【キャラ解説】もののけ姫の「こだま」の正体は?設定の由来や謎、トリビア、トトロとの関係を徹底解説!

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    ジブリ映画『もののけ姫』に登場するキャラクター、「こだま」を徹底解説!アニメ界の巨匠・宮崎駿監督の長編アニメーション映画「もののけ姫」は、中世の日本(室町時代)を舞台に豊かな暮らしを求めて森を破壊する人間と、かつて森に生息していた神々の対立を描いています。ユニークなキャラクターの中でもひときわ目立つ”こだま”とは何者なのでしょうか?この記事では、こだまにまつわる謎や隠喩などを紹介していきます。

    こんにちは、Reneです。
    今回は、宮崎駿監督の長編アニメーション映画『もののけ姫』に登場するキャラクター、こだまをご紹介します。

    真っ白な身体に、ぽっかりと三つの穴が開いただけの顔。
    一見不気味にも思える姿ですが、子供のような体つきと無邪気なしぐさは、彼らが神秘的な存在であることを感じさせてくれます。

    時には人間に恐れられ、時には森で迷った主人公アシタカを助けてくれるこだまたち。
    しかし映画の中ではシシ神や山犬といった他のキャラクターほど詳しく語られないため、その正体や設定には謎が多く残っている存在でもあります。

    この記事ではかわいいよう不気味な”こだま”について掘り下げてみましょう。

    もののけ姫のこだま:あらすじ

    かつて中世の日本には、森の奥深くに太古の神々が生息していました。
    ある日、アシタカは自分の村を襲ったタタリ神を倒したことで、右腕に呪いの傷を負ってしまいます。
    村の長老の助言から、呪いを解くためにタタリ神がやってきた西へ旅に出ることになったアシタカ。

    その道中、アシタカは、山犬に育てられた少女・サンと出会います。
    昔いけにえとして森捨てられた彼女は、シシ神の森で動物や自然とともに暮らしながら、文明の発達のために森を開拓しようとする人間を追い出そうとしていました。

    森を拓いて作った製鉄所=タタラ場を取り仕切るエボシとサンの殺し合いの仲裁に入ったアシタカは、サンの導きにより、深い森へ案内され、シシ神に命を助けられます。
    人間と森の生き物たちの間で緊迫した対立関係が強まる中、アシタカは、人間と自然が共存する道はないかと模索します。

    しかし、エボシが動物たちに対して使う武器が生き物を長く苦しめ、タタリ神へと変貌させていることが発覚します。
    アシタカの村を襲った大きな猪がタタリ神になってしまったのも、エボシのせいだったのです。

    さらに、別の侍が資源豊かなタタラ場をエボシから奪おうとしていることがわかります。
    アシタカは神聖な森をこれ以上荒らすべきでないと訴えますが、ついにエボシはシシ神の森の主・シシ神の首をはねてしまいます。

    その瞬間に森は崩壊し、タタラ場やタタラ場を襲っていた軍勢たちも飲み込まれていきます。
    混乱の中でアシタカとサンは力を合わせてなんとかシシ神に首を返し、それによってシシ神を鎮めることができました。

    シシ神によって右腕の呪いを解かれたアシタカ、アシタカへ信頼を寄せるも人間を許せないと森へ戻るサン、自然の壮大さを目の当たりにして自然との共存を選んだ人間。
    一つの森が全壊したと思われましたが、こだまがひとりぼっちで首を振りながら生き延びていることがわかり、森の再生への希望が見えるのでした。

    もののけ姫のこだま:こだまの正体

    デイダラボッチ/もののけ姫
    出典:公式サイト
    デイダラボッチ/もののけ姫

    ではここから、こだまの正体に迫っていきましょう。
    不思議な存在であるこだまたちは、実際に存在を信じられているんですよ。

    ◆こだまは漢字で書くと『木霊』

    “こだま”を漢字にすると、木霊と書きます。
    漢字の意味通り、樹木に宿る精霊としてシシ神の森に生息しています。

    樹木に宿る精霊という存在は、日本最古の書籍・古事記で「木の神」にも記述されています。
    日本に根強く残る神道的な思想(山、川、岩などにも神が存在し、木にも木霊が存在するなど)から生まれたキャラクターと言えますね。

    本編では、アシタカが大きな樹木のそばにいるこだまたちに向かって「これがお前たちの母親か。立派な樹だ。」と話しかけています。
    その台詞から、こだまとは樹木の子ども(=新芽)と捉えることができます。

    ◆こだまは、本当に存在する!?

