【裏話】大赤字のUSJを再建・マーケター森岡毅氏!テーマパークランキング1位の秘密公開
ユニバーサルスタジオジャパンを経営難から救った元CMO森岡毅(もりおかつよし)さんを特集!USJの大赤字からV字回復・テーマパークランキング1位まで大躍進を遂げた成功の裏には、森岡毅さんの戦略がありました。ハリーポッターエリア・バックドロップやホラーナイト他、USJで数々の実績を誇る敏腕マーケター森岡毅さんのUSJマーケット論を紹介します。USJファンはもちろんのこと、マーケターになりたい学生・マーケティングに興味がある社会人の方も必読です。本記事を読んで、よりUSJを楽しみましょう♪
みなさん、こんにちは。
USJが好きなしーちゃんです♪
ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)には暗黒時代があったのをご存知でしょうか?
入場者数が減り、大赤字といわれるほどの経営難でした。
そんなUSJを復活させたのが、敏腕マーケターである森岡毅(もりおかつよし)さんです。
USJに本格的で恐ろしいホラーナイトを導入し、さらには日本でハロウィンを流行らせた張本人!
ハリー・ポッターをUSJに誘致したのも彼、森岡毅さんなんです。
森岡毅さんが考案した集客につなげるアイデアは次々にヒットし、着実にUSJのV字回復を可能にしました。
ついには東京ディズニーリゾートを抜いて、日本一の集客を誇るまでに大躍進!
とにかく、ものすごい人物なんです!(笑)
そこで今回は、USJ再建を現実のものにした、森岡毅さんの実績・マーケット論の数々をご紹介します。
USJファンはもちろん、偉大な功績をもつ森岡毅さんの考え方を知れば、仕事にも人生にも役立つかもしれませんよ★
・USJ再建・森岡毅氏:USJでの改革年表とUSJのV字回復まで!
・USJ再建・森岡毅氏:資金なし!?お金をかけずに集客アップを狙う!
- マーケット論①伸びしろは凹みにあると限らない!
- マーケット論②お金をかけずにできるアイデア
・USJ再建・森岡毅氏:ターゲット層の需要を満たす!
- マーケット論③ファミリー層が安心して遊べる場所へ!ユニバーサルワンダーランドを新設
- マーケット論④マーケターは消費者の代理人!後ろ向きジェットコースターの誕生
・USJ再建・森岡毅氏:既成概念を捨て「世界最高のエンターテイメントパーク」へ
- マーケット論⑤世界に通用するテーマパークにする
- マーケット論⑥映画以外のエンタメを取り入れる
USJ再建・森岡毅氏:経歴・プロフィール
森岡毅(もりおかつよし)さんは、日本を代表する敏腕マーケター。
神戸大学経営学部卒業後、1996年にP&Gジャパン・マーケティング本部へ入社します。
女性なら誰でも耳にしたことのある「ヴィダル・サスーン」のブランドマネージャーや、「ウエラジャパン」の副代表などを務めてきました。
P&G世界本社へ移籍し、世界規模でヘアケアブランドのマーケティングを行う森岡毅さんの実績は、当時から群を抜いていたのだそうです。
そこで森岡毅さんに目を付けたのが、当時のUSJのCEO・グレンガンペルさんです。
グレンガンペル氏によりヘッドハンティングされ、2010年6月にUSJを運営する株式会社ユー・エス・ジェイへ入社します。
ちなみに現在はすでに株式会社ユー・エス・ジェイを退社。
自身で立ち上げた、世界初のマーケティングノウハウのライセンシングカンパニー株式会社刀(かたな)の代表取締役CEOに就任しています。
USJ再建・森岡毅氏:USJでの改革年表とUSJのV字回復まで!
2001年にオープンしたユニバーサルスタジオジャパンは、初年度の入場者数は1102万人と華麗なるスタートを切っていました。
しかし、翌年2002年から763万人にダウン。
2004年~2008年までは850万人前後となり、ついに2009年・2010円と2年連続で入場者数が750万人にまでとどまってしまいます。
これがUSJの経営難といわれた大赤字時代。
そして2010年に森岡毅さんがUSJのCMO(チーフマーケティングオフィサー)に着任した翌年から、すぐに入場者数増加への仕掛けがはじまります。
森岡毅さんが手掛けたUSJでの主な改革と入場者数増加の実績は以下の通りです。
森岡毅さんが仕掛けたUSJの集客アイデアは次々にヒット。
毎年およそ100万人前後の入場者数増加と、右肩上がりに回復し続けています。
森岡毅さんが成し遂げたこれらのUSJ改革を、彼のマーケット論や狙いを紹介しながらひとつずつみていきましょう。
USJ再建・森岡毅氏:資金なし!?お金をかけずに集客アップを狙う!
