【ネタバレ】ノートルダムの鐘の原作は怖い?原作とディズニー作品を比較!
1996年に公開された『ノートルダムの鐘』はウォルトディズニー長編アニメ34作品目として、公開されました。主人公とヒロインが結ばれないディズニー作品の中でも異色な存在です。ディズニー作品は悲しくも希望に満ち溢れた作品でしたが、原作はとても恐ろしい内容になっています。原作のご紹介と原作との違いについてお話ししていきます。結末以外のネタバレを含んでいますので、ご注意ください。
こんにちは、気づいたら悲恋やダークファンタジーにハマってしまうぴょこです!
ディズニー作品で悲恋と言えば『ノートルダムの鐘』ではないでしょうか。
ディズニー作品では珍しく、主人公とヒロインがカップルにならない作品です。
それだけでも悲しいですが、『ノートルダムの鐘』の原作はもっと悲しく、恐ろしい作品として有名です。
原作である『ノートルダム・ド・パリ』の恐ろしい内容やキャラクターについて、ディズニー作品である『ノートルダムの鐘』と比較しながらご紹介していきます。
・ノートルダムの鐘:キャラクターの性格の違い
・ノートルダムの鐘:3体のガーゴイルの石像はでてこない
・ノートルダムの鐘:主人公はカジモドではない!?
・ノートルダムの鐘:フロロの弟は原作だけの登場
・ノートルダムの鐘:カジモドは耳が聞こえない?
・ノートルダムの鐘:結末は悲しいものに・・
ノートルダムの鐘:『ノートルダム・ド・パリ』のあらすじ
まずは、原作である『ノートルダム・ド・パリ』のあらすじをご紹介します。
中世後期のパリ、ノートルダム大聖堂の前にとても醜い赤ちゃんが捨てられていました。
偶然拾ったノートルダム大聖堂の助祭長であるフロロは、赤ちゃんにカジモドという名前を付けて育てます。
やがて、青年に成長したカジモドはノートルダム大聖堂の鐘つきになりました。
パリにやってきたエスメラルダという美しいジプシーに恋をするフロロ、恋焦がれるあまりにカジモドを使ってエスメラルダを誘拐しようとします。
しかし、失敗に終わり、カジモドは捕えられてしまいます。
捕らえられたカジモドは広場に連れていかれ晒しものにされますが、エスメラルダだけが守ってくれます。
初めて人間としての扱いを受けたカジモドはエスメラルダに恋心を抱きます。
しかし、エスメラルダはフェビュスという衛兵に口説き落とされて恋仲になっていました。
そんな中、フロロはエスメラルダへの想いを募らせて、嫉妬からフェビュスを殺してしまいます。
濡れ衣を着せられたエスメラルダをカジモドがノートルダム大聖堂の中で匿いますが、失敗に終わりフロロに捕まってしまいます。
そして、フロロは愛人になるように迫りますが、エスメラルダは拒否してしまい…。
ノートルダムの鐘:キャラクターの性格の違い
キャラクターはディズニー作品と性格がかなり違います。
とくにエスメラルダは驚きの裏事情があったり、フィーバスの代わりにフェビュスというキャラクターが登場したりします。
キャラクターの簡単な紹介と原作とディズニー作品との違いについてご紹介します。
◆カジモド
ノートルダム大聖堂で捨てられていたところをノートルダム大聖堂の助祭長であるフロロに拾われました。
容姿が非常に醜く、不完全という意味を持つ「カジモド」という名前を付けられます。
成長したカジモドはノートルダム大聖堂の鐘つきとしてノートルダム大聖堂の屋上で暮らしています。
ディズニー作品では、醜くも心優しい性格をしていたカジモド。
エスメラルダを好きという部分は変わりませんが、原作では性格は意地悪とされています。
◆エスメラルダ
エスメラルダはとても美しいジプシーで、カジモドとフロロ、フェビュスを美しさで魅了します。
実はなりゆきで結婚した夫がいますが、婚約者がいるフェビュスと恋仲になります。
残念ながらディズニー作品のようにカジモドに対する優しさも薄いのが特徴的です。
むしろ助けてくれたカジモドに感謝するどころか、あまりに醜い顔に恐怖を抱き、顔を背けてしまいます。
◆フェビュス
非常に整った顔立ちで衛兵の隊長を務めるフェビュスは、ディズニー作品のフィーバスのポジションですが、フィーバスのように好青年ではありません。
なんと婚約者がいるにも関わらずエスメラルダと恋仲になるのです。
しかし、恋仲になったフェビュスとエスメラルダが逢引していると、嫉妬したフロロに刺されてしまい、他のキャラクターと全く異なる結末を迎えます。
◆フロロ
ノートルダム大聖堂の前に捨てられていたカジモドを拾い、育てたノートルダム大聖堂の助祭長です。
ディズニー作品と違い非情で残忍な性格ではなく、優しさも持ち合わせています。
原作のフロロはエスメラルダへの想いと聖職という立場の間で板挟みになっています。
ただし、貪欲で嫉妬深い性格はディズニー作品と変わらず、結果的にフェビュスを刺してしまいます。
職業もディズニー作品では最高裁判事でしたが、原作は助祭長とまったく違う職業についています。
ノートルダムの鐘:3体のガーゴイルの石像はでてこない
ディズニー作品では観客を和ませてきた3体のガーゴイルの石像達は出てきません。
実際のノートルダム大聖堂には何体ものガーゴイルがいますが、原作にガーゴイルの描写は一切ありません。
親友とも呼べる彼らがいるといないではカジモドの性格に大きく影響していることが、原作とディズニー作品のカジモドの性格の違いから伺えます。
余談ですが3体のガーゴイルの石像の名前は「ユーゴ 」、「ヴィクトル」、「ラヴァーン」です。
もうお気づきの方もいるかもしれませんが、「ユーゴ 」と「ヴィクトル」は原作者であるヴィクトル・ユーゴ の名前が由来なんですよ♪
ノートルダムの鐘:主人公はカジモドではない!?
