ジブリ映画『君たちはどう生きるか』の主題歌は米津玄師の「地球儀」!曲の誕生秘話を解説

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    2023年7月に公開されたスタジオジブリ映画『君たちはどう生きるか』の主題歌で米津玄師が歌う曲「地球儀」を特集♡「地球儀」はどのような経緯で誕生したのか、米津玄師とジブリとの関係、ジャケット写真のワンシーンについて解説します。映画館で『君たちはどう生きるか』を見て、エンドロールに米津玄師が登場したことに驚いた方も多いでしょう。ぜひ、「地球儀」の理解を深めてください。

    こんにちは、Reneです。

    宮崎駿監督によるスタジオジブリの新作映画『君たちはどう生きるか』を映画館で見て、エンドロールに「米津玄師」が登場したことに驚いた方はいませんか?
    実は、『君たちはどう生きるか』の主題歌を歌っているのが、米津玄師なんです!

    主題歌のタイトルは「地球儀」。
    なぜ『君たちはどう生きるか』の主題歌を米津玄師が担当するのとになったのでしょうか?
    「地球儀」の誕生秘話や、米津玄師がジブリから受けた影響など、『君たちはどう生きるか』の主題歌を深掘りして解説します。

    『君たちはどう生きるか』の主題歌:地球儀(米津玄師)

    『君たちはどう生きるか』の主題歌:地球儀の誕生秘話

    米津玄師は、どのような経緯で『君たちはどう生きるか』の主題歌「地球儀」を手掛けることになったのかをみていきましょう。

    ◆米津玄師と宮崎駿監督の出会い

    2018年、米津玄師は、ジブリ美術館で上映されている短編映画『毛虫のボロ』を試写してインタビューを受ける機会がありました。
    スタジオジブリの試写室で視聴後、制作現場をみて回った米津玄師は、そのときに偶然居合わせた宮崎駿監督と出会いました。

    2018年当時、タジオジブリの制作現場では『君たちはどう生きるか』のイメージイラストの制作が進められており、壁の至る所にさまざまなイラストが掲げられていたそうです。

    米津玄師は後に、この初対面の際、宮崎駿監督から年齢を聞かれて27歳と答えたところ、「27歳なんてついこないだだね」と返されたことが忘れられないと話しています。
    たくさんの想いを交錯させながら生きてきた数十年も、歳をとると徐々にあっという間の瞬間になることに気付かされ、何度も宮崎駿監督からの言葉を反芻(はんすう)したそうです。

    ◆主題歌オファーの経緯

    米津玄師は、子ども向けの楽曲「Papurika」を制作した際、宮崎駿監督がどのように子どもと向き合ってきたかをよく考えたそう。

    改めて自分なりに子どもと向き合うために、ジブリ作品を見直したり、宮崎駿監督の言葉を見直しました。
    徹底的に子どもの視点に立ち、絶対に上から目線にならないことを意識して、楽曲制作を完成させます。

    その後、『君たちはどう生きるか』の主題歌のオファーを受けることに。
    「なぜ自分が?」と疑問を抱き、尋ねたところ、宮崎駿監督がラジオで「Papurika」を聞き口ずさむようになり、ジブリが持つ保育園の子ども達が「Papurika」を歌い踊っていることに、魅力を感じたと聞かされます。

    ◆主題歌の制作過程

    『君たちはどう生きるか』の主題歌の制作にあたって、米津玄師はスタジオジブリ側から絵コンテを渡されます。
    しかし、絵コンテを渡された段階では映画は完成しておらず、公開がいつになるかも未定の状態でした。

    まだまだ先になるであろうという状況の中、米津玄師は、焦って楽曲制作をするのではなく、まずは絵コンテと向き合い、自分なりに作品を咀嚼する作業からはじめました。
    常に絵コンテを読み込み、外にいるときも、ふとした瞬間に『君たちはどう生きるか』のことを考えたそうです。

    さまざまな葛藤や不安に駆られ、自分自身の感情に蓋をしてしまう主人公・牧眞人。
    その蓋の中身が楽曲に落とし込まれました。

    ◆「地球儀」がモチーフになった理由

    米津玄師は、『崖の上のポニョ』の制作過程で宮崎駿が地球儀のうえにさまざまな土地の絵を描いていく様子を印象的だと感じており、『君たちはどう生きるか』の主題歌制作に絡めることにしました。

    『君たちはどう生きるか』の作品そのものと『崖の上のポニョ』に共通項はないものの、地球儀のうえに何かを生み出していく様子から、世界を作り上げている空気を感じた米津玄師。
    それが宮崎駿監督のアニメーション制作の本質ではないかと思い、直感的な理由で”地球儀”をモチーフにして楽曲制作をすることを決意します。

    そこからは、地球儀を回すイメージで歌詞やリズムをつくり、世界を支配するのではなく、世界を作り出していくような音楽に仕上げました。

    ◆宮崎駿監督の反応

    宮崎駿監督は、CG以外の方法で音楽を聴く術を持ち合わせていないため、CGを焼いて対面でデモテープを聞いてもらうことになりました。
    米津玄師は、そのときの心境について、まるで死刑台に登るかのような気分だったとコメントしています。

    しかし、宮崎駿監督は、デモテープを聞いたとき、静かに涙を流したとのこと。
    米津玄師は、宮崎駿監督が歌詞カードを手に取り、感極まるような顔を見せてくれた瞬間、ともに映画と音楽という立場で一つの作品を作ることができて良かったと実感できたと話しています。

