【ジブリ映画】『ゲド戦記』を徹底解説!あらすじ、主要キャラと声優、公開年、興行収入、キャッチフレーズまとめ!
2006年公開のスタジオジブリ映画『ゲド戦記』を徹底解説!心に闇を持つ少年・アレンと大賢人・ゲドが災いの源を探るべく世界の果てまで旅に出る冒険ファンタジー物語。『ゲド戦記』のあらすじ、主要キャラと声優、トリビア、公開年、興行収入についてご紹介します。
こんにちは、Reneです。
今回はジブリ映画『ゲド戦記』を丸ごと徹底解説します!
宮崎駿の息子である宮崎吾朗氏が、SF作家アーシュラ・K・ル=グウィンによるファンタジー作家『ゲド戦記』を元に初の監督・脚本を務め注目を集めました。
「難しい」「理屈が読めない」などの感想が多く、ジブリ映画の中でも難解映画のひとつとして知られています。
アニメーション映画の巨匠・宮崎駿を父に持つ宮崎吾朗が二世という重圧に格闘しながらも作り上げた渾身の一作に込められた熱意や問いかけについて、多角的に読み解いていきます!
- ◆オリジナル公開年と興行収入成績
- ◆テレビ放送履歴
・『ゲド戦記』:あらすじ
- 大賢人・ハイタカとの出会い
- 火傷を負った少女・テルーとの出会い
- アレンの告白とクモの城
- テルーの秘密とクモとの決着
・『ゲド戦記』:主要キャラクターと声優
- アレン/レバンネン(声優:岡田准一)
- テルー/テハヌー(声優:手嶋葵)
- ハイタカ/ゲド(声優:菅原文太)
- テナー(声優:風吹ジュン)
- クモ(声優:田中裕子)
・『ゲド戦記』:主人公・アレンと宮崎吾朗氏の関係を考察
『ゲド戦記』:作品概要
長編アニメーション映画『ゲド戦記』は2006年に劇場公開された映画です。
日本アカデミー賞で優秀アニメーション作品賞を受賞していますが、大衆評価では他のジブリ映画と比較しても独創性やメッセージ性の弱さから低い評価を受けています。
監督を務めたのは宮崎駿氏の長男であり『コクリコ坂から』や『アーヤと魔女』を手掛けた宮崎吾朗氏。
SF作家アーシュラ・K・ル=グウィンによるファンタジー作家『ゲド戦記』を原作に、初の監督・脚本を務めた作品として注目を集めました。
▼原作版との比較について詳しくはこちら!
・【ジブリ映画】『ゲド戦記』の原作を紹介!小説版のあらすじや映画との相違点は?
◆オリジナル公開年と興行収入成績
映画『ゲド戦記』のオリジナル公開年は2006年7月29日(土)です。
夏休みに公開されたこともあり、公開から2日で観客動員数67万人、興行収入9億円の好成績を記録しました。
2006年の年間邦画興行収入ランキングでも1位に君臨しています。
2020年、新型コロナウイルスの影響で新作映画の公開延期が相次いだため、企画されたジブリ映画のリバイバル上映によって『ゲド戦記』も再上映。
2020年6月26日からの特別上映が実施されました。
結果、2006年の初回上映と2020年の再上映を累計した興行収入は、78.6億円となりました。
◆テレビ放送履歴
『ゲド戦記』は劇場上映終了後、これまでに5回テレビで地上波放送されています。
だいたい3年に1回のペースで、地上波で見るチャンスがありますね。
『ゲド戦記』:あらすじ
では『ゲド戦記』のあらすじを紹介します。
後半は物語のエンディングに関するネタバレがありますので、未鑑賞の方はご注意ください。
大賢人・ハイタカとの出会い
エンラッド王国は、原因不明の家畜や乳児が突然死、流行病、干魃による種まきのおくれなどいくつもの災厄に悩まされていました。
世界の均衡を保ための”光”が弱まり均衡を崩す”影”が強まる中、国王は国民の安心安全を最優先に事の原因を探ります。
そんなある日、王子・アレンは混沌とした世界で精神を病み、衝動的に父である国王を刺殺してしまいます。
正気に戻り自分のやったことに恐れたアレンは、父の持つ魔法の剣を奪ってエンラッド王国を捨てて逃げ出します。
広い大地をとにかく先へ進むアレンは複数の獣と遭遇し死を覚悟しますが、魔法使いの男・ハイタカによって助けられ、ホート・タウンと呼ばれる都城まで同行することに。
ハイタカは、魔法使いが蔓延る世界”アースシー”で竜が人間を襲ったり魔力が弱まっていたりと異変が起きている元凶を突き止めるために旅をしていた大賢人だったのです。
かつては平和で美しかったホート・タウンは、均衡が崩れ始めていることが原因で、麻薬の密売や人身売買、ぼったりなどが横行する都城へと変わり果てていました。
火傷を負った少女・テルーとの出会い
都城をひとりで散策するアレンは、人狩り・ウサギに囚われそうになっている少女見つけ咄嗟に助けますが、その晩にひとりでいるところをウサギに狙われ身柄を拘束されてしまいます。
そこにハイタカが救出に現れ、共にハイタカの昔からの知り合いである魔法使いの女・テナーの家にやってきます。
テナーの家には、アレンが街で助けた少女・テルーがいました。
テルーは、親からひどい仕打ちを受け、顔に火傷を負った状態で道端に捨てられているところをテナーが助け女手ひとつで育てていました。
歩み寄ろうとするアレンですが、テルーはアレンが人狩りに言い放った自分の命を粗末にする発言を許せず、「命を大切にしない奴なんて大っ嫌いだ」と避け続けます。
しかし、テナーの家で徐々に生きる喜びを感じ始めるアレンにテルーは心を許し始めます。
アレンの告白とクモの城
