【ジブリ映画】『風立ちぬ』を徹底解説!あらすじ、主要キャラと声優、原作、魅力(トリビア)まとめ!
ジブリ映画『風立ちぬ』を徹底解説!あらすじ、主要キャラと声優、トリビア、公開年、興行収入についてご紹介します。震災、疫病、戦争が重なり、生きるのに厳しい時代に、飛行機づくりを夢見たひとりの青年の半生を描いた戦争/ロマンス映画。宮崎駿が引退宣言をして誕生した『風立ちぬ』について、多角的に読み解いていきます!
こんにちは、Reneです。
今回は、ジブリ映画『風立ちぬ』を丸ごと徹底解説します!
世界中から注目を集めるアニメーション界の重鎮・宮崎駿が引退を宣言して制作した『風立ちぬ』とは、ジブリ映画の中でも異質な作品として仕上がっています。
珍しく主人公が男性である上、神様や魔女が登場するファンタジー要素はなく、度々話題になる「ジブリ飯」もほとんど登場せず。
子どもが見るとちょっぴり退屈してしまいそうな大人向けな作品と言えますが、底無しの魅力があります。
それでは、あらすじはもちろん、キャラクターや声優、原作、トリビアなど様々なトピックから『風立ちぬ』を読み解いていきましょう!
- 受賞歴と海外での評価
- テレビ放送履歴
・風立ちぬ:あらすじ
- 少年の夢と伝説の飛行機技師・カプローニ
- 菜穂子との再会
- 堀越二郎の迎える運命
・風立ちぬ:主要キャラクターと声優
- 堀越二郎(声優:庵野秀明)
- 里見菜穂子(声優:瀧本美織)
- カプローニ(声優:野村萬斎)
・風立ちぬ:原作情報
・風立ちぬ:【ネタバレあり】トリビア
- ①効果音を人の声で演出
- ②宮崎駿の友人が特別出演している
- ③菜穂子の最後のセリフ
風立ちぬ:作品概要
ジブリ映画『風立ちぬ』は、2013年7月20日に公開されました。
堀辰雄の中編小説『風立ちぬ』に描かれたゼロ戦を設計した実在する飛行機技師・堀越二郎の半生をベースに、文学者・堀辰雄の精髄が盛りこまれ脚色されました。
キャッチコピーは、「生きねば。」で、この言葉は宮崎駿による漫画『風の谷のナウシカ』の最後のコマに登場している言葉でもあります。
苦境の中でも生きることを選んだナウシカと数々の厄災に見舞われた時代で生きる二郎には、通ずるものがあります。
受賞歴と海外での評価
『風立ちぬ』はスタジオジブリの新作/宮崎駿監督の引退作品ということもあって注目を集め、日本では映画観客動員ランキングで初登場1位を記録しています。
興行収入は120.2億円です。
また映画賞でも多くの賞を獲得していますよ。
主要な映画賞での受賞・ノミネート記録は次の通りです。
海外では、2013年にアメリカ・ロサンゼルスで短期間上映、翌年2014年にフランス、アメリカ全土で公開されています。
観客動員数としては、あまり多くなかったものの、フランスの映画雑誌「カイエ・デュ・シネマ」で2014年のベスト映画5位にランクインしているほどの高い注目を集めました。
テレビ放送履歴
劇場上映から、2回のテレビ放送がありました。
全てが「金曜ロードSHOW!」での放送となっています。
2021年8月27日には3回目のテレビ放送が予定されていますよ!
風立ちぬ:あらすじ
では『風立ちぬ』のあらすじをご紹介します。
後半は物語のエンディングに関するネタバレがありますので、未見の方はご注意くださいね!
