【ジブリ】『千と千尋の神隠し』に出てくる旅館、湯屋(温泉)、橋、駅などの舞台となった場所はどこ?モデルスポットを調査!
宮崎駿監督による長編アニメーション映画『千と千尋の神隠し』は、10才の少女・千尋が豚に変えられてしまった両親を助けるために神々が疲れを癒しにやってくる湯屋で働く物語です。舞台となった湯屋は、色彩豊かな内装に煌びやかな装飾品が際立ちます。もし、本当にあの世界観が現実にあるのであれば、一度は足を運んでみたいですよね。この記事では、「千と千尋の神隠し」で登場する場所のモデルスポットをまとめています。ぜひ、参考にしてみてください!
こんにちは、Reneです。
今回は映画『千と千尋の神隠し』の中でモデルとなった場所や建物についてご紹介します。
アカデミー賞アニメーション賞受賞、国内の興行収入300億円越えと、世界的に人気の高い映画『千と千尋の神隠し』。
独創的な湯屋をはじめ、千尋が息を止めて歩く橋、片道しか走らない電車の駅など、幻想的なシーンが多くて魅力的ですよね。
今回は、諸説ある中でも実際に国内外に存在する「千と千尋の神隠し」の舞台と似たスポットをまとめています。
・千と千尋の神隠しのモデル:湯屋には特定のモデルはない?
・千と千尋の神隠しのモデル:千尋の働く湯屋”油屋”の参考にされた場所
- ①道後温泉本館(愛媛県)
- ②歴史の宿 金具屋(長野県)
- ③日光東照宮(栃木県)
- ④江戸東京たてもの園・子宝湯(東京都)
- ⑤江戸東京たてもの園・武居三省堂(東京都)
- ⑥江戸東京たてもの園・高橋是清邸(東京都)
- ⑦ホテル雅叙園東京(東京都)
・千と千尋の神隠しのモデル:湯屋・油屋に続く”橋”の参考にされた場所
- ①河鹿橋(群馬県)
- ②積善館本館・慶雲橋(群馬)
・千と千尋の神隠し:片道しかない電車の”駅”の参考にされた場所
- ①下灘駅(愛媛県)
- 【デマ・立ち入り禁止】下灘駅近くの造船所(愛媛県)
・千と千尋の神隠しのモデル:神々の住む異世界へと続く”トンネル”のの参考にされた場所
- ①積善館・浪漫のトンネル(群馬県)
- ②台湾・九份
千と千尋の神隠し:あらすじ
主人公は10歳の小学生・千尋。
引越しが決まり、クラスのお別れ会を終えた千尋は、新しい家に向かう車の後方座席でもらった花束を抱えながら憂鬱な気持ちでいました。
その途中、道に迷いトンネルを見つけた両親は車から降り、トンネルの先に興味を示します。
不吉な予感がする千尋でしたが、渋々両親についてトンネルを通り抜けることに。
誰もいない街にたどり着き、美味しそうな匂いに釣られて勝手に店の食べ物に手を出す両親。
嫌気がさした千尋がひとりで街を散策していると、ひとりの少年と出会います。
少年は千尋にトンネルに戻るよう声をかけますが、辺りは暗くなり、無人に見えた街の様子が一変。
屋台にいたはずの両親は豚に変わっており、街は水で覆われ、来た道を戻れなくなってしまいます。
千尋は、両親を人間に戻し元の世界に戻るため、ハクの助けのもと、湯婆婆が営む湯屋で働くことを決心しますが……。
千と千尋の神隠しのモデル:湯屋には特定のモデルはない?
