【ディズニーの建物&建築】遠近法で実物より大きく見える?!目の錯覚を使った演出の魔法を解説!
ディズニーの建物&建築に関する演出の魔法をご紹介!映画のセットを作る技術を応用した遊園地設計について、ワールドバザールやシンデレラ城を例にわかりやすく解説します。遠近法で実物より大きく見える建物や建築をチェックしていきましょう◎
こんにちは!ディズニーが大好きな1児のワーママYurikoです。
ディズニーといえば、世界観を忠実に再現するために、バックストーリーがしっかり作り込まれているのはファンのあいだでは有名な話。
例えば、ディズニーランドのレストランは、知らない人にとってはお腹が空いたときに行く場所でしかありませんが、実は誰が何のために作ったか、などストーリーまで考えられているんです。
そういった細かいところを大人がこだわって一生懸命に作っているからこそ、私たちは惹きつけられるんです。
一方で、テーマパーク設計に関する現実的な話もかなりおもしろいんですよ。
映画のセットで使われていた技法を使っているので、これまでの遊園地設計とは根本的に違うんです。
今回は、ディズニーランド&シーの建物や建築に関する演出の魔法をご紹介します。
知っているとディズニーランドやシーがもっと楽しくなりますよ♪
・ディズニーの建物&建築に関する演出の魔法①:ワールドバザールの建物
・ディズニーの建物&建築に関する演出の魔法②:ワールドバザールとシンデレラ城の距離
・ディズニーの建物&建築に関する演出の魔法③:シンデレラ城の塗装
・ディズニーの建物&建築に関する演出の魔法⑤:シンデレラ城の高さ
・ディズニーの建物&建築に関する演出の魔法⑥:野獣の城と背後にある山
ディズニーの建物&建築に関する演出の魔法
東京ディズニーランドや東京ディズニーシーにあるたくさんの建物。
何気なく歩いているだけでは、気づかないかもしれませんが、演出の魔法がかけられています。
ピーターパンのアトラクションの上にいる、ティンカーベルがふりかけるピクシーダストのことではありませんよ(笑)
魔法とは、具体的には強化遠近法と空気遠近法になります。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、簡単に言ってしまうと遠近法です。
美術の授業で聞いたことがありませんか?
遠近法とは、絵を描くときに使われる方法のことです。
近くにあるものを大きく、遠くにあるものを小さく描くと距離感が生まれますよね。
強化遠近法は、建物などを実物よりも大きくかつ高く見せる手法です。
柱の長さや窓の形などを変えたりして、目の錯覚を利用しているんですよ。
また、空気遠近法とは、大気を利用した遠近法です。
目には見えませんが空気中にはチリや水蒸気などの粒子があり、空気の濃いところでは白く見えるんです。
この現象のために雲は白く見えます。
空気遠近法も意図的にパークでは使われていますよ。
では、パークで見られる強化遠近法と空間遠近法を見ていきましょう!
ディズニーの建物&建築に関する演出の魔法①:ワールドバザールの建物
東京ディズニーランドの玄関口にあるワールドバザール。
ワールドバザールにはたくさんのショップがあって、とてもワクワクする場所ですよね!
ほとんどのショップは、3階建て以上の高さがあるように見えますが…。
窓の大きさをよく見てください。
1階部分の窓の大きさに対して、2、3階は小さく見えませんか?
実は、1階部分は通常の建物の8分の7、2階部分は8分の5、3階はというと2分の1の大きさで作られているんです。
この縮尺により、ワールドバザールの建物は、上に行くほど小さくなり、実際よりも大きく見えるようになっているんですね。
人はある程度、実生活の中で建物の高さを体感しているため、このトリックはすぐにバレそうなんですが、ワールドバザールでわざわざ立ち止まって近づいて正面から見ない限りはわかりませんよね。
シンデレラ城に向かって歩いていたら、進行方向に視点が固定されているので、余計にわかりづらいと思います。
ちなみに、パークのほかのエリアの建物も1~5/8~1/2サイズでデザインされていますよ。
ディズニーの建物&建築に関する演出の魔法②:ワールドバザールとシンデレラ城の距離
ワールドバザールを歩いていくと目の前に見えてくるシンデレラ城。
すごく遠くに見えませんか?