少年の夢と伝説の飛行機技師・カプローニ
近眼であったため、パイロットの夢を諦めた主人公・堀越二郎。
イタリアの飛行機設計技師・カプローニの飛行機に乗せてもらう夢を見た時、カプローニが飛行機を操縦できないことを知ります。
そして、彼への憧れとともに、海外と比べると大きく遅れをとっていた日本の飛行機をより良いものにするため、飛行機設計士を目指す事に。
それから大学入学して間もなく、帰省から大学へ戻る列車の中で、関東大震災が起こり、そばにいた足の悪い年配の女性を助けてあげた二郎。
しばらくして、二郎の元に、足の悪い年配の女性と同行していた若い女性が訪ねにやってくるのですが、その時二郎は外出中であったため、入れ違いになってしまいます。
大学を卒業して、名古屋の飛行機会社に就職した二郎は、夢に見ていた飛行機設計士として働き始めるものの、次郎に舞い込んでくる以来のほとんどが戦闘機である事に、複雑な気持ちを募らせていくように。
震災の復興の目処は立たない一方で戦争へ突入していき、日本全体が貧困に苦しむ中、二郎たちは、飛行機設計の技術を上げるため、海外視察へと足を運び忙しく過ごします。
二郎の設計技術は高く評価され、ついに新型艦上戦闘機の設計主務者に就任しますが、そのプロジェクトで完成した戦闘機は、試運転でガタガタと部品がこぼれ落ち、大失敗に終わります。
菜穂子との再会
主務者としてのプロジェクトを大失敗してしまい、落ち込む二郎は、自然豊かな軽井沢で休息を取る事に。
のんびりと過ごしていると、関東大震災で二郎が助けた女性と同行していた若い女性・菜穂子と偶然の再会を果たします。
2人は、青々とした丘を歩きながら会話を弾ませ、あっという間に互いに惹かれっていきます。
それから二郎は、菜穂子の父に菜穂子との婚約を申し出ますが、そこで菜穂子が結核を患っていることを聞かされるのでした。
それでも菜穂子への想いが強かった二郎は、菜穂子と婚約をし、結核を治したら結婚をする約束を交わし、二郎は名古屋へ、菜穂子は東京へと帰っていきます。
ところがある日、仕事で忙しくしている二郎の元に、菜穂子の容態が急変したとの知らせが入っていきます。
仕事を終えて、早急に東京へ向かいベッドで寝込んでいる菜穂子に寄り添いますが、翌朝にも仕事があるため、すぐに名古屋へ戻らなくてはなりません。
少しでも二郎のそばにいられるようにと、高原の療養所へ移ることを決めた菜穂子でしたが、二郎からの手紙を読んで、これ以上治療しても治らない現実を受け入れ、治療をやめて残りの人生と二郎と暮らすことを選択します。
2人は、二郎の上司夫婦に見守られながら小さな結婚式を挙げ、晴れて夫婦となり一緒に暮らし始めるのでした。
堀越二郎の迎える運命
同じ屋根の下で暮らし始めてからも、菜穂子の容態は悪くなる一方で、二郎はついにゼロ戦を完成させます。
二郎たちの元を訪れた二郎の妹は、体調の悪い菜穂子を家に残して仕事ばかりしている二郎を責めますが、二郎は飛行機設計を続けます。
そんなある日、菜穂子は身体に限界を感じ、これ以上自分が苦しんでいる姿は見せたくないと、手紙を残して二郎と別れ、療養所へと戻っていきます。
時は流れ、第二次世界大戦を終えた日本で二郎は再び、夢の中でカプローニと会話をします。
二郎が設計したゼロ戦は一機たりとも戻ってくることはなく悲しむ次郎に、カプローニはよくやったと励ましの言葉を投げかけます。
カプローニの言葉に耳を傾けるものの、物思いにふけた様子の二郎の前に菜穂子が現れ、「あなた、生きて」と語りかけます。
菜穂子の言葉に二郎の心は大きく揺れ動き、残りの人生も強く生きねばと、菜穂子に向かって力強くうなずき、物語は幕を閉じます。
風立ちぬ:主要キャラクターと声優
では主要なキャラクターと声優を紹介します。
より詳しい声優紹介やキャスティングに関するエピソードはこちらでも紹介しています!
・【ジブリ映画】『風立ちぬ』の声優まとめ!堀越二郎を演じた庵野秀明の評判は?