    シシ神の森がモチーフとなっているのは、鹿児島県にある”屋久島”です。
    そして屋久島には「木霊の森」という場所があるようです。

    実際に、現地でこだまのような白くて黒い目のような点々がついた神秘的なものが写った写真を撮ったという人も多くいます。
    ネットでも度々話題になり、何人もの人がこだまのような写真を撮影することに成功しているので、こだまは実在すると都市伝説のように語り継がれています。

    ちなみにこの正体は、屋久島は海が近く湿った風が吹きやすいため、悪天候なことが多く、雨粒に光が反射して起こる光学的現象であると推測されています。
    それでも現実世界でレンズ越しのこだまが見られるのであれば、一度は足を運んでみたくなりますよね。

    また、山頂で叫ぶと反響して同じ言葉が帰ってくる現象である山彦(やまびこ)は、木霊のイタズラとも言われています。

    もののけ姫のこだま:こだまの登場シーンごとに読み解く

    ケガ人を助けるアシタカの前に現れたこだま/もののけ姫
    出典:公式サイト
    ケガ人を助けるアシタカの前に現れたこだま/もののけ姫

    では映画の中からこだまが登場する印象的なシーンをそれぞれ抜き出し、どんな意味があるのか読み解いてみましょう。

    ◆こだまを恐れるタタラ場の男

    アシタカは呪いを解く方法を探す旅の道中で、怪我人を発見し、彼らの村に送り届けようとします。
    その際、タタラ場出身の男は、シシ神の森でこだまを見るなり、震え上がりながら「こいつらがシシ神を呼ぶんだ」とアシタカに訴えます。

    自然は美しい反面、時に見ているだけで不気味で恐ろしく感じる瞬間がありますよね。
    こだまの得体の知れなささ、不気味さ、不思議さは、自然そのものであると読み解くことができます。
    人間が普段足を踏み入れない大自然の中を歩くと、人間は自分たちがいかに無力で、自然は何か力を秘めている(=ここではシシ神を呼んで自分たちに悪さをするのではないかという憶測)と恐怖心を抱くのは自然のことかも知れません。

    ◆こだまを恐れないアシタカ

    無数のこだまに怯むタタラ場の男に対してアシタカは「ここにもこだまがいるのか」「好きにさせておけば悪さはしないさ。森が豊かな印だ」とこだまに対して一切の警戒心を見せません。

    タタラ場では、人間がより良い暮らしをするための森の木々を伐採して開発が進めています。
    つまり、本編では描かれていないものの「タタラ場の人々は、樹木(こだま)を倒して(殺して)いる」ことになります。

    一方、自然や森の神々を敬いながら暮らすエミシ村で生まれ育ったアシタカにとって、こだまは「共存」する存在でしかありません。
    こだまに囲まれ、いつか復讐されるかも知れないと恐れるタタラ場の男に対して、アシタカは一切の後ろめたさを持っていないため、怖くないんですね。

    また、アシタカの「森が豊かな印だ」という言葉から、こだまは全ての樹木に生息しているのではなく、樹木が連なっている森の奥深い場所など限られたところでのみ存在できることが推測できます。
    自然と共生する術を知っているアシタカにとっては、こだまはちょっと珍しい生き物くらいの感覚なのかもしれません。

    ◆デイダラボッチ(シシ神の夜の顔)によって無数のこだまたちが一斉に死んでいく

    物語の終盤、人間によって首をはねられたシシ神は、夜の顔であるデイダラボッチの姿で首を探して暴走します。
    森を破壊し、村々を襲い、人間たちは大混乱となりました。

    この時、森に住む無数のこだまたちは、死んでいくように一斉に逆さまの状態でゆらゆらと落ちていきました。
    「森の崩壊=森を作る樹木の生命が一斉に終わっていく瞬間」を宮崎駿は、樹木の代わりにこだまというキャラクターを通して残酷さを表現したことが伺えます。

    ◆ひとりぼっちのこだま

    人間のせいでシシ神の森は消滅したかと思いきや、物語は森の中でこだまがひとりぼっちで首を振っているシーンで幕を閉じます。
    この最後の一体のこだまについては、「唯一の生き残りのこだま」や「森の再生によって誕生した最初のこだま」など、さまざまな解釈がされています。

