【キャラ解説】「風の谷のナウシカ」のアスベルを解説!声優はもののけ姫のアシタカと同じ!ナウシカとの関係は?
映画「風の谷のナウシカ」に登場するキャラクター、アスベルについて解説します。主人公ナウシカにとっても心許せる相手として作中に登場するアスベルですが、そのキャラクターの背景や設定はどうなっているのでしょうか?ナウシカとの関係の行方も気になりますよね。またアスベルの声を担当した声優さんは他のジブリ作品にも出演!アスベルにまつわる裏話や制作時のエピソードもまとめました。
こんにちは、Reneです。
今回は、宮崎駿監督の2作目となる長編アニメーション映画「風の谷のナウシカ」のキャラクター、アスベルについてご紹介します。
最初は主人公ナウシカを襲う敵として登場するものの、誤解が解けたあとはよき友人となるアスベル。
女性からの人気が高い男性ジブリキャラクターの一人でもあります。
この記事ではアスベルの基本的なキャラクター設定や物語における役割、そして演じた声優さんについて解説していきます。
制作時の裏話や原作との違いについてもご紹介しますので、アスベルについて詳しく知りたい方はぜひ最後までお楽しみください。
・風の谷のナウシカ:アスベルはどんなキャラクター?
・風の谷のナウシカ:アスベルの声優は誰?
・風の谷のナウシカ:アスベルとナウシカの関係
- ナウシカが心許せる数少ない友人
・風の谷のナウシカ:アスベルとユパの関係
- 映画のラストでアスベルはユパと旅に出る
・風の谷のナウシカ:アスベルとクシャナの関係
- クシャナとは敵対するも、最後は和解
・風の谷のナウシカ:ナウシカとアスベルは恋人関係になる?
- 原作マンガではナウシカとアスベルは結ばれない
風の谷のナウシカ:簡単なあらすじ
「火の7日間」と呼ばれる戦争により、人類の文明は大地と共に崩壊してしまいます。
それから1000年後、生態系は大きく変化し、大地は巨大生物「大蟲(おうむ)」たちが生息する「腐海(ふかい)」と呼ばれる猛毒の瘴気を発生させる植物にまみれ、人々の住む土地を侵食していくばかりでした。
主人公ナウシカが住む風の谷は、酸の海のほとりにあるため、腐海に呑まれることなく人々が静かに暮らしていました。
小さな村の族長の娘ナウシカは村人から慕われ、腐海に住む蟲たちとも心を通わせる不思議な力を持ち合わせていました。
彼女は、瘴気の猛毒を中和する方法はないかと密かに研究を重ねていました。
そんなある日、風の谷にトルメキア帝国の輸送船が不時着。
そこには、火の7日間で大地を焼け野原にした最恐兵器「巨神兵(きょしんへい)」が積まれていたのです。
現場に駆け付けたナウシカの前で、瀕死の少女ラステルは「積み荷を燃やして」と言い残して息を引き取ってしまいました。
未完成の巨神兵を風の谷で完成させることになり、強制的にトルメキア帝国の支配下に置かれてしまった風の谷の住民。
そして、巨神兵が発見された工房都市ペジテへ捕虜として送られることとなったナウシカたち。
その旅の途中、ナウシカたちは謎の少年が操縦するガンシップに襲われます。
その少年こそ、ナウシカが輸送船の不時着時に看取った少女ラステルの兄=アスベルでした……
風の谷のナウシカ:アスベルはどんなキャラクター?
アスベルは工房都市ペジテの王子です。
双子の妹、ラステルはトルメキア帝国に人質として捕らえられていましたが、輸送船の墜落事故により亡くなってしまいます。
復讐心に駆られたアスベルは、ナウシカたちも捕虜として乗っていたトルメキア帝国軍の飛行艇をガンシップで襲撃。
しかし、その後、蟲たちに襲われているところを逆にナウシカに助けられました。
蟲から逃れた後、腐海の底にたどり着いた2人はそこでお互いについて語り、アスベルはナウシカがラステルの最後を看取ったことを知ります。
そしてアスベルはナウシカの話を聞き、トルメキア帝国との争いをやめるべきだと悟ることになります。
アスベルは工房都市の王子だけあって、手先が器用でメカいじりが得意。
ガンシップの修繕や、ナウシカの乗るメーヴェが故障した際の応急処置など、頼れる一面も描かれています。
風の谷のナウシカ:アスベルの声優は誰?
