【ジブリ映画】「風の谷のナウシカ」に登場する王蟲(オウム)を解説!モスラがモデル?鳴き声の正体は?
映画『風の谷のナウシカ』に登場する生物、王蟲(オウム)を解説!多くの独創的なキャラクターが登場している『風の谷のナウシカ』ですが、中でも王蟲(オウム)は物語のカギとなる生き物で、特に強い存在感を放っています。この記事ではナウシカと心を通わせる不思議な生き物=王蟲について解説します。モデルとなったものや、作中で出す声の秘密に迫ります!
こんにちは、Reneです。
制作会社トップクラフトで制作された映画『風の谷のナウシカ』は、スタジオジブリ創設のきっかけの作品としても知られています。
ジブリの世界観を確立させたジブリを語る上で欠かせない作品であり、その後も宮崎駿が何より大切にする”生命の尊厳”がダイレクトに表現されています。
ジブリプロデューサーである鈴木敏夫は「宮崎駿の中心はナウシカ」と語るほどです。
そんな「風の谷のナウシカ」をより理解するために今回は、腐海に住みナウシカが心を通わせる生き物”王蟲(オウム)”に焦点を当ててみました。
※この記事は、映画と原作漫画の結末や重要なシーンについて触れています。
映画未鑑賞、原作未読の方は気をつけてくださいね。
・風の谷のナウシカ:王蟲(オウム)のモデルはモスラの幼虫
・風の谷のナウシカ:映画では語られない王蟲(オウム)の真の正体とは
・風の谷のナウシカ:王蟲(オウム)の鳴き声の正体はギタリストの布袋寅泰
・風の谷のナウシカ:挿入歌「王蟲との交流」を歌ったのは久石譲の実の娘
風の谷のナウシカ:王蟲(オウム)とはどんな生き物?
まずは『風の谷のナウシカ』で語られる王蟲の生態についてご紹介しましょう。
王蟲は、猛毒の瘴気が蔓延する腐海で暮らす生物です。
緑色の身体で、複数の足と青い14個の目玉を持っています。
成長過程で脱皮を繰り返し、その度に巨大化していきます。
脱皮した王蟲の皮はセラミックのように硬く、ナウシカはこの皮を持ち帰っては人間の道具に使っていました。
王蟲は離れた距離にいてもテレパシーで仲間同士の意思疎通が可能で、誰か一体が強い痛みを感じたり助けを求めると大群で押し寄せます。
王蟲は激昂すると青い目を、「攻撃色」と呼ばれるルビーのような赤い目に変色させます。
そうなると、彼らの怒りを押さえ込む事はほぼ不可能で、大海嘯と呼ばれる現象が起こります。
大海嘯とは、王蟲の大群が腐海から抜け、あらゆるものを破壊し尽くすまで暴走する現象をいいます。
一度、大海嘯が起きれば王蟲の通った場所は人が暮らせなくなるため、人間の街は死んでしまいます。
「王蟲の怒りは大地の怒り」と言われていて、森を伐採したり、必要以上に生き物を大量捕獲したりすると王蟲の怒りを買うこととなります。
昔から問題視されながらも一向に解決へ向かわない”環境破壊”の現状に、このままでは人間が地球を破滅させてしまうという構図を王蟲で描いたと取ることができます。
風の谷のナウシカ:王蟲(オウム)のモデルはモスラの幼虫
はっきりとは明言されていませんが、王蟲のモデルは東宝の怪獣映画に登場するモスラではないかと言われています。
映画『モスラ』(1961年)が公開されたのは、宮崎駿監督が20歳の時。
茶色い身体に青く大きな目玉がふたつあるのが特徴的で、その特徴は王蟲と非常に似ています。
そのため、アニメーターとして駆け出しだった宮崎監督がモスラの幼虫をモデルにしたという説は有力そうです。
風の谷のナウシカ:映画では語られない王蟲(オウム)の真の正体とは
映画では、オトリにされ怪我をした王蟲の子どもの痛みを感じ取った大人の王蟲たちが子どもを助けようと暴走。
ナウシカがそれを食い止めてエンディングを迎え、「腐海に住む生き物」以上の説明はされずに終わります。
一方、原作漫画では、王蟲は”腐海を守るために人工的に作り出された生き物”とされています。
王蟲に限らず、腐海やナウシカたち人間までもが人工的に作られた存在であるという驚愕の真実が明らかになります。
人間たちの争いは、他の生き物たちの子孫を残すための争いとは異なり、何もかもを破滅させてしまうあまりにも愚かで傲慢なものとして描かれています。
そんな争いに終止符を打ったのが巨神兵による”火の7日間”でした。
そして全てを人工的に改造しリセットした世界から1000年後、ナウシカたちは自分たちすらも王蟲や巨神兵と同様に人工物であることを知りません。
そして、大地が荒れ果てたにもかかわらず、人間たちはまたも人間中心の世界を取り戻そうと人工物同士の争いを企んでいたのです。
原作で描かれた経緯を知ると、人間の愚かさと滑稽さが浮き彫りになってきますね。
風の谷のナウシカ:王蟲(オウム)の鳴き声の正体はギタリストの布袋寅泰
映画の中で王蟲たちは独特の鳴き声を出します。
この音の正体はなんなのか、実は意外なところで判明しました!
映画公開から27年後の2011年、伝説的ロック・バンド「BOØWY」のギタリストであり現在はソロ名義で活躍する布袋寅泰さんが、自身のツイッターに衝撃の事実を投稿。
「好きなジブリ映画を教えてください!」というファンからのコメントに対して「ナウシカのオームの泣き声は僕のギターなんですよ!」という返しをします。
布袋さんによると、「久石譲さんに呼ばれてギターで鳴いてくれと頼まれました。ずいぶん昔の話です」とのこと。
スタジオジブリ作品でお馴染みの音楽担当・久石譲氏から直々のオファーがあったことが分かり、ネットは騒然とします。
収録当時はBOØWYのギタリストとして活躍していた布袋さんが王蟲の鳴き声を弾いていたとはびっくり!
公開当時は一切話題になっていなかったこの事実、27年越しの真相判明ということで、ナウシカにはまだまだ明かされていない制作秘話があるのではないか...と期待してしまいますね。
風の谷のナウシカ:挿入歌「王蟲との交流」を歌ったのは久石譲の実の娘
『風の谷のナウシカ』といえば、女の子が歌う「ラン・ランララ・ランランラン〜」という曲を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
この曲は「ナウシカ・レクイエム」という曲で、作曲はジブリ音楽でお馴染み久石譲氏。
歌っているのは当時4歳だった久石譲氏の娘さんです。
当初は男性ソプラノ歌手に歌ってもらおうと考えていた久石譲氏でしたが、現場にいた娘に歌わせてみたところそれが気に入り、宮崎監督も了承したことがきっかけで本編で使われることとなりました。
まとめ
この記事では「風の谷のナウシカ」に登場する王蟲について徹底解説しました。
映画の中で重要な役割を担う王蟲。
その巨大さと見た目から怖い生き物にも見えますが、子供を救おうとしたナウシカに対して心を開くシーンは感動的ですよね。
次回『風の谷のナウシカ』を鑑賞する際は、ぜひ王蟲の身体の構造や鳴き声にも注目して鑑賞してみてくださいね。
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