森岡毅さんがCMOに着任してすぐに直面したのが、お金の問題でした。
当時のUSJは経営難でしたから、USJを再建したくてもそれにかけられる資金が十分にありませんでした。
「お金をかけずに集客アップに繋げてほしい」
そう指示されてしまいます。
マーケティングを担当している社会人をはじめ、「資金ゼロでインパクトを与えなければいけない」という壁はどの会社でも経験する人が多いでしょう。
その時、森岡毅さんが着目したのがハロウィンでした。
マーケット論①伸びしろは凹みにあると限らない!
ハロウィンは当時のUSJでも最大の集客数があった繁忙期。
マーケティング初心者の筆者なら「集客数が少ない閑散期こそ、現状打開の鍵が眠っているのでは?」と考えてしまいますが、容易に結論付けるのはNG。
マーケット論は数字での分析が重要です。
森岡毅さんが導きだした、伸びしろが残る未開の時期はハロウィンシーズンだったのだとか。
確かに、人間でも短所を伸ばすより長所を伸ばす方が伸びるといいますし、実感として繁忙期をさらに伸ばした方が結果に直結するような気がしますね。
「どう戦うかの前に、どこで戦うかを正しく見極めること」
それがマーケティングの基本だと森岡毅さんはいいます。
だからこそ彼の戦略はどれも高い成功確率を誇っているんですね!
マーケット論②お金をかけずにできるアイデア
・伸びしろが眠るハロウィンシーズン
・お金をかけずにできる戦略
2つを軸に考案されたのが、USJの街をゾンビが徘徊するという画期的なイベント「ハロウィーンホラーナイト」でした。
こうして考えると、アトラクションやエリアを新設するでもないにも関わらず、お金をほとんどかけずにUSJの雰囲気を一変させた最高のアイデアですよね。
しかも、ハロウィーンホラーナイトには正確にターゲット層・狙いが定められていました。
それはストレスを溜めやすい日本女性をターゲットに、素の自分をさらけ出せる場をつくること。
本格的なゾンビに襲われ、大声で叫ぶ爽快感によるストレス解消・自分自身を抑圧する毎日から脱却する仮装など、見事に狙いは的中します。
USJでのハロウィーンホラーナイトが大成功したことにより、日本でのハロウィンの知名度が上昇。
大人の仮装、大人のハロウィンという日本独自の文化にまで発展することになります。
日本にハロウィンを流行させるとは、さすがは敏腕マーケターです…!
USJ再建・森岡毅氏:ターゲット層の需要を満たす!
次に森岡毅さんが目を付けたのは、2つのターゲット層でした。
ファミリー層と、若年~大人層のゲストです。
マーケット論③ファミリー層が安心して遊べる場所へ!ユニバーサルワンダーランドを新設
当時のUSJは大人向けのアトラクションやエリアが多く、ファミリー層をうまく取り入ることができていませんでした。
そこでキッズ向けエリアとしてユニバーサルワンダーランドを新設。
小さな子供がいても、家族で安心して楽しく遊べる場がUSJにできました。
ユニバーサルワンダーランドを新設したことで、ファミリー層の入場者数が3割増!
テーマパークとして新たなターゲット層を開拓します。
また、ハローキティ・スヌーピー・セサミストリートといった、すでに知名度も人気も高いかわいいキャラクターをUSJに登場させたことも大きかったですよね。
かわいいもの好きな若年層の女性たちの心にも刺さったと思います!
マーケット論④マーケターは消費者の代理人!後ろ向きジェットコースターの誕生
2012年に明かされたハリーポッターエリアの新設は大ニュースになりましたが、その一方でハリーポッターエリアがオープンするまで客足が滞る心配がありました。
特にハリーポッターエリアが登場する前年、2013年の入場者数が懸念されました。
誰でも新しいエリアができてから行きたいと思いますよね!
そこでUSJは、2013年に若年層~大人までがどうしても行きたいと思う何かを打ち出す必要がありました。
しかもお金をかけずにできること!
