【ジブリ映画】『紅の豚』主人公ポルコの謎を解明!モデルは宮崎駿?タバコの銘柄は?豚になった理由とその後
1992年公開の長編アニメーション『紅の豚』は、宮崎駿が中年の豚を主人公にして描いたロマン溢れるアクション&ヒューマンドラマ映画です。「飛ばねえ豚はただの豚だ」の名セリフが有名ですが、スタジオジブリの作品の中では、ちょっぴり異質な作品となっています。この記事では、自らを豚の姿に変えた主人公ポルコついて解説していきます。
こんにちは、Reneです。
今回は映画『紅の豚』の主人公・ポルコについて徹底解説します。
『紅の豚」に登場する主人公のポルコとえいば、ひげを生やして、サングラスとトレンチコートでバッチリ決め込み、豚なのにかっこいい...と魅力的なキャラクターです。
しかし、なぜ豚になったのか、ジーナとの関係、人間に戻れたのかなど、多くの謎がある人物です。
ということで、知ればもっと『紅の豚』の良さが分かるポルコにまつわるいくつかの謎について深掘りしていきます!
・『紅の豚』のポルコ:プロフィール
・『紅の豚』ポルコの謎①:なぜポルコは豚になったのか
・『紅の豚』ポルコの謎②:モデルとなった人物は、宮崎駿?
・『紅の豚』ポルコの謎③:宮崎駿監督はなぜ豚を主人公にしたのか
・『紅の豚』ポルコの謎:ポルコは人間に戻ったのか
『紅の豚』あらすじ
まずは物語のあらすじを簡単にご紹介します。
舞台は、1920年代末期のイタリアとバルカンの狭間・アドリア海。
第一次世界大戦でイタリア機軍飛行隊のエースとして名を馳せたマルコ・パゴットは、戦争を続ける人間社会に不満を募らせ、「ポルコ・ロッソ」と名乗り、自らに魔法をかけて豚へと姿を変えて暮らすことに。
不景気により職をなくした人々による空賊隣観光船を襲っては日銭を稼ぐ悪行が横行している世の中で、ポルコは、愛機である深紅のサボイアS-21に乗り、空賊退治をして賞金稼ぎをしていました。
ある日、空賊連合の悪行から女性を救ったポルコは旧友であるジーナの元を訪れた際に、空賊連合がポルコ打倒の助っ人としてアメリカ人のドナルド・カーチスを雇ったという話を耳にします。
イタリア艇を負かした高速艇・カーチスR3C-0で、愛機の整備に向かう道中を襲撃されたポルコは、どうにかミラノまで逃亡し、助けを求めてピッコロ社を訪れるのですが...
『紅の豚』のポルコ:プロフィール
主人公ポルコは、口髭、サングラス、トレンチコートがトレードマークのキャラクター。
本名は「マルコ・パゴット」で、第一次世界大戦中にイタリア海軍飛行隊のエースとして活躍していました。
映画の中では36歳という設定になっています。
その後、戦争反対派のマルコは自身を「ポルコ・ロッソ」と改名。
自らに魔法をかけて豚の姿になって、観光船を襲う空賊たちを退治しては賞金を得て暮らしていました。
空賊退治はするものの、戦争反対という信念を持つマルコは、絶対に殺さないという掟を持っています。
ポルコの乗る愛機は、真紅色をしたサボイアS-21。
尾翼に描かれたマークは、ポルコの故郷・ジェノバ市の市章から由来しており、その上にある「R」は、ROSSOと共和主義者(Rupubbicano)のイニシャルとなっています。
愛煙家であるポルコが吸っているタバコの銘柄は、フランス産の「ジタン」で、ルパン三世が吸っているものと同じです。
◆声優は?
