【ディズニーのホラー】ウォルト・ディズニーが演出した数々のホラーシーンの意図とは!?映画&アトラクションなど!
子供が夢を持てるような世界を思い描き、様々な作品やテーマパークを遺した、ウォルト・ディズニー。ところが、ディズニーの映画作品や世界のディズニーパークには、子供が思わず目を覆うような怖い演出がよく見られます。ウォルトは何を想い、何のために、「恐怖」という演出を数々の作品の中に残したのでしょうか?今回はウォルトの考える、夢と恐怖の謎に迫ります!
Bonjour tout le monde!! みなさん、こんにちは!
パークフード大好き!ディズニーグルメ男子のだんだんです。
ディズニーランドの創設者、ウォルト・ディズニー。
今も世界中の子供たちに夢を与えていますね。
その一方で、ディズニーの映画作品や世界のディズニーパークには、大人をも恐怖させるようなホラーな演出がたくさんあります。
そこで今回は、ウォルトが作り上げた恐怖シーンやホラー演出の代表例を紹介するとともに、ウォルトがなぜ人々に恐怖を与えようとしたのか、その謎を探ろうと思います!
- ①ディズニー映画の怖いシーン:ダンボの幻覚
- ②ディズニー映画の怖いシーン:バンビの母親
- ③ディズニーパークのホラー演出:白雪姫
・ウォルトなりの恐怖の捉え方
- ①夢と恐怖
- ②子供に恐怖を与えたかった理由
- ③ホーンテッドマンションへの思い入れ
・ウォルトからの教訓
ディズニーの作品は怖い?
ウォルト・ディズニーが手掛けた恐怖演出については、ネットで検索するとたくさんでてきます。
まずは、有名な恐怖シーンをいくつかおさらいしましょう!
①ディズニー映画の怖いシーン:ダンボの幻覚
最初は映画「ダンボ(1941年)」から入ります。
「ダンボ」の怖いシーンといえば、主人公のダンボがシャンパンを飲んだことで泥酔してしまい、幻覚を見るシーン。
ゾウが増えたり消えたりを繰り返しながら行進し続ける、という不気味な演出です。
このシーンを子供が見るとトラウマになってしまうとか…。
ウォルトはなぜこの不気味なシーンを作中に追加したのでしょうね…。
それはさておき、次の作品に行きましょう。
ピンクのゾウはまだまだ序の口ですよ!
②ディズニー映画の怖いシーン:バンビの母親
お次は「ダンボ」と3文字違いの映画「バンビ(1942年)」です。
まだ子鹿のバンビの母親は、作中で野蛮な人間によって殺されてしまいます。
直接母親が撃たれるシーンこそ描かれませんが、母親の死を告げられたバンビは悲しみにくれます。
動物視点からの人間への恐怖心を描いた、母親の死のシーン…。
降りしきる雪がさらに悲しさをかき立てますよね。
そもそも「死」のシーンはなぜ必要だったのか、考えたことはありますか?
この疑問も一旦保留しておきましょう!
③ディズニーパークのホラー演出:白雪姫
もう1つはディズニーランドのホラー演出として、「白雪姫と七人の小人」を紹介します。
ライド中、暗闇の中で何度も魔女が現れ、ゲストはさんざんな目にあいます。
そして問題はアトラクション終盤!
魔女が頭上からゲストに向かって大岩を落とす、という衝撃的な展開で出口を迎えます。
ディズニーに詳しい方ならご存じでしょう。
この演出の意図は「世の中ハッピーエンドだけじゃないぞ!」というウォルトからのメッセージだそうです。
しかし、筆者は「いやいやウォルトさん、ディズニーの中なんだからハッピーエンドがいいですよ!」と思います。
ではこの後もう少し踏み込みましょう。
なぜウォルトは不気味で怖いシーンを映画に盛り込んだのか?
なぜ作中で主人公と「死」を直面させるのか?
なぜウォルトは、「ハッピーエンドだけじゃない」と伝えたかったのか?
