ジブリの新作『君たちはどう生きるか』はプロモーションも予告編もなし!プロモーションを一切行わない理由を解説
2023年7月14日(金)から宮崎駿監督によるジブリ映画最新作『君たちはどう生きるか』が公開されます。公開日まで1ヶ月を切っても予告編動画が公開されず、ポスターが1枚だけ発表されている状況です。鈴木敏夫プロデューサーは、「今回はプロモーションを行わない」と言及しているのですが、なぜでしょう?この記事では、『君たちはどう生きるか』のプロモーションがない理由を解説します。
こんにちは、Reneです。
宮崎駿監督によるスタジオジブリの新作映画『君たちはどう生きるか』が、約10年の制作期間を経て、2023年7月14日(金)に公開されます。
しかし、この『君たちはどう生きるか』については、プロモーションに異変が!!
これまでのジブリ映画では大々的にプロモーションが行われてきました。
しかし、『君たちはどう生きるか』では、映画タイトルと鳥のような摩訶不思議な見た目をした生き物が描かれた1枚のポスターが明かされただけ。
予告編動画もなければ、メディアを活用した大々的なプロモーション活動も行われていません。
この記事では、公開まで1ヶ月を切ったタイミングでも、いまだに『君たちはどう生きるか』のプロモーション活動が行われていない理由について解説します。
・『君たちはどう生きるか』のプロモーションを行わない理由は?
- 映画館に足を運ぶ人が減っている現状
- スタジオジブリは映画ファンを映画館に引き戻そうとしている
- “プロモーションをしない”というプロモーションはジブリにしかできない?
『君たちはどう生きるか』の予告編動画はない!
『君たちはどう生きるか』の予告編動画は公開されません。
通常、新作映画の公開が決まると、公開日の1〜2ヶ月前のタイミングで1分30秒ほどの短い予告編動画が公開されます。
このタイミングで、キャストの詳細がわかったり、作品の世界観、映画ジャンルなどが推測できるため、「映画館に見に行くか行かないか」を検討する上での大きな要素になります。
予告編動画は、テレビCM以外にネット広告としてTwitterやInstagram、YouTubeに表示されるため、たくさんの人に映画を見てもらうために必要不可欠な過程と言えるでしょう。
ビッグバゲットの映画のみに関わらず、インディーズ映画や自主制作映画でも、予告編動画は、当たり前に作られています。
それでもスタジオジブリが予告動画を制作しないと決めたのは、具体的な方針があるからでした。
『君たちはどう生きるか』のプロモーションを行わない理由は?
スタジオジブリが新作映画『君たちはどう生きるか』のプロモーション活動を行わない理由については、鈴木敏夫プロデューサーが説明しています。
鈴木敏夫プロデューサーによれば、「スタジオジブリは、これまでたくさんの映画を制作し、たくさんの人に見に来てもらいたいと考えていました。そのために、さまざまなことをしてきました。しかし、今回はその必要はないのではないかと考えたのです。」とのこと。
さらに、「今までと同じことを繰り返し続けていると、どうしても飽きてしまいます。だからこそ、違うことをしたかった。」と説明しました。
映画館に足を運ぶ人が減っている現状
近年では、Netflix、U-NEXT、Amazonプライムビデオのようにサブスクリプションの動画配信サービスの人気が高まり続けています。
劇場で1本の映画を見るより、動画配信サービスに加入して支払う月額料金の方が安いため、徐々に映画館離れが進んでいるのが現状です。
実際に、皆さんも、予告編動画を見て、「この映画は、配信されるのを待って見ようかな」と考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
SF映画やアクション映画など、大きなスクリーンで見ることに価値があると感じれば、映画館に足を運ぶでしょう。
一方、ヒューマンドラマ映画やコメディ映画のように臨場感が足りなくても満足できる作品は、少し待って配信されてから安価に見たい人も多いでしょう。
このような映画館離れが、映画産業そのものの衰退につながっている状況です。
スタジオジブリは映画ファンを映画館に引き戻そうとしている
そんな中、スタジオジブリは、現代映画の公開では珍しい「プロモーションを一切行わない作戦」を実行しました。
鈴木敏夫プロデューサーは、「『君たちはどう生きるか』と同時期に公開される海外映画があります。その映画では予告編が3本製作されているのです。すでに1本公開されていて、これから公開日に合わせて2本目、3本目と公開されます。しかし、予告編を3本も見てしまえば、映画で起こることが全部わかってしまうのです。映画ファンは、このやり方をどう捉えるでしょうか。」と問いかけます。
現代では当たり前となっている新作映画のプロモーションそのものに疑問を投げかけたのです。
さらに「予告編を全部見た結果、実際に映画館へ足を運ぶ必要はないと思う人もいるでしょう。だからこそ、私は逆を行きたかったのです。」と述べました。
映画館に足を運ぶ人の数が減っている状況に対して、過剰なプロモーションや予告動画の公開で対応することは、映画館に来なくなった人たちをさらに映画館から遠ざけることにつながると警鐘を鳴らしているのです。
“プロモーションをしない”というプロモーションはジブリにしかできない?
ネットが消費者行動に大きな影響を与えるようになった現代で、プロモーションをせずに新作映画でヒットを狙うのは困難です。
スタジオジブリは、歴史が長く、宮崎駿監督という巨匠が82歳という年齢で作り上げた超大作であるからこそ、プロモーションなしでも新作映画に注目が集まります。
そのため、他の映画が『君たちはどう生きるか』のように、プロモーションなしで新作映画を公開しても、うまく集客できるとは考え難いです。
とはいえ、時代を振り返ってみると、インターネットが普及する前の時代では、人々は、ポスター1枚から見たい映画を選んでいました。
確かに、ポスターから得られる情報は、映像と音のある1分30秒の予告動画から得られる情報の1,000分の1もないでしょう。
それでも、映画制作陣は、自分たちの作った映画を見てもらおうと1枚のポスターに魂を込めて、たった一つのキャッチコピーで売り出していました。
スタジオジブリは、一貫して「生きろ」をキャッチコピーにして、生命の尊さ、生きることの苦しみと喜び、存在意義について描いてきました。
『君たちはどう生きるか』では、ポスターにキャッチコピーがないものの、タイトルそのものがキャッチコピーになり得る力強さがあります。
宮崎駿監督は、「歳を重ねるごとに映画制作に要する時間が長くなっている」と話したことがありました。
2013年に公開した『風立ちぬ』からちょうど10年経った2023年に公開される『君たちはどう生きるか』は、宮崎駿監督による最後の長編アニメーション映画になるかもしれません。
そういったバックグラウンドを含めて、「プロモーションをしない」と強気の姿勢で新作映画の公開に挑むスタジオジブリからは、作品に対する熱量を感じられます。
まとめ
この記事ではジブリの新作映画『君たちはどう生きるか』の予告動画が公開されない理由、プロモーションを一切行わない理由について解説しました。
プロモーションは行われていませんが、ポスターは公開されていて、各劇場でも大きなポスターが展示されています。
また、ジブリパークが開設されたり、スタジオジブリに関するイベントや展示会も行われていて、公開を待ち望んでいるファンも多いでしょう。
2023年7月14日(金)、待望の宮崎駿監督による新作映画『君たちはどう生きるか』をぜひ劇場でご覧ください。
▼『君たちはどう生きるか』の最新情報
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