『高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの』2023年の巡回予定・チケット情報まとめ
コロナ禍により一時的に巡回が止まっていた『高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの』が2023年7月より再開します。すでに東京、福岡、岡山など日本各所で巡回していましたが、2023年は三重県からスタートです。この記事では、『高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの』の開催概要、巡回予定地、チケット、見どころをまとめています。
こんにちは、Reneです。
『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』などのアニメーション映画で知られる高畑勲監督は、宮崎駿監督と並んでスタジオジブリの顔として注目されていました。
高畑勲監督がアニメ界・映画界に与えた影響は計り知れません。
2013年に惜しくも他界した高畑勲監督ですが、展示会やアニメーション映画の放送によってたびたび話題になっています。
高畑勲監督に関する展示は数多くありますが、本展示は、アニメーション制作について「演出」に着目して、未公開資料と一緒に深掘りします。
コロナ禍によって一時的に巡回がストップしていたのですが、ついに巡回が再開されるとのことで、会場に足を運べる方は、ぜひご観覧ください。
- ◆開催場所(三重会場)
- ◆開催期間(三重会場)
- ◆チケット料金(三重会場)
・高畑勲展:巡回予定地
- ◆岩手県
- ◆静岡県
・高畑勲展:見どころ
- 1章:アニメーション映画への情熱
- 2章:アニメーションの新たな表現領域を開拓
- 3章:過去と現在の対話
- 4章:新たなアニメーションへの挑戦
高畑勲展:開催概要
『高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの』は、アニメーション映画監督である高畑勲(1935〜2018)の想像の軌跡を辿る展示会です。
現在の伊勢市に生まれ、幼少期を津市で過ごした高畑勲監督は、いつの時代にも共通する普遍的なテーマを模索し、古さを感じさせない表現方法を徹底的に追求しました。
アニメーション界への影響力も計り知れませんが、どこか独創的で後継アニメーターたちの作品とも一線を画すのはなぜか、「演出」に着目して世界観の秘密を探ります。
◆開催場所(三重会場)
『高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの』は、三重県総合博物館で開催されます。
当日は、混雑が予想されるため公共交通機関の利用を推奨します。
◆開催期間(三重会場)
『高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの』の三重県展示は、2023年7月8日(土)〜2023年9月18日(月・祝)までです。
休館日は、毎週月曜(7月17日・9月18日は開館)、7月18日(火)予定です。
◆チケット料金(三重会場)
『高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの』の観覧料は、次のとおりです。
区分 | 料金(税込) | 団体料金(税込) |
---|---|---|
一般 | 1,600円 | 1,400円 |
学生(大学生・各種専門学校等) | 1,000円 | 800円 |
小・中・高校生 | 500円 | 300円 |
未就学児 | 無料 | 無料 |
※団体料金は、20名以上で利用可能
高畑勲展:巡回予定地
2023年は上で紹介した三重会場のほかに、岩手県、静岡県を巡回予定です。
開催概要でお伝えした三重県以外の予定地について、2023年4月時点で発表されている情報をまとめてご紹介します。
◆岩手県
2023年9月30日(土)〜2023年12月17日(日)までの期間で、岩手県立美術館を巡回予定です。
所在地 | 〒020-0866岩手県盛岡市本宮字松幅12-3 |
---|---|
開館時間 | 9:30〜18:00(入館は17:30まで) |
電話 | 019-658-1711 |
休館日 | ・月曜日(ただし月曜日が祝日、振替休日の場合は開館し、直後の平日に休館) ・年末年始(12月29日から1月3日まで) |
チケット情報など詳しい情報は、これから発表予定です。
◆静岡県
2023年12月27日(水)〜2024年3月31日(日)までの期間で、静岡市美術館を巡回予定です。
所在地 | 〒420-0852 静岡県静岡市葵区紺屋町17-1葵タワー3階 |
---|---|
開館時間 | 10:00~19:00(展示室入場は閉館30分前まで) |
電話 | 054-273-1515(代表) |
休館日 | ・月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館) ・年末年始 |
チケット情報など詳しい情報は、これから発表予定です。
高畑勲展:見どころ
最後に『高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの』の見どころを4つに分けて見ていきましょう。
スタジオジブリ作品の貴重な制作資料も公開されますよ。
1章:アニメーション映画への情熱
1959年に東映動画(現在の東映アニメーション)に入社した高畑勲監督は、アニメーション演出家になるために制作に携わり始めます。
本展では、東映時代に演出助手時代に制作した絵コンテを展示しながら、高畑勲監督の演出方法について徹底分析しました。
すると、新人とは思えぬ卓越した技術とセンスが伺えます。
さらに、劇場向けの長編映画に初めて演出監督して抜擢された『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968)では、集団制作の方法、複雑な作品世界の構築に焦点をあてます。
『太陽の王子 ホルスの大冒険』は、日本のアニメーション映画において画期的な作品であったと言われている理由はなんだったのでしょうか。
2章:アニメーションの新たな表現領域を開拓
本展では、高畑勲監督自らが手がけた貴重な絵コンテが惜しみなく公開されています。
投影動画を退社した高畑勲監督は、『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』『赤毛のアン』などの名作シリーズの製作で新境地に進みます。
毎週1話ずつ完成させなければならない制作は、アニメーション制作者にとって大きなストレスになったことでしょう。
それでも、高畑勲監督が手がける名作シリーズは、時間的制約を一切感じさせあい表現の工夫、衣食住の自然なやりとりが描かれていました。
3章:過去と現在の対話
名作シリーズを手がけた後は、『じゃりン子チエ』『セロ弾きのゴーシュ』をてがけ、徐々に日本を舞台にした作品作りに精を出します。
日本風土や日本庶民の素朴な生活をリアルに描き、温かみのあるアニメーションを数多く輩出しました。
そして、1985年にスタジオジブリのアニメーション映画監督して『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』の制作をしました。
これらの作品は、日本の現代史に注目した作品群に結実し、世界的にも高く評価されています。
高畑勲監督は、「日本人が日本のアニメーションを作る、とはどういうことか、いつも考えていました」と語ります。
戦争や土地開発など、日本の歴史や問題をどのようにみて、どのようにアニメーションへ昇華したかを絵コンテともに感じ取ることができるでしょう。
4章:新たなアニメーションへの挑戦
高畑勲監督は、多くのキャリアを積み、高く評価されたアニメーション監督でありながら、歳を重ねてもなお、表現形式への探究心が留まることはありませんでした。
1990年代には、絵巻物研究に没頭し、人物と背景が一体化した新しいアニメーションの表現方法を確率します。
デジタル技術を利用して、手書きの線を生かしつつ、水彩画風の描法に挑戦し、一般的なアニメーションでは感じられない儚さを演出しました。
のちに高畑勲監督の遺作となる『かぐや姫の物語』の、線の途切れ、肥痩、塗り残しなど味のある絵コンテが直接みられます。
まとめ
この記事では、『高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの』について解説しました。
コロナ禍によってしばらく巡回が停止していたものの、2023年には再開されるとのことで、待ち望んでいたジブリファンも多いでしょう。
スタジオジブリに関連する展示は、東京、大阪、福岡など主要都市で開催されることが多いですが、『高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの』は、地方も巡回中です。
三重県、岩手県、静岡県に在住の方は、ぜひこの機会に訪れてみてください。
キャステルの記事に テーマパークの最新情報をお届けします |