【ナウシカ原作】『風の谷のナウシカ』の原作マンガのあらすじ紹介!ラストはどうなる?映画との違いは?
ジブリの先駆けとなった長編アニメーション映画「風の谷のナウシカ」は、宮崎駿による同名漫画「風の谷のナウシカ」が原作です。原作漫画は7巻まであるものの、映画本編ではほんの2巻分ほどしか描かれていなかったのです。ということで、原作漫画のあらすじ、魅力、映画と異なる点について徹底解明していきます!
こんにちは、Reneです。
今回は、映画「風の谷のナウシカ」の原作マンガについてご紹介します。
世界中から注目され続けているアニメ界の巨匠・宮崎駿監督による2作目の長編アニメーション「風の谷のナウシカ」ですが、原作は全7巻に及ぶマンガ作品です。
映画化されたのは原作マンガの一部だけで、設定も少し変えられているんですよ。
では原作マンガはどんな内容で、どんなところが映画版と異なるのでしょうか。
詳しくご紹介していきます。
・原作マンガ「風の谷のナウシカ」はどこで買える?
・原作マンガ「風の谷のナウシカ」あらすじ
- ①謎の秘石を巡り、風の谷とナウシカが争いに巻き込まれる
- ②アスベルとの出会い、トルメキア帝国と土鬼連合の対立
- ③土鬼のバイオテロ計画、そして巨神兵の再生
- ④腐海が存在する意味とは?明かされる驚愕の事実
- ⑤巨神兵を従えるナウシカ、そして生死の選択
・風の谷のナウシカ:映画と原作マンガの相違点
- ①映画では登場しない土鬼連合
- ②ナウシカと心を通わせる巨神兵
- ③巨神兵の秘石
- ④腐海誕生の設定が異なる
・原作マンガ「風の谷のナウシカ」の魅力
原作マンガ「風の谷のナウシカ」の概要
マンガ「風の谷のナウシカ」は、1982年から1994年まで徳間書店出版の雑誌アニメージュで連載されていました。
作者は、同名映画で監督も務めた宮崎駿氏。
連載期間中に、映画制作を挟んだこともあり途中4回の連載休止をしましたが、全7巻・59話で完結します。
1984年に公開された映画「風の谷のナウシカ」では、マンガの2巻ちょっと分の物語しか描かれていないため、ナウシカの物語をより深く理解するには、原作マンガの存在が欠かせません。
原作マンガ「風の谷のナウシカ」はどこで買える?
映画の原作となったマンガ「風の谷のナウシカ」は、出版社である「徳間書店」から現在も購入できます。
7巻セットや豪華装丁版など、いくつかのバージョンが出ていますよ。
原作マンガ「風の谷のナウシカ」あらすじ
それではマンガ版のあらすじをざっくりとですがご紹介しましょう。
終盤には結末のネタバレが含まれますのでご注意くださいね。
①謎の秘石を巡り、風の谷とナウシカが争いに巻き込まれる
「火の7日間」と呼ばれる大戦争の末、地球は大地を失い、人は文明を失ってしまいます。
それから1000年、巨大生物「蟲(むし)」が生息し、猛毒の瘴気を発する植物たちでできた森「腐海(ふかい)」が大地を侵食し、人々は住む場所を奪われていました。
そんな世界でもなお、トルメキア帝国と土鬼(ドルク)諸侯国連合帝国は緊迫した争いをしていました。
ある日、ナウシカが住む小さな国「風の谷」に、避難民の乗る輸送船が墜落します。
ナウシカが駆けつけると、瀕死状態の工房都市ペジテの王女・ラステルが倒れており、彼女から兄に渡してほしいと秘石を託されます。
この秘石は、かつてたった7日間で地球を破滅させた最恐兵器「巨神兵」を復活させる力を持っている石だったのです。
墜落を知ったトルメキア帝国の王女クシャナは、秘石が風の谷にあると踏み、風の谷を襲撃し、瞬く間に支配下へ置いてしまいます。
支配下に置かれた風の谷。
そして、捕虜となったナウシカたちは、トルメキア軍と共に戦闘を強制されることとなってしまいました。
②アスベルとの出会い、トルメキア帝国と土鬼連合の対立
ナウシカがトルメキア軍と共に出陣し、腐海の上を飛行していると、謎の青年が乗る小さなガンシップがナウシカたちの乗る飛行艇を襲撃してきました。
