【キャラ解説】『千と千尋の神隠し』のハクに迫る!魔法で川を復活させたかった?その後や千尋との関係は?
ジブリ映画『千と千尋の神隠し』に登場するキャラクター、ハクについて徹底解説!ふしぎの街で主人公・千尋を助けてくれる少年・ハクは、スタジオジブリ作品の中でも一際人気のあるキャラクターですよね。千尋を元の世界に戻すために親身になって寄り添う姿が素敵ですが、素性や千尋との関係、その後の展開など謎が多く残っています。この記事では、ハクにまつわる謎やトリビアを通して「千と千尋の神隠し」を読み解いていきます。
こんにちは、Reneです。
今回は映画『千と千尋の神隠し』に登場するキャラクター、ハクについて解説します。
映画『千と千尋の神隠し』といえば、20年間国内興行収入ランキング1位を記録し、アカデミー賞で部門受賞したりと宮崎駿監督の代表作として世界中で高い評価を得ています。
その中でふしぎの街に迷い込んだ主人公・千尋を助けてくれるハクですが、彼はただの「ヒト」ではありません。
ではハクとはいったい何者なのでしょうか?
『千と千尋の神隠し』をより深く理解するために、ハクというキャラクターについて深掘りしていきましょう。
・千と千尋の神隠しのハク:担当した声優は?
・千と千尋の神隠しのハク:正体と本名
・千と千尋の神隠しのハク:ハクが湯婆婆の弟子になったのはなぜ?
- ①魔法を習得して新たな川を生み出したかった説
- ②魔法を習得して琥珀川を取り戻したかった説
- ③どうしても油屋で仕事が欲しく湯婆婆の口車に乗せられてしまった説
- ④神様だったため湯婆婆の側近になれた説
・千と千尋の神隠しのハク:ハクのその後について
・千と千尋の神隠しのハク:ハクは千尋の亡き兄だったという説
千と千尋の神隠しのハク:キャラクター紹介
神々の集う街で湯屋”油屋”を営む魔法使い・湯婆婆の弟子として働く少年・ハク。
設定では12歳くらいとされていますが、設定年齢以上の精神年齢を持っているような印象を抱きますよね。
キリッとした瞳に黒髪のおかっぱヘアが印象的な少年ですが、本名は「ニギハヤミコハクヌシ」といい、白龍の姿をした川の神という姿も持っています。
油屋の従業員たちからは「ハク様」と呼ばれ頼りにされています。
湯婆婆は、人一倍ハクに厳しく、銭婆の印鑑を盗みに行かせたり、八つ裂きにすると脅したりと散々な扱いをしています。
千と千尋の神隠しのハク:担当した声優は?
ハクの声優を担当したのは、入野自由(ゆみ)さん(1988年2月19日生まれ)。
1994年に子役としてデビューし、現在も現役で活動されています。
入野さんがオーディションでハク役に抜擢され、ハクを演じたのは13歳の時でした。
ハクのキャラクターは見た目とは裏腹にかなり大人びた性格をしているため、13歳の少年が演じていたとは驚く方も多いのではないでしょうか。
スタジオジブリはプロの声優を起用しない方針でキャスティングをしています。
ハクを演じた入野さんはその後声優としての活動の幅を広げており、出演したジブリ作品はこの1本のみです。
声優としては他にディズニーのゲーム『キングダムハーツ』シリーズのソラ役などでおなじみです。
千と千尋の神隠しのハク:正体と本名
映画の本編にもある通り、ハクの正体は白龍の姿をした川の神でした。
そして本名は、”ニギハヤミコハクヌシ”。
ハクの本名”ニギハヤミコハクヌシ”から、琥珀(コハク)川に宿る神様であることが分かります。
また、古事記や日本書紀で語られる日本神話には”ニギハヤキ”という神様が登場しているため、そこから由来している可能性も濃厚ですね。
ハクが着ている衣服は童形水干(どうぎょうすいかん)といって、平安時代の貴族の子供用の礼装がもとになっています。
このことからも、ハクがある程度身分の高いキャラクターであることがわかります。
油屋にお客さんとして入れるのは神様だけですが、ハクはもともと神様であるため、油屋のある街に昔から出入りできていたと考えられます。