都市伝説や噂では、『千と千尋の神隠し』は特定の場所がモデルになっているとされていることがあります。
しかし、宮崎監督は「色々な温泉を参考にしていて特定のモデルはない」と言及しています。
確かに、千尋の働く湯屋”油屋”は、高層状になっており、下層部に従業員の寝室、中層部に客間や風呂場、上層部に湯婆婆の部屋が存在しています。
そんな複雑な構成のため、いくつかの場所が融合されていると聞いても不思議ではありません。
『千と千尋の神隠し』で美術監督を務めた武重洋二氏は、「スタジオジブリの社員旅行で四国の道後温泉に行き、油屋の外装を書く際の参考になった」「日光東照宮や江戸東京たてもの園にある建築物を参考にした」と発言しています。
そのため、複数の場所から建築様式や色彩、デザインの選りすぐりを集めて油屋を完成させていることがわかります。
千と千尋の神隠しのモデル:千尋の働く湯屋”油屋”の参考にされた場所
では実際に千尋が働く油屋が何をモデルに構成されているのか、見ていきましょう。
一般の観光客に開放されている場所もあるので、興味がある人は足を運んでみてくださいね。
①道後温泉本館(愛媛県)
愛媛県の道後温泉本館は、油屋の唐破風(建物の頭部に丸みをつけて造形した日本特有の建築技法)の部分がそっくりです。
なお道後温泉本館は長期的な保存修復工事が行なわれており、一部利用できない施設や臨時休館になる場合があります。
②歴史の宿 金具屋(長野県)
金具屋は国の登録有形文化財にも認定されるほどの独創性と、歴史を感じられる建物となっています。
木造四階建の構造は、現在の法規制などでは建てることが難しかったり、高い伝統技術を駆使する必要があるため、新しく建つことは考えられにくく、今ある建物を維持していくしかないとのことです。
”油屋の現実版”とも言える旅館のため、ジブリファンなら、一度は泊まってみたい場所ですね。
③日光東照宮(栃木県)
日光東照宮の建築物は、赤を基調とした建物の色彩が油屋と似ています。
日光東照宮の中でも有名な”五重塔”も赤が基調となっていますね。
④江戸東京たてもの園・子宝湯(東京都)
東京都小金井市の江戸東京たてもの園にある「子宝湯」は、もともと足立区の千住エリアにあった銭湯を保存したものです。
”商店街の一角にそびえ立つ湯屋”という発想は、この子宝湯からインスパイアされていると明言されています。
⑤江戸東京たてもの園・武居三省堂(東京都)
江戸東京たてもの園には他にも『千と千尋』で参考にされたと思われるものがあります。
こちらは文具屋なのですが、千尋が湯屋で働くために一番初めに訪れた釜爺の仕事場、薬草が収納されている棚とそっくりです。
⑥江戸東京たてもの園・高橋是清邸(東京都)
二二六事件の舞台にもなった高橋是清邸を移設保存したものです。
千尋がリンと肉饅を食べたり、ハクが龍の姿で血だらけになりながら千尋が呼びかける窓に逃げこむシーンで登場する印象的な窓ガラスがあります。
⑦ホテル雅叙園東京(東京都)
昭和の竜宮城と呼ばれているホテル雅叙園東京は、油屋湯の最上階・湯婆婆の部屋そっくりの場所があります。
こちらは、宿泊者限定の「雅叙園アートツアー」に参加すると訪れることができるようです。
千と千尋の神隠しのモデル:湯屋・油屋に続く”橋”の参考にされた場所
千尋とハクが初めて出会い、千尋が人間であることがバレないよう息を止めて歩く場面で出てくる赤い橋。
その後も、映画の中に度々登場しています。
カオナシがたたずんでいるシーンが記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。
あの橋のモデルについて調べてみました。
①河鹿橋(群馬県)
油屋にかかる橋は、群馬県渋川市にある河鹿橋(かじかばし)がモデルになっていると言われています。
朱色の太鼓橋で、夏に訪れると深緑とのコントラストが美しく、秋に行くと一面に広がる紅葉が橋を引き立てます。
②積善館本館・慶雲橋(群馬)
もう一つ、群馬県にある積善館本館も、朱色の橋の目の前にたたずむ建物の配置が油屋とそっくりです。