堀越二郎(声優:庵野秀明)
メガネをかけて寡黙な性格の主人公・堀越二郎は、夢の中で会ったカプローニに憧れ、美しい飛行機を作る設計士を目指します。
しかし、実際に設計士になってみると戦闘機の依頼ばかりで複雑な気持ちを抱きますが、それでも好きなものを作り続ける人生を歩みます。
関東大震災で出会った菜穂子と軽井沢で再会し、不治の病に冒されていると分かった上で結婚します。
声優を担当したのはアニメーター/映画監督の庵野秀明氏です。
里見菜穂子(声優:瀧本美織)
主人公・堀越二郎と結婚するヒロインは、結核を患いながらも二郎を愛し続け、二郎の飛行機設計の仕事を応援する強く凛とした女性。
俳優の瀧本美織さんは本作が声優初挑戦でした。
カプローニ(声優:野村萬斎)
二郎が夢の中で対話する伝説のイタリア飛行機技師。
パイロットになる夢を近眼で諦めた二郎を、飛行機設計士の道を示します。
設計士のため、飛行機を操縦することはできません。
演じたのは狂言師・俳優の野村萬斎氏です。
風立ちぬ:原作情報
映画『風立ちぬ』は、堀辰雄による小説『風立ちぬ』を原作として、実在したゼロ戦の設計士・堀越二郎の半生を盛り込んだ宮崎駿オリジナルの脚本となっています。
堀辰雄の妻・矢野綾子は、結核を患い亡くなっているのですが、その当時の彼女の闘病生活の様子と、堀辰雄の心境を綴ったものが小説『風立ちぬ』でした。
主人公の恋する女性の名前に違いがあり、映画版では「菜穂子」となっていますが、原作小説では「節子」と名づけられています。
「菜穂子」という名前は、堀辰雄が後に出版した妻の話を綴った小説『菜穂子』が元になっています。
つまり、堀越二郎は実在しますが、堀越二郎についての伝記物語ではないのです。
宮崎駿は、本作の企画にあたって、堀越二郎の親族に了承を得たそう。
映画を観てから原作小説を読むと、内容が大きく異なるため混乱してしまうかもしれませんので、色々な人物のストーリーが織り交ぜられて完成していることを知っておく必要がありそうですね。
風立ちぬ:【ネタバレあり】トリビア
それでは最後に、『風立ちぬ』に関するトリビアをご紹介します。
知ってから映画をもう一度見直すときっとより面白さが増しますよ。
①効果音を人の声で演出
ジブリ作品は、身近な音にも強いこだわりを持っていることで有名です。
本作では、飛行機のプロペラ音、列車の蒸気、乗用車のエンジン音など、さりげない音が人の声で演出されていますが、特に意外なのが、二郎と菜穂子が出会う関東大震災の地響き。
これも人の声を使って表現されています。
キャラクターのセリフ以外の部分にも耳を傾けてみると、面白い発見がありそうですね。
②宮崎駿の友人が特別出演している
二郎が軽井沢のレストランで会話をするドイツ人・カストルプは、スタジオジブリ海外事業部取締役部長としてジブリ作品を海外に浸透させたスティーブン・アルパートがモデルとなっているそう。
宮崎駿が海外に行く際は、スティーブン・アルパートが計画を立てるなど、ビジネスパートナー以上の友情を育んでいたのですが、アルパート氏は2011年に家庭の事情でアメリカへ戻らなくてはいけなくなり、スタジオジブリを退社しています。
その際、宮崎駿は、記念品として似顔絵を描こうとしますが、なかなか思い通りにいかず、スティーブン・アルパートの帰国日までに完成させることができませんでした。
その後、映画のキャラクターとして登場させることに決め、スティーブン・アルパートは、カストルプの声優の仕事をするためだけに後日来日しています。
③菜穂子の最後のセリフ
第二次世界大戦を終えて、菜穂子は亡くなり、自分の設計した戦闘機が一機も戻ってこなかった事に悲しむ二郎は、夢の中でカプローニと菜穂子に会います。
そこで、菜穂子は二郎に「あなた、生きて」と語りかけ、その言葉に二郎は生きねばと心に決める感動的で宮崎駿が伝えたかった熱い思いが感じられるワンシーンです。
しかし、この「あなた、生きて」の場面は、元々「あなた、来て」と菜穂子が言い、二郎を迎え入れるものだったそう。
制作当初、宮崎駿は、亡くなった二郎の元にカプローニと菜穂子がやってくる演出を考えていたようですが、プロデューサー・鈴木敏夫の説得により「あなた、生きて」という言葉に書き換えられています。
二郎が若くして亡くなってしまうのか、はたまた二郎が残りの長い人生を歩み終えた何十年も先送りして菜穂子と再会するのか、宮崎駿が考えていたシナリオはわかりませんが、「生きて」と「来て」では異なる意味を持っているので、結末の捉え方も大きく変わってきますよね。
まとめ
宮崎駿による大人気アニメーション映画「風立ちぬ」についての基本情報をご紹介しました。
知れば知るほど、新たな発見がある不朽の名作、ぜひ鑑賞してみてください!
キャステルの記事に テーマパークの最新情報をお届けします |