アスベルの声優を担当したのは、俳優・ナレーター・声優などとして活躍する松田洋治さん。
1967年生まれの松田さんが「風の谷のナウシカ」でアスベルを演じたのは16歳~17歳頃のことでした。
「風の谷のナウシカ」から13年後に公開された大ヒットジブリ映画「もののけ姫」では、主演・アシタカ役に抜擢されています。
アスベルとアシタカは同じ声優さんなんです!
しかし2014年のインタビューでは、アスベルを演じたことについて「正直、あまり覚えていない」「あの時はまだスタジオジブリも存在せず、自分の中でも特別な意識はなかった」「宮崎監督が現場にいたかどうかもわからない」と話している松田さん。
アスベル役はあまり記憶に残る収録ではなかったようですが、結果的にジブリの原点となった作品に出演できたことは、今にして思えば幸せなことだとも答えています。
風の谷のナウシカ:アスベルとナウシカの関係
主人公のナウシカは、風の谷に住む16歳の風使いの少女。
風を読む能力がずば抜けて高く、小型飛行機メーヴェを上手く乗りこなします。
風の谷の住民からの信頼は厚く、「姫様」「姫ねえ様」などと呼ばれ優しさとリーダーシップを持ち合わせています。
人々が恐る腐海の蟲たちとも心を通わせ、怒りを沈めたり、腐海の外に出てきた蟲たちを誘導したりと、不思議な力を発揮します。
蟲に襲われたアスベルを助けることができたのも、ナウシカのこの能力があってこそですね。
ナウシカが心許せる数少ない友人
ナウシカとアスベルは、トルメキア帝国軍の捕虜として出陣する飛行機にアスベルが奇襲を仕掛けたときに初対面を果たします。
その後、蟲に襲われるアスベルを助けに行ったナウシカは、ふたり揃って腐海の森の底へ落ちてしまうのでした。
そこでアスベルはナウシカが妹ラステルの最期を看取ってくれたことを知ります。
また、腐海の蟲たちは汚染された大地を浄化する役割を担っていることを知り、ナウシカは涙を流します。
いつも気丈なナウシカがここで涙を見せたのは、アスベルに心を許しているからこそとも考えられます。
腐海の底での時間がふたりの距離を縮めたように描かれている点に注目です。
ナウシカの声優:島本須美
ナウシカの声優を担当しているのは島本須美さん。
宮崎監督が現場スタッフとして在籍していた「赤毛のアン」のヒロイン・アン役の声優オーディションをきっかけに、宮崎駿が初監督を務めた長編アニメーション「ルパン三世カリオストロの城」に声優として出演します。
その後、「風の谷のナウシカ」のオーディションに参加しナウシカ役を勝ち取りました。
他にも、「となりのトトロ(さつきとめいの母親役)」「もののけ姫(トキ役)」にも出演し、宮崎作品に貢献しました。
風の谷のナウシカ:アスベルとユパの関係
ユパはナウシカの師匠で、風の谷の族長ジルの旧友。
人々を脅かす腐海の猛毒な瘴気の謎を解明すべく、ひとりで大地を旅しています。
本編では、冒頭にガスマスクを装着し、腐海に飲み込まれた村を訪れては、「また村がひとつ死んだ」と悲しげに人々の暮らしの面影を眺めては去ってゆきます。
剣術の能力は非常に高く、敵陣からも恐れられるほどのレベルです。
常に冷静で、風の谷がトルメキア帝国に襲撃された際は、動転しているナウシカの代わりに指揮をとるなど活躍します。
映画のラストでアスベルはユパと旅に出る
映画では、物語の最後にアスベルがユパと共に旅に出る描写があります。
巨神兵を巡った争いに終止符が打たれ、その一連の出来事で、ナウシカやユパたちの考えに感化されたアスベルが腐海の謎の解明すべく選んだ道がユパの付き人でした。
長い旅を終えて、風の谷に戻った際に、ナウシカとの関係に発展がありそうな予感を残す結末でした。
原作漫画でも、アスベルはユパと行動を共にします。
腐海の底でナウシカの考えに賛同したアスベルは、工房都市ペジテの唯一の生存者として、表向きには土鬼連合側の立場を取ります。
しかし密かにユパと結託し、ナウシカたちの計画を手助けします。
ユパの声優:納谷悟朗
「ルパン三世(銭形警部役)」「宇宙戦艦ヤマト(沖田十三艦長役)」などアニメ界の人気キャラクターを務めるほか、仮面ライダーシリーズの敵組織の役などでも活躍していました。