ポルコの声優を務めたのは、1923年7月26日生まれの俳優、ナレーター・森山周一郎さん。
1970年代に放送されたアメリカのテレビドラマ『刑事コジャック』のファンであった宮崎駿監督が、同作で主役のテリー・サバラスの吹替えを担当した森山周一郎の渋みのある声質を高く評価し、キャスティングに至っています。
ちなみに、フランス語版でポルコ役を演じたのは、映画『レオン』でポルコ同様に黒サングラスがトレードマークの殺し屋を演じた俳優のジャン・レノ氏です。
ジャン・レノ氏の起用については、映画『グラン・ブルー』を鑑賞以来、ジャン・レノのファンとなった宮崎駿は、大満足だったそう。
ポルコ役に抜擢されたジャン・レノ氏は、「豚であることは僕にとって問題ではなかった。音楽が良くて、一部はカセットに入れて車で聞いている」とインタビューに答えています。
『紅の豚』ポルコの謎①:なぜポルコは豚になったのか
時に人を罵る言葉として使われる豚になりたいと思う人はあまりいないはず。
それでもなぜ、ポルコは自ら魔法をかけて「豚」になることを決めたのでしょうか。
その理由について、ポルコは旧友ジーナにも自らの口から明かすことはありませんが、ストーリーが展開されていく中で徐々に明らかになっていきます。
第一次世界大戦でイタリアの「空の英雄」として人々から讃えられていたポルコでしたが、敵陣に襲撃された際に、自分の命だけを惜しみ、必死で逃げたことがありました。
その際に、戦友を見殺しにしてしまった過去を恥じて悔やみ、自責の念から抜け出せずにいるポルコ。
その戦友こそ、3度の結婚をした旧友ジーナの1番初めの夫・ベルリーニだったのです。
ジーナへの淡い恋心を抱くポルコは、人間の姿でいるべきではないと考え、豚になったのではないでしょうか。
『紅の豚』ポルコの謎②:モデルとなった人物は、宮崎駿?
昔から中性的な魅力を持った少女を主人公にして作品を作ることが多かった宮崎駿監督が、「人間から豚になった中年男」を主人公にしたことで、話題を集めた『紅の豚』。
ポルコのモデルは、宮崎駿監督本人がモデルなのではないかと言われています。
宮崎駿監督は、豚の姿をした自画像を公開していたり、空を飛ぶことへの強い憧れを幼少期から抱いていたと明かしています。
そういったエピソードから、ポルコは宮崎駿監督自身の憧れを投影しているのではないかと言われています。
『紅の豚』ポルコの謎③:宮崎駿監督はなぜ豚を主人公にしたのか
宮崎駿監督は、「どうして豚が空を飛ぶかと聞かれると困るけど、僕は豚が好きなんです。豚は、人に尊敬される形じゃないけど、僕は好きだな」
「今の日本の男たちは、豚ですよ。ダイエットしても、ダイエットした豚にすぎない。」とインタビューで答えています。
それに加えて、豚がかっこよく見えることについては、「理想を失った現実主義者は嫌い。しんどいけれど歩み続けるしかない中で、陰々滅々と進むのか、とりあえず元気を出して生きるかということ。要するに豚は、苦々しさの象徴。苦しさを抱えながらもバカ炉やろうじゃないかということ」と話しました。
中年男のロマンが詰まった作品と認識されがちな『紅の豚』には、やっぱり「生きる」というジブリの神髄があることが分かります。
「現実から目を背けてはいけないけれど、肩の力を抜いて楽観的に生きよう」といったニュアンスでしょうか。
「まず、豚になることからはじめよ!」というキャッチフレーズは、クリエーターとしてピンピンしている宮崎駿監督から、冴えない日本のおじさんたちへのユーモラスなエールと取れそうですね。
『紅の豚』ポルコの謎:ポルコは人間に戻ったのか
カーチスとの対戦に勝利したポルコは、人間に戻ったのか、豚の姿のままだったのか、想像力だけが掻き立てられはっきりとした答えが出ていないクライマックス。
もしも、フィオの口付けによって魔法が解けて人間の姿に戻ったとすれば、それはおとぎ話ように素敵な結末です。
しかし、本作の解説によるとポルコはジーナの4番目の夫になったとされています。
一方で、終盤にカーチスが「顔を見せろ」というセリフがあり、そこからも人間の素顔を取り戻したのかもしれないと推測することができます。
キスが目覚めの合図となる『白雪姫』、キスで魔法が解ける『かえるの王様』などの王道ストーリーがある反面、キスしても人間の姿に戻らない『シュレック』など、キスが物語の重要な鍵となる作品は数多く存在します。
明言されていないからこそ、自由な解釈ができて面白いです。
まとめ
この記事では映画『紅の豚』の主人公・ポルコについて解説しました。
興味のある方は、外国語の吹き替え版を鑑賞してみたり、ポルコの謎を理解した上で再鑑賞してみると、新たな発見があるかもしれません。
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