湯婆婆の弟子として働くようになる以前は、油屋にお客さんとして通っていたのかもしれません。
しかし、何かしらの理由によってハクは、魔法使いである湯婆婆のところに弟子入りをします。
千尋が仕事をするにあたって元の名前を奪われ”千”という名前をもらったのと同様に、ハクという名も湯婆婆から授かったものでした。
本編で、まじないを込めたおにぎりを千尋に食べさせるシーンは印象的ですよね。
その時、おにぎりと一緒に名前の書かれた私服を渡し、”千”として生きていた千尋は自分の本当の名前が”千尋”であることを思い出します。
ハクは、湯婆婆は相手の名前を奪って支配するということ、本当の名前は忘れずに隠しておくこと、名前を奪われてしまうと帰り道が分からなくなってしまうということを話します。
そして、ハク自身は自分の本名をどうしても思い出せず、いつまでも湯婆婆に支配される身で暮らしています。
しかし物語の後半、ハクは千尋によって自分の本名が”ニギハヤミコハクヌシ”であることを思い出します。
というのも、昔千尋が住んでいた家の近くには小さな川が流れており、そこで千尋が溺れてしまったことがありました。
その時に、千尋を助けたのが川の神であるハク(ニギハヤミコハクヌシ)だったことを千尋が思い出したのです。
自分の本名を取り戻したハクは、自分が何者なのか、自分はどこから来たのかを思い出したため、湯婆婆との契約を終わらせ、千尋と人間の世界で再会する約束を交わします。
千と千尋の神隠しのハク:ハクが湯婆婆の弟子になったのはなぜ?
もともとは川の神様であったハク。
なぜ神様だったハクは湯婆婆の弟子になったのでしょうか?
人間の世界では、人々はより便利な暮らしを求めて自然を壊していきます。
森を伐採し、海を汚し、土地を更地に変え……そしてハクが宿る琥珀川も、人間の手によって窮地に追いやられてしまいました。
人々はマンションを建てるためにそこにあった森や川などの自然を全て壊してしまったのです。
それが理由でハクは神様としての居場所を無くし、生きていくために湯婆婆の元で働くことを決めたと考えられます。
しかし、ただ働くのであれば、従業員で十分なはずです。
なぜ、”湯婆婆の弟子”になることを選んだのでしょうか。
いくつかの説が浮上しているため、ご紹介します。
①魔法を習得して新たな川を生み出したかった説
湯婆婆は魔法使いとして優秀であり、人間を豚に変えたり、カオナシの正体を見破ったり、はたまたコウモリのような格好で空中移動したりと様々な魔法を巧みに使いこなしています。
それを知ったハクは、湯婆婆から魔法を習い、いつか失われた琥珀川の代わりとなる川を生み出すことを夢に見ていたのかもしれません。
②魔法を習得して琥珀川を取り戻したかった説
自分が宿っていた琥珀川を魔法で取り戻すことができると考えていたのかもしれません。
生まれ育った家には思い出が詰まっているように、ハクにとって琥珀川は何にも変え難い大切な場所であるとすれば十分に推測できます。
③どうしても油屋で仕事が欲しく湯婆婆の口車に乗せられてしまった説
ハクがどれだけの歳月を琥珀川で過ごしていたかは分かりませんが、もしも生まれた時から琥珀川に宿っていた神様だとすれば、その場所がなくなった時、途方に暮れてしまいます。
人間の世界にいられなくなったハクは、神々の集う街へやってきますが、川を失っている”不完全な神”はお客として歓迎されません。
そこで、生きていくために油屋で働きたいと湯婆婆に頼みます。
油屋の従業員は、人間や動物ばかりでハクのように神様の成り下りはいないため、途方に暮れた神が仕事を求めてやってきた時、湯婆婆はさぞ驚いたことでしょう。
しかし、ハクの窮地に追いやられている状況を逆手に取り、ただの従業員でなく、それ以上の仕事もさせようと目論んだと考えられます。
そのため、弟子という立場に置き、銭婆の印鑑を盗ませたり、油屋の総括を任せたりとハクを都合よく使っているのかもしれません。
