【ジブリ】『耳をすませば』ネタバレあり・あらすじ解説!アニメ化決定の秘話や『猫の恩返し』との関係も
1995年公開のジブリ映画『耳をすませば』のあらすじをネタバレありで解説!近藤喜文監督が手掛けた長編アニメーション『耳をすませば』は、読書が好きな少女とバイオリン職人を目指す青年の間で芽生える恋心を思春期の複雑な感情と共に描いた青春物語です。この記事では結末まで含めたあらすじや原作がアニメ化に至った経緯、そして『猫の恩返し』との関係について紹介していきます。
こんにちは、Reneです。
今回は1995年公開のジブリ映画『耳をすませば』のあらすじをご紹介します。
長編アニメーション『耳をすませば』といえば、魔法ファンタジーや戦争、環境問題を風刺した作品が多いスタジオジブリの中でも珍しい純愛物語です。
のちに『猫の恩返し』(2002年公開)で活躍するバロンが登場していたり、主人公の初恋相手・聖司がジブリキャラクターの中でも人気が高かったりと、根強い人気を誇る作品でもあります。
原作となった柊あおいの少女漫画は、当時あまり人気がなくたった4回で連載が終了してしまった作品です。
しかし、どうやってスタジオジブリの目に留まったのでしょうか。
それには宮崎駿のある親族が関係していたのです。
本作がアニメーションとして誕生した秘話も一緒にご紹介していきます。
耳をすませば:あらすじ
それでは、『耳をすませば』のあらすじをネタバレありでご紹介します。
後半には物語のネタバレも含まれますのでご注意くださいね。
◆雫、初恋の予感
主人公の月島雫は、高校受験が迫る中学3年生。
周りが揃いも揃って勉強に精を出す夏休み、雫はひとり勉強そっちのけで図書館で本を読みあさっていました。
そんなある日、雫が借りる本のほとんどの貸し出しカードに書かれた「天沢誠司」の名前が目に留まり、顔も知らない誰かに興味を抱きます。
翌日、学校のベンチで雫は親友の原田夕子に自分で日本語訳した「カントリー・ロード」を披露し、夕子から大絶賛されます。
ついでに作ったカントリー・ロードの替え歌「コンクリート・ロード」を披露し、笑いに包まれます。
帰り道、ベンチに図書館で借りた本を忘れてきてしまったことに気づいた雫は、夕子と別れひとりで学校へ戻ります。
するとひとりの少年がベンチに座り雫の借りた本を読んでいました。
少年は、「ほらよ、月島雫」と初めてあったのに雫の名前を呼び本を返します。
驚いている雫に向かって「コンクリート・ロードはやめたほうがいいよ」と嫌味な言葉を付け加え去っていくのでした。
雫の驚きは怒りへと変わり「やな奴!」と連呼しながら家へ帰っていくのでした。
◆男爵猫の人形との出会い
数日後、雫は図書館に向かう道中で出会った太っちょの猫が気になり、引き付けられるように猫の後をついていきます。
猫は「地球屋」という名のアンティークショップの前で留まり気持ちよさそうに眠り始めます。
店の前にやってきた雫は、馴染みのない店の重い扉を開けてみます。
無造作ながらもどこか整頓されたように並べられた古風な家具や楽器、置物たち。
中でも一際、雫の心を鷲掴みにしたのは、机の上に置かれた男爵猫の人形・フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵(バロン)でした。
雫に気づいた店主の西史朗は、声をかけ店内を紹介し修理が終わったばかりのからくり時計を見せてあげます。
時計から12時の合図が鳴った時、雫は図書館で働く父親にお弁当を持っていく約束をしていたことを思い出し地球屋を飛び出します。
急いで図書館へ向かっていると、先日ベンチで出会った少年が自転車に乗って雫の元へやってきます。
少年は雫が地球屋に忘れていたお父さんのお弁当箱を届けてくれたのでした。
◆天沢聖司の正体
夕子が前から想いを寄せる野球部の杉村から突然告白されてしまった雫。