カオナシが立っていそうな感じもしませんか。
積善館のスタッフによると「映画制作前、実際に宮崎駿監督も積善館に宿泊されました」とのこと。
宮崎監督は、積善館で過ごした時間で何かを感じ取り、作品作りに昇華したのかもしれません。
千と千尋の神隠し:片道しかない電車の”駅”の参考にされた場所
千尋が坊、カオナシたちと一緒に銭婆の住む場所まで電車で向かうシーン。
海面スレスレに線路が通っていたり、乗客は黒い影のような人しかないなかったりと非現実的です。
このシーンについては、1959年に起きた伊勢湾台風でのある出来事がモデルになっているという逸話があります。
伊勢湾台風は、過去の災害の中でも特に悲惨なもので、強力な豪雨と暴風により、伊勢を中心に街は水没。
復興に向けて動くも人々は疲弊仕切ってしまい、田んぼや家が流され絶望の渦に飲み込まれていました。
そんな中、名古屋名鉄の常滑(とこなめ)線は、水没しているところに仮の線路を敷設し、海面に浸りながらも乗客を乗せて運行し始めます。
海水のしぶきを上げながら走る列車の姿は、被災者たちを励まし、感動を与えたと言われています。
①下灘駅(愛媛県)
かつて”日本一海に近い海”としても話題になり、『千と千尋の神隠し』以外にもいくつかの映画やドラマで使われている下灘(しもなだ)駅。
特にサンセットの時間は幻想的だと観光スポットとしても人気があります。
海面の上に線路があるわけではありませんが、まるで海の上を走っていると錯覚してしまいそうですね。
【デマ・立ち入り禁止】下灘駅近くの造船所(愛媛県)
下灘駅の近くにある造船所に、使われなくなった線路が海水に続いているため『千と千尋の神隠し』のモデルとなった場所だとして観光客が殺到しています。
しかし、こちらは全くのデマで、海水に敷設されている線路は、壊れた船を巻き上げるための道具とのことです。
この場所は私有地であり、立ち入り禁止の立て札もあるそうです。
観光目的で訪れないようにしましょう。
私有地に許可なく入ることは犯罪になってしまいます。
千と千尋の神隠しのモデル:神々の住む異世界へと続く”トンネル”のの参考にされた場所
千尋と千尋の両親が道に迷い見つけたトンネル。
映画の中でトンネルは、人間の世界と神々の世界を繋ぐ重要な役割を果たしています。
先の見えない薄暗さに千尋は怯えながらトンネルを歩いているのが印象的です。
①積善館・浪漫のトンネル(群馬県)
薄暗さと壁の色といい、神秘的な空気感が漂っていそうです。
こちらは、すでにご紹介している橋のモデルスポット「積善館本館」と同じ場所のため、一緒に訪れてみてください。
②台湾・九份
千尋と千尋の両親3人が迷い込んだ人のいない街。
ピンク、青、黄色、緑と色彩豊かな店に無数の提灯が並ぶ独特な街は、昼と夜とで全く別の雰囲気になるのも特徴的でした。
台湾の東北部に位置する九份(きゅうふん)という街が、トンネルを抜けた先の街とそっくりだとジブリの聖地巡りをする人たちの間で話題となりました。
元々は9世帯しかいない小さく貧しい村でしたが、1890年に金脈が掘り出されたことをきっかけに3000〜4000世帯まで膨れ上がり、都市へと発展します。
その後徐々に都市の経済は衰退しますが、”廃れた豪勢な街並み”というレトロ感漂う街の雰囲気が人気を呼び、映画のロケ地になったり、観光スポットとして根強く注目され続けているようです。
九份にある”基山街”では台湾の一風変わったB級グルメが堪能できるので、千尋の両親みたく路面店で食事をしてみるのも楽しそうですよね。
まとめ
この記事では、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」で出てくる場所のモデルスポットをまとめてみました。
幻想的で千と千尋の世界観にどっぷり浸かれてしまうような場所が日本各国と台湾にあることがわかりました。
ぜひ、機会があれば、マナーを守りながら訪れてみてください!
キャステルの記事に テーマパークの最新情報をお届けします |