ここからはウォルト・ディズニーだからこそ得た恐怖への哲学に触れていきます。
ウォルトなりの恐怖の捉え方
ウォルトが描いた恐怖演出の数々。
どういった経緯で恐怖というものが描かれたのかを紐解いていきます。
①夢と恐怖
そもそも「子供に夢を与えること」と、「子供に恐怖を与えること」は正反対です。
もともとウォルトは、「恐怖」などより「夢」を与えることを重視していました。
夢、つまり「ハッピーエンド」や「コメディな演出」が好きだったのでしょう。
その証拠として映画「白雪姫」では、むごい描写の多いグリム童話の原作から、怖い部分をそぎ落として幸せなハッピーエンドを迎えます。
また、1929年に公開された「骸骨の踊り」という短編作品があります。
「墓場の骸骨」という怖そうなテーマですが、ウォルトは見事に音楽とアニメーション演出によって、全く怖くないコメディなテイストの作品にしています。
ところが、夢や希望を与えるような作品を作る一方で、ウォルトのもつ「恐怖」という観念も徐々に変化していきます。
明らかに恐怖への姿勢が変わったターニングポイントは1940年!
「ファンタジア」という当時の大ヒット映画を公開した年でしょう。
作中に登場するチェルナボーグという死神のキャラクターは「絶対悪と絶望の象徴」とされており、この時からウォルトは怖いシーンやトラウマチックな演出を意識するようになります。
・【閲覧注意】ディズニー映画のトラウマ5選!大人でもトラウマになっちゃう!?
②子供に恐怖を与えたかった理由
ウォルトは善悪のはっきりしたディズニー作品を書く中で、「恐怖」というネガティブな感情にも大いに興味を抱いていたそうです。
「どれだけ作品で夢や希望を主張したところで、現実世界では全ての人がいつもハッピーエンドとは限らない…。時には絶望や恐怖におびえることもある!」
恐怖から学べるものを映画で表現したかったウォルトは、1941年公開の「ダンボ」で子供がトラウマを抱くようなシーンをあえて取り入れ、1942年公開の「バンビ」では母親の死のシーンを加えます。
これらの演出は、コメディ映画では見られない人間悪や憎悪の世界を表現しています。
子供に世の怖さを伝えようとする意図がくみ取れますね。
「楽しくてかわいらしい作品」を製作してきたウォルトにとって、この恐怖心に対する姿勢の変化は大きな躍進になったでしょう。
そうして夢や希望だけでなく、恐怖や絶望によって世界中の子供を刺激したウォルトは、テーマパークの建設においても「恐怖」をとりいれていきます。
先ほど紹介した「白雪姫と七人の小人」で、ゲストに向かって大岩を落とすシーン。
映画ではハッピーエンドなのに、アトラクションはバッドエンドですね。
長いキャリアを経たウォルトだからこそ感じた「恐怖の重要性」、その痕跡をみられる貴重なアトラクションこそ「白雪姫と七人の小人」なんですよ!
・【必見】白雪姫と七人のこびとはなぜ怖い?ホラー演出の秘密や海外と日本の違いまとめ!
③ホーンテッドマンションへの思い入れ
もう1つ、ディズニーとホラー演出の関係を語るのに欠かせない場所があります。
それが、ディズニーランドのホラーアトラクション「ホーンテッドマンション」です。
ウォルトは生前、ホーンテッドマンションの建設計画に特に力を注いでいました。
彼は、「悪の象徴である亡霊にさえ、ゆったりと暮らせる住処を作ってあげたい。」と周囲によく言っていたそうです。
悪や恐怖に対する、ウォルトなりの思い入れが感じられますよね!
ところがウォルト・ディズニーはホーンテッドマンションの完成を待たずしてこの世を去り、彼の意志をついだスタッフたちが、彼に代わりアトラクションを完成させました。
東京ディズニーランドのホーンテッドマンションは今日も元気に運営中!
ウォルトの恐怖に対する姿勢が、世界中のディズニーパークにも未だ根強く残っていることがわかります。
ウォルトからの教訓
ダンボは途中で泥酔こそしてしまうものの、夢をあきらめず最後には空を飛べるようになります。
母親を亡くしたバンビは、悲しみをばねに力強く成長していきます。
怖い演出やトラウマシーンの後、ウォルト・ディズニーは絶望や恐怖をどう乗り越えるかまで描きました。
ホラーシーンとそれに立ち向かう主人公を見た子供たちは、ハッピーエンドだけでは語れない、大人として成長するために重要なことを学びます。
「恐怖や絶望をあえて見せることで、多くの子が立派に成長してほしい」というのがウォルトの教訓です。
私たちにもこの教訓は通じると思います。
世の中の良い面だけを子供に見せるのではなく、悪い面も教えてこそ、人は成長できるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?
ウォルト・ディズニーが手掛けた数々のホラー演出の意図について、ご紹介しました♪
パークで「白雪姫と七人の小人」や「ホーンテッドマンション」に乗った時は、ぜひウォルトの遺志を感じてみてください!
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