『ノートルダム・ド・パリ』の主人公はカジモドではなく、フロロではないかと言われています。
ディズニー作品とは違い、非常に人間らしい性格をしており、優しさも垣間見ることができます。
カジモドを拾った理由も、可愛がっていた小さな弟にその姿を重ねた為でした。
自分が育てなければ不憫であるという気持ちと、弟がどんなに悪いことを重ねても、カジモドを育てることで、その罪が償われると信じていました。
ちなみに、フロロは作者であるヴィクトル・ユーゴをモチーフにしているという説もあります。
自分自身を重ねているので、原作のフロロはとても人間くさいキャラクターになったのかもしれませんね。
ノートルダムの鐘:フロロの弟は原作だけの登場
ディズニー作品にない特徴として、原作にはフロロの弟が登場します。
弟はジャンという名前で、年の離れた兄のフロロに甘やかされて育ったことからわがままな性格になりました。
神学などの勉強にいそしんでいたフロロは19歳の時に両親をペストで亡くしてしまいます。
まだ血乳飲み子の弟のジャンが残されてしまいました。
フロロは年の離れたジャンのかわいさに自分が全力で育てることを決意します。
時は流れ、ジャンは学生となり遊ぶ金欲しさにちょくちょく兄のところにきます。
フロロは呆れながらもジャンに説教をしますが、ジャンに弱いフロロは結局お金を渡してしまいます。
そんなジャンを見てフロロはノートルダム大聖堂の前に捨てられていた子供、カジモドを拾ってジャンの非行に対する罪滅ぼしとして育てることを決めます。
弟との関係性を見てもフロロは原作とディズニー作品では性格が違うことが分かります。
ディズニー作品での冷酷さはあまりなく、むしろ弟の為に働いて育て上げる彼の優しさや愛情が伝わります。
カジモドの名前の由来も不完全という意味のカジモドだけが由来ではありません。
発見された日がちょうど「白衣の主日(カジモド)」という日だったことにあるようです。
「白衣の主日」はカトリック教の祝日にあたります。
別名を神のいつくしみ日と呼ばれており、神の恩恵に感謝する日とされています。
実はとても素敵な日だったのです。
フロロのカジモドへの愛を感じることができますね♪
ノートルダムの鐘:カジモドは耳が聞こえない?
原作ではカジモドは鐘つきをしているせいで耳はほとんど聞こえません。
フロロの命令でエスメラルダを誘拐しようとして失敗に終わり、晒しものになった時に、耳は聞こえないが目は良く見えると書かれています。
ディズニー作品では耳が聞こえないということはなかったので、原作のカジモドがどうしてディズニー作品より後ろ向きな性格なのかが分かったような気がします。
親に捨てられ、ノートルダム大聖堂の屋上から出ることもできず、耳も聞こえず友達もいない。
もし自分だったら・・と想像してしまいぞっとしてしまいます。
ノートルダムの鐘:結末は悲しいものに・・
明るいエンディングを迎えたディズニー作品とは異なり、原作版ノートルダムの鐘は、悲しい結末が待っています。
ディズニー作品では、カジモドはエスメラルダと結ばれることはありませんでした。
しかし、ノートルダム大聖堂での戦いを経て、カジモドが民衆から受け入れられたところで物語は終わります。
ヒロインと結ばれないのでハッピーエンドではないのでは?と感じる方もいるかもしれませんが、カジモドが醜いと感じていた見た目が、人々に受け入れられた瞬間でもあります。
最高のハッピーエンドではないにせよ、彼にとってはハッピーエンドといっても間違いないでしょう。
しかし、原作版はそう簡単にいきません。
より現実的な結果が待ち受けています。
とても悲しい結末なので、『ノートルダムの鐘』を想像している方には受け入れがたいかもしれません。
ただ、カジモドにとってはハッピーエンドだったのではないかと筆者は感じています。
もし興味がある方はぜひ『ノートルダム・ド・パリ』を読んでみてください。
主要キャラクター達の人間的な部分が細かく描かれているので、様々な解釈ができる作品ではないでしょうか。
まとめ
『ノートルダムの鐘』と『ノートルダム・ド・パリ』の違いをご紹介してきましたがいかがでしょうか。
『ノートルダム・ド・パリ』では、ディズニー作品の中でも異色の存在である『ノートルダムの鐘』より、色んな意味で恐ろしい内容になっています。
しかし、悪役であるフロロは過去や苦悩がしっかりと描かれており、憎めないキャラクターとなっています。
悪役にも背負っているものが沢山あることを感じることができます。
また、カジモドやフロロ、フェビュスのエスメラルダへの愛のカタチも分かりやすく描かれています。
しかしその愛のカタチがどういった結末を迎えるかは、
実際に原作である『ノートルダム・ド・パリ』を読んでご自身の目で確かめてみて下さいね。
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