    『君たちはどう生きるか』の主題歌:映画とのつながり

    米津玄師
    出典:公式サイト
    米津玄師

    『君たちはどう生きるか』を観た後にエンドロールで流れる主題歌「地球儀」を聞くと、『君たちはどう生きるか』のストーリーと「地球儀」の歌詞が強く絡み合っていることがわかります。

    例えば、2番の歌詞に登場する以下の歌詞は、牧眞人が亡き母親に向けた言葉として理解することができます。

    僕が愛したあの人は、誰も知らないところへ行った
    あの日のままの優しい顔で、今もどこか遠く

    まだまだ幼い眞人にとって母親という存在は、とてつもなく大きいものであったことに違いありません。
    母親との永遠の別れを受け入れられずにいるなか、アオサギと別の世界を旅して、幼い頃の母親と対峙することで、喪失感を推進力に変えて生きていく力を見出します。

    すべての冒険を終えたあとも、眞人が母のことを忘れることなく愛し、心の中で大切にして自分の人生を生きていくであろう希望が、「地球儀」の歌詞から読み取れます。

    ▼『君たちはどう生きるか』のストーリーはこちら
    【ネタバレあり】ジブリ映画『君たちはどう生きるか』のあらすじまとめ!最終シーンの考察まとめ

    『君たちはどう生きるか』の主題歌:米津玄師とジブリとの関係

    米津玄師
    出典:公式サイト
    米津玄師

    米津玄師といえば、「Lemon」で大ヒットを記録して以来、老若男女の心に響く歌詞とリズム、独特の声質で多くのファンを獲得しています。
    2018年には子ども向けの楽曲「Papurika」をリリースし、小学校の音楽クラスで歌われるほど、歌とダンスが一緒に大流行したことを記憶している方も多いでしょう。

    振れ幅の大きい音楽センスが光る米津玄師ですが、宮崎駿監督によるジブリ作品にたくさん触れてきたことが自身の音楽活動に大きな影響を与えていると話しています。
    実際に過去のインタビューやラジオ番組で、米津玄師がジブリについて触れている発言をみていきましょう。

    映画『千と千尋の神隠し』との出会い 

    米津玄師は、小学校5年生ごろに初めて『千と千尋の神隠し』を見て、強烈なインパクトを植え付けられたと話します。

    『千と千尋の神隠し』といえば、宮崎駿監督そしてスタジオジブリを代表する作品であり、煌びやかな映像美、奇想天外なキャラクターがたくさん登場します。
    ド派手な映像に劣らず、臨場感あふれる音楽も魅力の一つです。

    米津玄師は、『千と千尋の神隠し』をきっかけにたくさんのドキュメンタリー番組や書籍を読み漁り、宮崎駿監督という人物像を探りました。
    そのときに得た衝撃や感覚、センスの一部が、自身の音楽制作にも影響を及ぼしていると考えているとのことです。

    漫画『風の谷のナウシカ』の創作の好きな部分 

    米津玄師は、数あるスタジオジブリ作品の中でも『風の谷のナウシカ』の原作漫画に登場するナウシカと墓場の王との会話が好きと話します。
    映画『風の谷のナウシカ』は、もともと宮崎駿監督がすべて手書きで作り上げた漫画を原作としており、映画版と原作漫画版ではストーリーの内容が若干異なります。

    王様「お前は闇だ」
    ナウシカ「違う、私たちは闇の中を瞬く光だ」

    米津玄師はこのセリフに触れて、闇も光も両方持ち合わせ、両方を同じだけ表現しなければリアルになり得ないことに気付きます。

    米津玄師の音楽といえば、悲壮的に感じたり、希望に満ち溢れていたり、さまざまな世界観を確立し、ときに交わりにくい複合的な世界観が絡み合っているのが魅力です。
    矛盾しているようで、光と闇(ポジティブとネガティブ)を融合させる感性が磨かれているからこそ多くの人に聞かれる音楽として昇華されているのでしょう。

    『君たちはどう生きるか』の主題歌:地球儀のジャケット写真

    地球儀
    出典:公式サイト
    地球儀

    『君たちはどう生きるか』の主題歌「地球儀」のジャケット写真は、男の人が机に向かっている様子が描かれたイラストです。

    『君たちはどう生きるか』を鑑賞済みの方はピンと来ると思いますが、この男性の後ろ姿は主人公の牧眞人です。
    牧眞人は、戦争による母親の死、父親の再婚、異母兄弟の知らせなど、目まぐるしく変化する自身の境遇に戸惑う中、不思議な体験を通して成長します。

    ジャケット写真に採用されたワンシーンは、東京から郊外へと避難した屋敷で、母親から贈られた一冊の本を夢中に読む様子です。
    「地球儀」を制作するうえで、絵コンテを読み込んだ米津玄師が、宮崎駿監督に直々にお願いをして決定したジャケット写真であることが明かされています。

    まとめ

    この記事では、『君たちはどう生きるか』の主題歌である「地球儀」について解説しました。

    「地球儀」の制作をした米津玄師は、幼少期からスタジオジブリや宮崎駿監督の作品に触れる機会が多く、自身の音楽制作にも大きな影響を受けたと明かしています。
    そんな米津玄師とスタジオジブリとの関係について知った後に「地球儀」を聴いたら、これまでとは違う聴き方ができるかもしれませんね。

    ▼映画『君たちはどう生きるか』情報
    あらすじ(ネタバレあり)
    声優一覧

    ジブリ映画『君たちはどう生きるか』の主題歌は米津玄師の「地球儀」!曲の誕生秘話を解説

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