声優である以前に俳優であると強いこだわりをもち、仕事をしていたことで知られており、「声優の〜」と紹介された取材を辞退した過去もあります。
宮崎作品は、「風の谷のナウシカ(ユパ役)」のみに参加しています。
風の谷のナウシカ:アスベルとクシャナの関係
クシャナはトルメキア帝国の皇女です。
人間第一で物事を考える冷酷な考えに見える反面、蟲や猛毒の瘴気に怯えることなく暮らせる世界を作りたいという彼女なりの正義感のもと多くの軍隊を従えています。
彼女の望みは、「腐海を焼き払い再び偉大なる人間の社会を取り戻すこと」。
そのためにアスベルとラステルの国・ペジテが所有していた巨神兵を利用しようと考えました。
クシャナは、ナウシカと対極の人間性を持つ皇女として描かれています。
その設定は、非常に緻密なもので、「ナウシカ(Nausicaa)」と「クシャナ(Cusianaa)」のアルファベットを入れ替えると互いの名前になるというアナグラムが込められているところにまで反映されています。
クシャナとは敵対するも、最後は和解
トルメキア帝国の王女・クシャナと工房都市ペジトの王子・アスベルは対立関係。
映画では巨神兵を、原作マンガでは巨神兵を動かす秘石を巡って、トルメキア帝国はペジトを襲い、アスベルの双子の妹・ラステルを捕えます。
輸送中の墜落事故によってラステルを亡くしたアスベルは、妹の死の元凶としてクシャナを強く憎み、たったひとりで奇襲を決意します。
しかし争いが終わると互いに平和を望み、最終的には和解します。
クシャナの声優:榊原良子
「風の谷のナウシカ」以外の宮崎作品、ジブリ作品の出演はありませんが、「機動戦士Zガンダム」のハマーン・カーン役や「機動警察パトレイバー」の南雲しのぶ役などを務めるベテラン声優です。
風の谷のナウシカ:ナウシカとアスベルは恋人関係になる?
アスベルといえば、ヒロイン・ナウシカと出会ったことで大きく価値観を変えた存在。
映画本編の最後には、ナウシカと仲睦まじい様子が描かれているので、数多く誕生しているジブリカップルとして認定できるのでは……と思った方も多いのでは?
映画版のラストは、「そうなった可能性もある」と言える終わり方ですよね。
原作マンガではナウシカとアスベルは結ばれない
ナウシカの原作マンガには、「トルメキア帝国」「工房都市ペジテ」「風の谷」に加えて「土鬼(ドルク)連合」という都市が登場します。
土鬼連合はトルメキア帝国と対立しており、小国である工房都市ペジテは、土鬼連合側でした。
蟲を傷つけたり、腐海の植物を品種改良したりと生命を弄ぶ土鬼に怒りを露わにするナウシカですが、アスベルのことは友人として信頼しています。
腐海の底で共に時間を過ごし、心が通じ合うのは映画と同じです。
しかし、最終的にナウシカは、アスベルと結ばれることはありません。
ナウシカは折に触れてアスベルのことを思い出すものの、次第に「森の人」と呼ばれる、腐海に住み蟲と共生する種族の青年=セルムと近しい間柄になります。
ナウシカのピンチの時に現れたり、ナウシカと同じ自然との共生を信念にもつセルム。
彼は「私と共に生きてください」と、告白めいた言葉をナウシカにかけていたりもします。
また、アスベルは映画本編には登場しない土鬼連合の少女・ケチャと心を通わせる仲へと進展します。
厳密にはアスベルとケチャが結ばれた描写はありませんが、ユパと旅に出ている最中に出会ってから別れや再会を繰り返し、強く抱きしめ合うシーンが原作マンガには描かれています。
マンガの方ではアスベルとナウシカは別々の道を選んだと言えそうです。
まとめ
映画「風の谷のナウシカ」に登場するキャラクター、アスベルについてご紹介しました。
スタジオジブリの原点となるアニメーション映画「風の谷のナウシカ」は、登場するキャラクターにもそれぞれ細かい設定が組み込まれていることがわかりますね。
ナウシカとアスベルの関係も、映画と原作マンガでは少し違う終わりを迎えます。
背景を知れば知るほど深みが増すので、気になった方はぜひ原作マンガも読んでみてくださいね。
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