(新エリア増設×2ではお金がかかりますもんね…)
森岡毅さんが考案したのは、既存のジェットコースターを後ろ向きに走らせるというアイデア!
そう、USJで過去最大の待ち時間を記録した「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~」の誕生です。
ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~
当初は期間限定アトラクションとして登場したバックドロップは、瞬く間にUSJいちの人気アトラクションに!
バックドロップの最大待ち時間は約560分(9時間20分)を記録。
USJ内のみならず、当時の日本国内のアトラクション最長待ち時間をたたき出しました。
後ろ向きに走行することで絶叫アトラクションに新感覚の怖さが加わり、USJのメインターゲットともいえるアトラクション好きの若年~大人層に響いたんですよね!
その後、あまりの人気からレギュラーアトラクションとしての継続が決定されるまでになりました。
2019年現在もなお、USJで1、2を争う人気のアトラクションになっていますよね。
当初は2013年の一部期間限定でしか乗れないということも手伝って、バックドロップ目当ての入場者数は多かったことでしょう。
ただ既存のアトラクションに少し手を加えただけで集客を伸ばすという、ここでもお金をかけずにできるアイデアが光っています。
「マーケターは消費者の代理人」だと、森岡毅さんは言います。
消費者を理解することさえできれば、お金をかけずとも需要を満たすことが可能なのですね!
▼ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~の情報はこちら
・【USJ攻略法】バックドロップの怖さを解説!ハリウッドドリームザライド待ち時間の短縮法5選も
USJ再建・森岡毅氏:既成概念を捨て「世界最高のエンターテイメントパーク」へ
森岡毅さんの功績でもっとも大きなインパクトがあったのは、USJの根本を変えるものでした。
USJは元々、映画をもとにしたテーマパークをコンセプトにオープン。
特にハリウッド映画の世界を再現することをこだわってきました。
映画だけにこだわることによって、アニメ・ゲーム・漫画・音楽などといった、他のエンターテインメント需要を取りこぼす結果になっていると森岡毅さんは結論付けました。
そこで「映画をコンセプトにしたテーマパーク」から、「世界最高のエンターテインメントパーク」へUSJの方針変更を申し立てます。
しかし古くからUSJに携わってきた社内外からは強い反対が相次いだそう。
それでも「消費者の需要に反する間違ったこだわりを持っている」と感じた森岡毅さんは、USJに次々と新たな風を送り込みます。
マーケット論⑤世界に通用するテーマパークにする
「ハリー・ポッター」シリーズは全世界大ヒットを記録した映画作品。
経営難のUSJで440億円を投資してハリーポッターエリアを新設することは大きな冒険でした。
しかし森岡毅さんは、関西からの集客に頼っているままではこの先のUSJの復活は見込めないと考え、世界からゲストが押し寄せる場を今から目指すべきとしていたのです。
経営難というマイナス点にあっても、目先の小さな利益に捕らわれず、高い目標を見失わなかったのがすごいですよね。
▼ハリーポッターエリアの情報はこちら
・【USJ】ハリーポッターエリアの秘密を徹底解明!ユニバが100倍楽しくなる仕掛け20選
マーケット論⑥映画以外のエンタメを取り入れる
ハリーポッターエリアを新設と同時に、映画だけのこだわりを捨て、その他のエンタメ需要へとフィールドを広げていきます。
それが2014年からスタートした、日本が誇るエンタメとコラボを発表するイベント「ユニバーサルクールジャパン」でした。
今や日本の漫画・アニメ・ゲームは、世界規模のマーケットに成長しています。
日本のファンのみならず、世界各国の原作ファンがUSJに注目!
翌年の2015年には外国人観光客が100万人を超え、2017年には200万人に到達しました。
まさに映画以外のエンタメが秘めていた集客力を活用することに成功したといえます。
2021年には世界初となる任天堂マリオエリアのオープンも予定されています。
世界最高のエンタメが集結するテーマパークというのが、今や日本のUSJにしかない魅力・唯一無二の強みにさえなっていますよね!
次はどんな新しいことを体験させてくれるのか、ワクワクです!
まとめ
いかがでしたか?
今のユニバーサルスタジオジャパン(USJ)を作り上げたといっても過言ではない、元CMO森岡毅さんの実績・マーケティング論について紹介しました。
仕事において参考になる考え方もあったのではないかと思います。
ぜひ次回USJに行った際には、森岡毅さんの功績を思い出してみてくださいね!
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