トルメキアの飛行艇は腐海の森へ不時着、どうにか一命を取り留めるも、奇襲した青年が蟲に襲われているのを目撃したナウシカは彼を助けにいきます。
その時、ガンシップの主はナウシカが墜落事故で看取ったペジテの王女ラステルの双子の兄・アスベルであることが判明。
ナウシカはラステルの遺言の通り、無事に彼に秘石を渡すことができたのでした。
ふたりが腐海の森を抜けるとトルメキア帝国と敵対する土鬼連合と鉢合わせ、捕虜となります。
彼らがトルメキア帝国を襲撃しようとしていることを知ったナウシカはどうにか脱出し、争いを止めるためメーヴェを走らせました。
その道中、王蟲の幼虫をオトリに、蟲の大群を呼び寄せ、トルメキア帝国を丸ごと破滅に追い込む作戦を実施しようとしている現場に遭遇します。
ナウシカの持つ不思議な力のおかげで、王蟲と心を通わせ、どうにか王蟲の幼虫を助け、蟲の大群を腐海の森へ返すことに成功します。
映画版で描かれていたのはこのあたりまで。
ここから先は原作マンガ版でしか読めない展開になっています。
③土鬼のバイオテロ計画、そして巨神兵の再生
トルメキア帝国との対立で劣勢となった土鬼連合は、腐海の植物を品種改良し、腐海の蟲までもが死に至るほどの猛毒をバイオ兵器として利用しようと新たな計画を企てました。
そのバイオ兵器を使い、トルメキア帝国を完全に壊滅させることに成功します。
しかし、品種改良された植物は突然変異を起こし始め、取り返しのつかない状態に陥ってしまいます。
土鬼連合の企みにいち早く気付いていたのは、腐海に住む蟲たちでした。
大量の蟲たちが突然変異を起こした植物たちを吸収し、瞬く間に毒素を中和していったのです。
蟲の大群が一斉に移動する現象・大海嘯(だいかいしょう)によって土鬼の土地のほとんどは飲み込まれ、結果、自滅することとなってしまいました。
戦争を終わらせようと、窮地に立たされた土鬼連合は、ついに巨神兵の始動準備を始めます。
④腐海が存在する意味とは?明かされる驚愕の事実
大海嘯により飲み込まれた土鬼の都市を訪れたナウシカは、王蟲たちと共に腐海に飲み込まれますが、森の人と呼ばれる腐海の住人たちによって救出されます。
朦朧とした意識の中、彼らからナウシカは耳を疑う真実を聞かされます。
火の7日間によって世界が崩壊したとき、生き残った人々は新たに世界を再生する計画をスタート。
その計画こそ「腐海」の誕生であり、腐海とは焼け野原となり汚染された大地を浄化するためのろ過システムだったのです。
また、腐海によって浄化された大地で人間が再び愚かな争いをしないために、遺伝子レベルで怒りや憎しみを抑える人工的に改造されていたこともわかりました。
そして、人工的に改造されたナウシカたち人間は、腐海が全てを浄化してしまった毒のない世界では逆に生きられないことが発覚します。
⑤巨神兵を従えるナウシカ、そして生死の選択
意識を戻したナウシカは、土鬼連合の暴走を止めに向かうと、すでに巨神兵が動き出していました。
しかしアスベルから再度託された秘石をナウシカが持っていたため、秘石を与えられた巨神兵はナウシカを親と認識し、ナウシカに従う意思を示したのです。
ナウシカは巨神兵をオーマと名付け、「墓所」と呼ばれる場所へ向かいます。
そこは1000年前の人々が残した文明や技術が封印されており、改造されたナウシカたちの遺伝子を元に戻す技術もあると言われていました。
墓所は、意識と人格を持ち合わせた生命体であり、「一切の汚れがない世界」を理想とし、あらゆる汚染物を排除しようとしています。
ナウシカたちのように、汚染された大地で生きていけるよう改造された人間たちも大地が浄化されたあとは蟲たちと共に絶滅する運命であることを悟ったナウシカ。
ナウシカはその計画を阻止すべく、墓所をオーマに破壊させます。
強力な力を使ったオーマは墓所を倒したのち、ナウシカのことを「母さん」と呼びながら彼女に看取られて息絶えたのでした。