逆にシンデレラ城からワールドバザールに向かうときは近くに見えるんです。
実はワールドバザールの道の幅が、シンデレラ城に向かうにつれて狭くなっているんです。
パークにきたときは、遠くのほうにシンデレラ城が見えるとテンションが上がりますよね。
反対に帰るときは、通りが短く感じられるので、出口が見えてほっと安心するんですよ。
疲れて足がくたくたになっていても、出口が見えれば意外と歩けるんです。
ちなみに、道幅だけでなく傾斜もつけてあるんですよ。
帰り道は、ワールドバザールに向かって下り坂になっており、歩きやすいような工夫がほどこされています。
ワールドバザールからシンデレラ城に向かうときは上り坂でもルンルン気分で行けますしね。
ディズニーの建物&建築に関する演出の魔法③:シンデレラ城の塗装
東京ディズニーランドの象徴であるシンデレラ城。
実はお城の塗装の色にも遠近法が使われているんです。
色には、進出色と後退色という種類分けがあります。
進出色:赤や黄色などの前に飛び出て見える色
後退色:青などの後ろに下がって見える色
シンデレラ城といえば、白と青でデザインされていますよね。
そのため、ワールドバザールからお城を見ると遠くのほうにそびえたって見えるわけです。
ちなみに、ワールドバザールを出たところでバルーンを売っていますが、赤や黄色のバルーンが視界に入ることで、遠近感に一役買っているんですよ。
▼シンデレラ城のモデルについて
・【必見】シンデレラ城のモデルはどこ?ドイツじゃない!世界にいくつシンデレラ城はある?
ディズニーの建物&建築に関する演出の魔法⑤:シンデレラ城の高さ
シンデレラ城は何階建てだと思いますか?
シンデレラ城は実際の高さは、51m。
建物の高さにして、5階建てです。
もっと高いと思いますよね?
実はシンデレラ城にも遠近法が使われているんです。
お城の窓の大きさをよく見てください。
階数が上のほうになるにつれて、窓の大きさが小さくなっていますよ。
また、レンガの大きさも、お城の土台部分は大きく、上のほうは小さくなっています。
さらに階数を気づかせないために尖塔(お城の尖った部分)の配置も工夫されているんですよ。
ちなみにシンデレラ城が51mになった理由については、航空法が挙げられることもありますが、法律が定められたのが1960年。
東京ディズニーランドは1983年に開園したので、航空法ギリギリの高さを目指すのであれば、もう少し高く作られていたと思われます。
◆航空法とは
高さ60m以上の建物には、航空障害灯(ビルなどに付けられる赤く点滅するライト)や昼間障害標識の設置を義務付けた法律のこと。
ちなみに、東京ディズニーシーのプロメテウス火山もシンデレラ城と同じ51mですよ。
また、ディズニーシーにあるタワー・オブ・テラーは高さ59mであり、航空法を意識した高さとなっています。
ディズニーの建物&建築に関する演出の魔法⑥:野獣の城と背後にある山
ディズニーランドの新エリア「美女と野獣」エリアにある野獣の城と背後にある山にも遠近法が使われているんです!
野獣の城もシンデレラ城と同じく、上のほうの窓は小さくなっています。
また、お城に使われているレンガも1階部分は大きくて、上に向かって小さくなっていきます。
これらの技術はシンデレラ城と変わりありません。
注目したいのが、お城に行く前に通る橋。
橋を渡り切ったところにお城の扉が見えますが、実際よりも遠くに見えませんか?
それから右手にあるファンタジーランドフォレストシアターを隠すための目隠しの山。
上のほうは、白っぽく霞んでいるように見せていますよね。
これは意図的な空気遠近法で、お城のはるか遠くに山がそびえたっているように見えます。
さらに、お城の周囲には岩や木が配置されており、遠近効果を高める役割をしていますよ。
まとめ
ディズニーの建物&建築に関する演出の魔法をご紹介しました。
遠近法はいたるところで使われていますが、ゲストに気づかせないよう工夫されているので、すべてを特定するのは不可能とも思えるほどです。
しかし、遠近法の原理を知っていると、意識すればあらゆる場所に仕掛けられたトリックに気がつくと思います。
今度パークを訪れた際は、ぜひ探してみてください。
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