思いもよらぬ告白に複雑な気持ちになり、友達としてしか見られないと応えるものの、夕子を応援していただけあって頭を抱える日々を送っていました。
雫は気分転換に地球屋を訪れることにします。
しかし地球屋は閉店しており、仕方なく雫は扉の前に丸くなって座っている太っちょ猫と戯れて帰ろうとします。
すると、ベンチで出会った青年がやってきます。
彼は、地球屋の店主の孫であり、太っちょの猫のことをムーンと呼んでいました。
青年によって店内に入れた雫はずっと気になっていた男爵猫の人形・バロンを眺めます。
しばらくバロンを眺めてから、青年が降りていった地下へ行ってみると、そこで青年はバイオリン作りに勤しんでいました。
青年がバイオリン職人になるという明確な夢を持っていると知った雫は、将来何も考えずに生きている自分と違ってすごいなと感心します。
雫のリクエストに答えて青年はカントリー・ロードを弾き、雫はバイオリンの音色に合わせて歌い始めます。
ちょうど外出先から戻った西史朗とその友達も楽器を持って2人の演奏に参加し、地球屋の地下では小さな演奏会が行われました。
演奏後、互いの自己紹介をしていると、この青年が貸し出しカードの「天沢聖司」であることが発覚します。
帰り道、聖司は雫に、中学を卒業したらバイオリン職人になるためにイタリアへ修行に出る予定だと話します。
◆雫が見つけた夢
演奏会以降、ふたりの距離はぐんぐんと近くなります。
聖司は、すでにイタリアへ2ヶ月間修行へいく予定が決まっていることや、実は雫のことを前から知っており存在に気付いてもらおうと図書館中の本を借りて図書カードに名前を記載していたこと、隣に座って本を読んだことがあることなどを話します。
聖司に感化された雫は、小説家への憧れを抱きバロンを主人公にした物語を書き始めることに。
しかし、物語の執筆作業にのめり込むほど、学校の成績は落ちていくばかり。
母からは勉強が一番大事なのではと咎められてしまします。
唯一の理解者である図書館禁トーニャ布父の応援のおかげでなんとか執筆仕上げた物語を西史朗に見せに行くと、雫が描いた物語と西史朗がバロンと出会った話が似ていることが発覚します。
西史朗は、最後まで成し遂げた雫を褒めてあげます。
雫は涙を流し嬉しい気持ちになるのでした。
◆雫と聖司
翌朝、自転車に乗った聖司が雫の家までやってきます。
2人は高台まで自転車で駆け上り朝の日の出を眺めます。
朝焼けが照りつける中、誠司はイタリア留学を終えて、立派なバイオリン職人になれた時に結婚して欲しいとプロポーズします。
雫は「嬉しい。そんな風になれたらいいなと思っていた」と優しく微笑み返します。
プロポーズにイエスをもらった聖司は舞い上がり「雫、大好きだ」と言い強く抱きしめて物語は幕を閉じるのでした。
耳をすませば:アニメーション化に至ったきっかけ
映画『耳をすませば』の原作となったのは、柊あおいさんによる少女漫画です。
少女向け雑誌「りぼん」で連載されていた同作は当時あまり人気が出なかったため、たった4ヶ月の4エピソードで連載終了してしまいました。
しかし、宮崎駿氏は姪っ子が愛読していた「りぼん」をたまたま手に取り目を通していた時『耳をすませば』と出会います。
これは映画の制作に入る5、6年前の話でした。
原作漫画の『耳をすませば』は、たった4エピソード分だけでも宮崎駿氏のクリエーター魂を射抜いたことになりますね。
おかげで雫が物語の中で書き上げた主人公・バロンを題材とする『猫の恩返し』も、2002年にスタジオジブリで映画化されています。
まとめ
この記事では、『耳をすませば』のネタバレありのあらすじをご紹介しました。
トリビアをよく理解した上で見ると、一層面白さが増すこと間違いなしです。
初見の人ももう見たことがあるという人も、ぜひ『耳をすませば』の世界に浸ってみてくださいね。
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