【ジブリ映画】ナウシカ歌舞伎の魅力に迫る!『風の谷のナウシカ』新作歌舞伎の誕生秘話、ブルーレイ情報も
ジブリ映画作品として知られる『風の谷のナウシカ』が新作歌舞伎に!宮崎駿原作・スタジオジブリ誕生の先駆けとなった映画『風の谷のナウシカ』の歌舞伎版リメイクはどのようにして誕生したのか?その魅力とあらすじ、キャスト、誕生の秘話、劇場情報、テレビ放送、ブルーレイ発売、魅力について徹底解説していきます。映画よりもより原作漫画に近いと評判のナウシカ歌舞伎は、ナウシカファンなら必見ですよ!
こんにちは、Reneです。
今回は宮崎駿監督による原作マンガを歌舞伎化した「ナウシカ歌舞伎」についてご紹介します。
かつて人間たちの起こした大戦争によって荒廃し、1000年経っても猛毒の瘴気が薄れない地球が舞台の『風の谷のナウシカ』。
自然との共存を願うナウシカと、今一度人間の社会を取り戻すべく動き出すクシャナの対立を描いた宮崎駿の超大作が、なんと歌舞伎として舞台化されたものです。
スタジオジブリにとっても初となる歌舞伎化ですが、映画では描かれなかったストーリーを含めて原作を忠実に再現していたり、誕生までには尾上菊之助の熱い思いがあったりと、ジブリファンなら是非とも注目したい作品です。
その魅力や視聴方法について、ご紹介していきます!
・ナウシカ歌舞伎:見どころ
- ◆原作の世界観に忠実なストーリー
- ◆江戸時代から伝わる古典歌舞伎の手法を崩さずに物語と融合
・ナウシカ歌舞伎:キャスト
・ナウシカ歌舞伎:誕生の秘話
・ナウシカ歌舞伎:歌舞伎化にあたってはスタジオジブリも協力
・ナウシカ歌舞伎:上演情報とテレビ放送
- ◆現在はDVD/Blu-rayで入手可能
ナウシカ歌舞伎:あらすじ
「火の7日間」と呼ばれる戦争により、人類の文明は大地と共に崩壊してしまいます。
それから1000年後、生態系は大きく変化し、大地は巨大生物「大蟲(おうむ)」たちが生息する「腐海(ふかい)」と呼ばれる猛毒の瘴気を発生させる植物にまみれ、人々の住む土地を侵食していくばかりでした。
主人公・ナウシカの住む”風の谷”は、酸の海のほとりにあるため、腐海に呑まれることなく人々が静かに暮らしていました。
小さな村ですが村長の娘であるナウシカは村人から慕われ、腐海に住む蟲たちとも心を通わせる不思議な力を持ち合わせていました。
そんなある日、風の谷にクシャナ率いるトルメキア帝国の輸送船が不時着します。
事故現場にナウシカが足を運ぶと工房都市・ペジトの王女ラステルが瀕死の状態で倒れており、「兄のラステルに渡してほしい」と秘石をナウシカに授け息絶えてしまいます。
この秘石は、火の7日間で大地を焼け野原にした最恐兵器「巨神兵(きょしんへい)」を復活させる力を持っているのでした。
クシャナは、不時着した風の谷に秘石があると踏み、襲撃し瞬く間にトルメキア軍の支配下においてしまいます。
トルメキア軍は、巨神兵を復活させ腐海を焼け野原にし、今一度人間中心の世の中を取り戻そうと計画をしていたのです。
一方、腐海に住む王蟲たちとも心を通わせるナウシカはトルメキア軍の計画に賛同するわけもなく、ナウシカとクシャナの間に対立の火花が散ることになるのでした。
ナウシカ歌舞伎:見どころ
それではナウシカ歌舞伎の見どころについて解説していきます。
映画版しか見たことがないという方は、原作についての基礎知識もあるとより楽しめますよ!