素朴な暮らしの中、テールを呼びに草原へ出たアレンは、自分が父親を殺してしまい、逃げてここまでやってきたことを打ち明けます。
全てを告白したアレンは、テナーとテルーの元を離れ長く続く草原の道を歩み進めます。
そんな中、ウサギがハイタカのいない時間に押しかけテナーを誘拐し、テルーにハイタカを魔法使い・クモの住む城へくるよう伝言を残し立ち去ります。
一方、ひとりで旅に出ようとするアレンの前に現れたクモはアレンの影を利用して拉致します。
ハイタカが城に向かうと、そこにはクモに翻弄され正気を失っているアレンの姿がありました。
心を闇に覆われかけているアレンに、「聞きなさいアレン。この世に永遠に生き続ける者などありやしないのだ。自分がいつか死ぬと知っているということは、我々が天から授かった素晴らしい贈り物なのだ。ワシらが持っているものはいずれ失わなければならないものばかりだ。苦しみのためであり、宝物であり、天からの慈悲でもある。ワシらの命も。」と訴えかけます。
アレンは、“死を拒絶すること、それは生を拒絶すること”の意味を理解していません。
結局、ハイタカは魔力を制圧され、テナーと共に監禁。
テルーはハイタカから預かったアレンの剣を持って、廃人のようになったアレンの元へやってきて、「あなたは死ぬことを恐れているのではなく、生きる事を恐れている。だから、永遠の命にすがるのだ」と話します。
その言葉に心の闇が晴れたアレンは、クモを倒しに向かいます。
テルーの秘密とクモとの決着
処刑されかけのハイタカとテナーを助けにやってきたレンとテルーを、クモは魔法を使って阻止しようとします。
戦いの中、クモはテルーをさらい殺してしまいます。
テルーの死に立ち尽くすアレン。
しかし、そんなアレンたちの前に現れたのは竜の姿へと変貌を遂げたテルーでした。
テルーは、遥か昔に人間として暮らす事を選んだ竜族の子孫だったのです。
竜の吹き出す炎によってクモは倒れ、永遠の命を手に入れようとしていたクモの死によって世の中に均衡が戻り、平和がやってきます。
アレンは父を殺した罪を償うためにエンラッド王国へ帰る決意をし、テルーとテナーと別れハイタカと共に旅立ちました。
『ゲド戦記』:主要キャラクターと声優
続いて『ゲド戦記』の主要キャラクターと声優をご紹介します。
物語を理解するには、ひとまず以下のキャラを覚えておけば大丈夫です!
アレン/レバンネン(声優:岡田准一)
主人公のアレンは、17歳のエンラッド王子。
混沌に堕ちた王国で、衝動的に父親を殺してしまい逃避の旅にでます。
そこで外の世界と新たな出会いを通じて、やがて世界の命運をかけた戦いに挑みます。
テルー/テハヌー(声優:手嶋葵)
両親からひどい仕打ちを受け、顔に火傷を負った少女。
自分の命を大切にしないアレンを酷く嫌いますが、徐々に打ち解けあっていきます。
ハイタカ/ゲド(声優:菅原文太)
顔に傷を負った魔法が使える大賢人。
逃避の旅に出ているアレンを助け、世界の均衡を保ため災いの源を探ります。
テナー(声優:風吹ジュン)
ハイタカの幼なじみで、道端に捨てられていたテルーの育て親。
クモ(声優:田中裕子)
ハイタカと対立し、永遠の命を手に入れようと禁断の生死両界の扉を開けた魔法使い。
▼ゲド戦記の声優・キャスティングについてもっと詳しくはこちら
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『ゲド戦記』:主人公・アレンと宮崎吾朗氏の関係を考察
『ゲド戦記』には、3つのキャッチフレーズがつけられています。
「見えぬものこそ」
「父さえいなければ、生きられると思った」
「かつて人と竜はひとつだった」
主人公アレンの父は、どんな災厄にも屈せずに立ち向かう国王。
そして宮崎吾朗氏の父は、圧倒的な創造力でアニメーション界の巨匠に君臨する宮崎駿氏。
両者には重なる部分が感じられます。
偉大な父を持ち、その父と同じ道を歩むということは、常に比較され一生格闘していかなくてはならないということです。
王子であるアレンには、人々を力強く牽引する父の背中が脅威に思えていたのではないでしょうか。
アレンは人々が自分にも父のような能力を期待しているのだという重圧に押し潰されかけ父を亡き者にしますが、ハイタカとの災いの元凶を探す旅で、自分を取り戻し自国へ戻る決意をします。
父のようになろうと決めたのか、はたまた父とは違う自分らしさを発揮しようとしているのか。
世界に強烈なインパクトを与え続ける宮崎駿を父に持つ宮崎吾朗氏は、周りからの期待や常に父と対峙しなくてはならない宿命に目を逸らさず生きる決意をしました。
『ゲド戦記』は、原作者からも父・宮崎駿からも酷評され、大衆評価も高くありません。
しかし、アレンの姿にはスタジオジブリのアニメーション監督として生きていく宮崎吾朗氏の決心のようなものが見えてきませんか。
まとめ
宮崎吾朗監督による初の長編アニメーション映画『ゲド戦記』について基本情報をご紹介しました。
あらすじや主要キャスト、キャッチフレーズなどを知った上で再度鑑賞してみると、以前とは違った見方ができるかもしれません。
みなさんもぜひ『ゲド戦記』を新鮮な視点で楽しんでみてくださいね。
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