全ての戦いが終わった後、ナウシカは、この道中で知った数々の真実、そして地球の未来をかけた選択を胸に、どんなに苦しくとも生きねばならないと、前を向いて歩いていくのでした。
物語の最後は、「語り残したことは多いがひとまずここで、物語は終わることにする」と締め括られます。
ナウシカについては「土鬼連合に残り、成人すぎて風の谷へと戻った」「森の人の元へと去った...」などと伝わっているとされています。
風の谷のナウシカ:映画と原作マンガの相違点
ここで、映画とマンガで異なる設定などを見てみましょう。
映画化にあたっては一部キャラクターなどが省略されていることがわかりますよ。
①映画では登場しない土鬼連合
原作マンガでは、「トルメキア帝国」と「土鬼連合」の二国間の争いが緊迫している描写が冒頭から描かれています。
マンガの後半ではナウシカが土鬼の心ある僧侶と交流し、なんとか土鬼上層部のたくらみを止めようとする場面も描かれます。
しかし、映画には土鬼連合は一切出てきません。
映画版では大国「トルメキア帝国」と小国「風の谷」「ペジテ」という3ヵ国がメインとなり、物語が進められていきます。
②ナウシカと心を通わせる巨神兵
映画で登場する巨神兵は、ペジテで発見された”物的兵器”です。
それを輸送中に風の谷で墜落し、風の谷で修復作業をするも、王蟲の大群が押し寄せ、未完成のままクシャナが使用します。
その結果、たった2発を撃っただけで溶けて壊れてしまいます。
一方、原作マンガにおける巨神兵は、敵と味方を見分ける判断力や理性を持った立派な生命体として描かれます。
ナウシカからオーマという名前を授かったことでその知性がますますアップし、最後の最後までナウシカに従い、守り、尽くす存在として描かれていますよ。
③巨神兵の秘石
原作マンガでは、大国同士の戦争を招く引き金となった「秘石」ですが、映画では登場しません。
ナウシカが秘石を持っていたことがきっかけで、巨神兵と心を通わせることになるのですが、映画では、そもそも、巨神兵とナウシカが絡むシーンすらありませんね。
④腐海誕生の設定が異なる
原作マンガでは、腐海は1000年前の火の7日間を終えて、人間が平和で浄化された大地を取り戻すために人工的に作り出したものだと発覚します。
しかし、映画では、ナウシカの研究と腐海の底へ落ちたことによって、汚染された大地を浄化するために自然に誕生したと描かれました。
原作マンガ「風の谷のナウシカ」の魅力
映画版と決定的に異なる点といえば、ラストの締めくくりの部分だといえます。
映画では、大衆向けに脚色された結果、ナウシカのおかげで、蟲と人間と自然は穏やかな暮らしを手に入れて終わります。
ハッピーエンドに見えますが、これに対して、宮崎駿監督は、「もっと違う終わり方ができた」と少し後悔しているようなコメントを残しているんです。
映画制作を終えて、マンガ「風の谷のナウシカ」の連載に戻り、映画公開から10年後に完結した物語では、「汚染のない浄化された大地とそこで平和に暮らす人間たち」という理想的な世界を作る技術をナウシカがオーマに破壊させ、自分たちが今この瞬間を生きることを最優先に選ぶことになります。
賛否両論で分かれる結末となっていますが、最後のページに記された言葉「生きねば...」には、強い生命力が感じられます。
ちなみに、この「生きねば」は、宮崎駿監督が引退宣言をした後に制作されたジブリ映画「風立ちぬ」でのキャッチコピーとしても使われています。
宮崎監督といえば生命への尊厳を強く描写し、世界へ訴えかける作品を多く生み出してきています。
何があっても「生きる」選択をするべきであるというブレない信念が原作マンガでは色濃く出ている結末ではないでしょうか。
まとめ
この記事では、マンガ「風の谷のナウシカ」の概要、あらすじ、映画との相違点、魅力をご紹介しました。
宮崎駿の強いメッセージが込められた作品、ぜひ、一度、読んでみてください!
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