◆原作の世界観に忠実なストーリー
ナウシカ歌舞伎の原作は、宮崎駿による同名のマンガ版『風の谷のナウシカ』(全7巻)です。
アニメ映画版の『風の谷のナウシカ』は、実は原作コミックの最初の2巻分しか描かれていません。
ナウシカ歌舞伎のストーリーはマンガ版を原作とし、全7巻分を舞台化しています。
役名や固有名詞は一切変更せずそのまま使われていて、原作の世界観を崩さぬように様々な工夫が施されています。
◆江戸時代から伝わる古典歌舞伎の手法を崩さずに物語と融合
歌舞伎には伝統的な手法の他に、現代風の手法もあるようです。
しかし、歌舞伎版『風の谷のナウシカ』は、あくまで古典歌舞伎の手法にのっとって完成しています。
ゆっくりとした動きが特徴的な古典歌舞伎の中で、巨神兵との戦いや空を飛ぶシーンなどの疾走感をどの様に演出できるかを考えながら舞台化されました。
音楽は久石譲の手掛けた楽曲を使用し、それらを和楽器で再構成して物語に落とし込んでいます。
ナウシカ歌舞伎:キャスト
ナウシカ歌舞伎のキャスト一覧をご紹介します。
主役のナウシカは五代目・尾上菊之助さん、敵対するクシャナ役は二代目・中村七之助さんです!
ナウシカ歌舞伎:誕生の秘話
「風の谷のナウシカ」が歌舞伎化されたきっかけは、ナウシカ役を務めた尾上菊之助さんにあります。
歌舞伎が海外からも注目を集め始めたとき、「日本国内外問わず、さまざまな面で日本文化を感じてもらえる機会を新作歌舞伎で作れないかと考えていたことがもともとの出発点」であると話しています。
尾上菊之助さんは、宮崎監督による映画『風の谷のナウシカ』を鑑賞した際に、”絵の力”と”女性の持っている力強さと可憐さ”に惹かれ、さらに原作漫画の”深いテーマ性”と”壮大さ”に一層引き込まれます。
「風の谷のナウシカ」の根底にある普遍性、そのテーマの壮大さと重たさが歌舞伎と融合したときの化学反応を楽しみにリメイクが企画されたとのことです。
そして企画が進む中、尾上菊之助さんは、主演・ナウシカと対峙する女性・クシャナを中村七之助さんに託します。
クシャナ役に声がかかったとき、中村七之助さんは、純粋に驚いたそうです。
しかし大好きなキャラクターの1人だったため、何度もアニメーションで見ていた『風の谷のナウシカ』が歌舞伎でやれることに嬉しく思ったと語っています。
ナウシカ歌舞伎:歌舞伎化にあたってはスタジオジブリも協力
ナウシカ歌舞伎の実現にあたっては、スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏も積極的に企画に携わっています。
『風の谷のナウシカ』といえば、スタジオジブリの原点であり、宮崎駿監督の異才が世に知れ渡る最初のきっかけとなった貴重な作品です。
女性の強さ、自然との共存、人間の開拓……など、宮崎監督の世に抱く失望、憤り、歯痒さ、そして小さな希望が詰まっており、原作漫画とアニメ映像化の映画、どちらも自身で手掛けています。
作品のメディア化について、宮崎監督がこれまで他人に預けたことはなかったのです。
しかし「宮崎駿の中心にあるのはナウシカだ」と鈴木敏夫氏が豪語するほど、特別な作品であるにもかかわらず、宮崎監督は今回の歌舞伎リメイク企画に賛同。
鈴木氏も「宮崎駿は嫌がると思っていたが、今回に限ってはやろうよと言ってくれた」と話していることから、スタジオジブリとしても制作を後押ししたことがうかがえます。
また、新作歌舞伎のために新たに題名のロゴ作りを請負ったのも鈴木敏夫氏でした。
スタジオジブリの題名では、丸文字で子どもに親しみやすい字体が多いですが、ナウシカ歌舞伎の演目の題字は歌舞伎の世界に寄せたそうです。
力強さが伝わってきますよね。
ナウシカ歌舞伎:上演情報とテレビ放送
新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」は、2019年12月6日から2019年12月25日まで、東京・新橋演舞場で上演されました。
その後、舞台の模様を収録した番組を2021年1月2日(土)と2021年1月3日(日)に放送。
前編と後編の二日間に分け、NHK BSプレミアムにて放送されました。
◆現在はDVD/Blu-rayで入手可能
新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』はDVDとBlu-rayの2形態でディズニーから発売されています。
DVDは4枚組、Blu-rayは2枚組です。
ディズニーからというのがちょっと意外ですが、実は日本でのジブリ関連作品のソフトの販売・流通はディズニーが担当している関係なんですよ!
まとめ
この記事では、新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」についてご紹介しました。
2021年のお正月にはテレビ放送もされ話題になった「ナウシカ歌舞伎」。
制作の裏側を知ると、ジブリファンや原作ファンにも認めてもらえる様な作品にしようという歌舞伎役者たちの熱意が伝わってきます。
原作コミック、映画版、どちらのファンの方もぜひ「第三のナウシカ」である歌舞伎バージョンをチェックしてみてくださいね。
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