    宮崎監督は、「全壊した森が急に大森林になるのは嘘。そう簡単には回復できず、再生には時間がかかるものだ」といった言葉を残しています。
    一つの新芽が時間をかけて樹木へ育っていく自然の原理通りに、たった一体のこだまが何万年という月日をかけて森を再生していくことを象徴していると読み解くことができます。

    もののけ姫のこだま:こだまが首を回す音はなんだったのか

    デイダラボッチに向けて一斉に首を鳴らすこだま/もののけ姫
    出典:公式サイト
    デイダラボッチに向けて一斉に首を鳴らすこだま/もののけ姫

    「もののけ姫」で登場する森に生息する生き物たちは、人間と同じ言葉を使いますが、唯一「シシ神」と「こだま」だけは言葉を話しません。
    こだまは、言葉を話す代わりに首を回して、カタカタと音を立てているのが印象的ですが、その音は一体なんなのか。
    3つの有力説をご紹介します。

    ①呼吸音

    樹木の精霊であるこだまは、植物同様に呼吸をしていると考えられます。
    そして首と頭の間にある空洞から呼吸をしており、その時にカタカタと音がしているのではないかと言われています。

    ②話し声

    人間には理解できない言葉で、こだまたちの間で何か言葉を話しているのではないかと言われています。
    というもの、デイダラボッチ(シシ神)の出没で、こだまたちは一斉にカタカタと大きな音を出しました。
    これによってシシ神に何か伝えようとしていたと考えても納得です。

    ③習性としての音

    動物の中には、求愛のために音をたてて他の個体にアピールする習性を持つものがいます。
    このように、こだまも自分の存在を知らしめる音として首を鳴らしていると考えることができます。

    この説は、三つの中でも一番有力とされています。
    というのも、こだまはデイダラボッチの出没のほかに、ケガをしたアシタカが運ばれているシーンでも大きな音を出していたので、周りに自分たちの存在を知らしめようとしていたのかも知れません。

    もののけ姫のこだま:こだまの進化系は、トトロだった

    トトロはこだまが進化したもの!?
    出典:公式サイト
    トトロはこだまが進化したもの!?

    宮崎駿は、「もののけ姫はこうして生まれた」のインタビューの中で、「それ(ひとりぼっちのこだま)がトトロに変化した。耳が生えていたってことにすれば。そうすると首尾一貫するんです、なんだか、わけわかんないけど」と話しています。
    つまり、トトロはこだまが進化した姿だったんですね!

    宮崎駿原作のジブリ映画「となりのトトロ」でトトロは、森の主として登場します。
    さつきとめいの新しい引越し先であるボロ屋のすぐそばにそびえ立つ、立派なクスノキに生息しています。

    「もののけ姫」の時代設定は、中世の日本(=室町時代/1336年から1573年)に対して、「となりのトトロ」の時代設定は昭和30年代(1953年頃)とされています。

    大トトロ・ミミンズクの年齢が1302歳、中トトロ・ズクの年齢が679歳、小トトロ・ミンの年齢が109歳とされているので、『もののけ姫』に登場したこだまがトトロに進化したとするならば、「となりのトトロ」での中トトロあたりと考えられます。
    こだまから耳をはやして小トトロになり、大きくなるにつれて毛の色が青く、灰色になっていくと考えるとワクワクしますよね。

    もののけ姫のこだま:グッズが買える

    こだまのぬいぐるみ
    出典:公式サイト
    こだまのぬいぐるみ

    映画の公開から20年以上が経過した今でも人気のこだま。
    スタジオジブリのキャラクターグッズを幅広く取り扱う公認グッズショップ「どんぐり共和国」では、現在もこだまのグッズを買うことができますよ。

    上の画像は「もののけ姫 ふんわりお手玉 こだまM」1,700円です。
    グッズは公式オンラインショップや全国にある「どんぐり共和国」の店舗で買うことができるので、気になった方はチェックしてみてくださいね。

    まとめ

    「もののけ姫」に登場するキャラクター、こだまについて解説しました。

    脇役ではありますがその印象的な姿で人気のこだまは、実は映画の世界観を表現する上でとても大事な役割があったんですね。

    ぜひ、こだまの細かな構想を知った上で、『もののけ姫』を鑑賞してみてください!

    【キャラ解説】もののけ姫の「こだま」の正体は?設定の由来や謎、トリビア、トトロとの関係を徹底解説!

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