④神様だったため湯婆婆の側近になれた説
一つ前の説と似ていますが、ハクは、千尋、リン、釜爺などとは違い、もともとは神様です。
その身分の高さから、ただの従業員でなく湯婆婆の側近という位の高い仕事を与えたと考えられます。
千と千尋の神隠しのハク:ハクのその後について
坊が千尋と一緒に銭婆のところへ行ったことを知った湯婆婆は、ハクに連れ戻すように指示し、帰ってきたら「八つ裂きする」と脅しをかけられるシーンがあります。
そのため、ハクは湯婆婆に殺されてしまったのでは……と物語のその後が気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、2つの理由からハクは殺されていないと考えられます。
1つ目は、千尋が幼少期の記憶からハクの本名がニギハヤミコハクヌシであることを思い出しています。
ハクは千尋のおかげで、自分が小さな川に宿っていた神であったことを鮮明に思い出すことができました。
つまり、自分の帰る道が見えたのです。
2つ目は、湯婆婆の態度です。
千尋が人間の世界に戻るとき、千尋から「おばあちゃん」と呼ばれて湯婆婆は少し怒った表情を見せますが、千尋の走り去っていく後ろ姿を微笑みながら見つめていました。
湯婆婆は、厳しくも優しい心を持っている人である一面を持っています。
千尋が現れてから、様々なことが起き、湯婆婆の中でも心境に変化があったようにも見えるため、ハクを自由の身にしてあげる可能性も考えられます。
千と千尋の神隠しのハク:ハクは千尋の亡き兄だったという説
多くのジブリ作品では、カップリングが存在します。
しかし、本作で登場する男女・千尋とハクは、お互いを特別に想い、愛情を持って助け合いますが、恋愛的な要素は感じられません。
そこで浮上した衝撃的な説が、ハクは川に落ちて溺れている千尋を助けるために死んでしまった兄であると言うものです。
キーになってくるのは、千尋が昔溺れたという話と挿入歌「あの日の川」です。
久石譲が手掛けた「あの日の川」はハクについて歌われており、宮崎駿は歌詞を吹き込んでいました。
その中の一節に”誰かのために生きている私 私のために生きてくれた誰か 私はあの日 川に行ったのだ 私はあなたの 川に行ったのだ”とあります。
そして、本編の最後に川に流れるピンクの靴を拾い上げる子どもの手が映るのですが、それが千尋の手には見えないため、ハクの手だったのではないかという説があるのです。
千尋の母親は常に千尋に対して冷たく接していますが、その理由は千尋のせいで兄が亡くなってしまったことを悔やんでいるからだとすると説明がつきます。
決して、千尋を憎んでいたり愛していないわけではありません。
無意識のうちにとってしまっている行動と考えるのが自然です。
また、片道しかない列車に乗ってハクの代わりに銭婆のところへ行こうとする千尋に対して釜爺が「愛だ愛」と言うシーンがあります。
あれは男女の恋愛ではなく、かけがえのない家族愛を目の当たりして出た言葉だと解釈することもできます。
人間の世界でハクは、溺れて死にかけている千尋を助けます。
神々の世界で千尋は、銭婆の印鑑を奪って攻撃され死にかけているハクを助けます。
2つの世界で2人がとった行動こそ、「あの日の川」の歌詞に通ずるものがありますね。
まとめ
この記事では『千と千尋の神隠し』に登場するハクについて深掘りしてみました。
メインキャラクターでありながらも謎の多いハクですが、自然破壊による切ない生い立ちや千尋との強い絆を感じられる裏エピソードが多く見つかりました。
こういったことを知った上で鑑賞すると、何気ないセリフにも深みが増して『千と千尋の神隠し』の素晴らしさを再確認することになること間違いなしです。
次回『千と千尋の神隠し』を鑑賞する際は、ぜひハクのキャラクターや細かいセリフにも注目してみてくださいね。
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