴らしいメッセージとなっています。
ちなみに「生きねば。」という全く同じ言葉が宮崎駿の漫画『風の谷のナウシカ』の最後に綴られています。
宮崎駿は、『風立ちぬ』で監督引退を宣言していたため、当時は本作が「宮崎駿の最後の作品」となる予定でした。
制作会社は違うもののスタジオジブリ創立の先駆けとなった長編アニメーション『風の谷のナウシカ』の原作漫画から引用したキャッチコピーは、長年スタジオジブリのアニメーション監督としてやってきた証のようにも映ります。
風立ちぬのあらすじ:菜穂子の最後のセリフに関するトリビア
映画の中では、二郎が設計した戦闘機が人を殺す道具として使われた上、1機も戻ってくる事なく第二次世界大戦が終戦します。
二郎にとって飛行機は憧れであり、決して人を傷つけるために設計士になったわけではありませんでした。
戦前の日本に生まれた二郎は、念願の設計士になったものの、戦闘機の依頼しか来ることはなく、結果としてゼロ戦の戦闘機を誕生させます。
戦後、自分がやったことに複雑な気持ちを拭えずにいる二郎は夢の中で菜穂子と再会し、「あなた、生きて」と諭されます。
この場面について、多くは語られていませんが、二郎は日本全体が貧しく今日を生きるのに必死だった時代に裕福な家庭で生まれ育ち、夢を持ち、夢を叶え、愛する人と出会います。
全てを手にした青年であった二郎ですが、自分の作った飛行機は戻ってくることなく、愛する妻は先立ち、大切なものを全て失い、何を希望に生きたらいいのか悩んでいたのかもしれません。
そんな二郎に生きたくても生きることができなかった菜穂子からの言葉「あなた、生きて」は、二郎の心に強く刺さります。
しかしこの場面、宮崎駿は当初、亡くなった二郎がその先でカプローニと菜穂子に出会う演出を考えていたそうです。
そして、菜穂子は「あなた、来て」と二郎を呼んで終わる予定だったとのこと。
これに対して、プロデューサー鈴木敏夫が「あなた、生きて」の方がいいと説得した結果、物語のラストが「あなた、生きて」に変更されたのでした。
「来て」と「生きて」では全く異なり、二郎が生き続けている世界戦と二郎が亡くなった世界線では解釈が大きく変わってきますね。
再鑑賞する時には、「ここのラストがもし違ったら...」と想像してみると、面白いかもしれません。
まとめ
この記事では、「風立ちぬ」のネタバレありのあらすじをご紹介しました。
考察をよく理解した上で見ると、一層面白さが増すこと間違いなしです。
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